「労災保険法 業務災害の事例問題の対処の仕方とは」過去問・労災-47

「労災保険法の事例問題といえば、業務災害や通勤災害が思い浮かびますね。」

でも、テキストにそういった事例がすべて記載されているわけではありませんし、過去問と同じ問題がこれから先の本試験に出るとも思えません。

では、どうすれば問題に対処できるのかというと、業務災害の場合は「業務遂行性」と「業務起因性」がどれほどあるのか、ということで判断します。

通勤災害の場合は、「通勤に通常伴う危険が具体化」しているか、言いかえると、「普段通勤してたら実際に起こりそうなこと」なのかどうかということになります。

これを意識して問題演習をしていくと、少しずつコツがつかめてきます。

今回は、業務災害についての過去問を集めてみましたので、見ていくことにしましょう。

 

工事現場でハチに刺されても業務災害?

(平成29年問1E)

川の護岸築堤工事現場で土砂の切取り作業をしていた労働者が、土蜂に足を刺され、そのショックで死亡した。蜂の巣は、土砂の切取り面先約30センチメートル程度の土の中にあったことが後でわかり、当日は数匹の蜂が付近を飛び回っており、労働者も使用者もどこかに巣があるのだろうと思っていた。この場合、業務上として取り扱われる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

問題文のケースでは、ハチに刺された時は「作業中」だったわけで、つまり「事業主の支配下」にあったということですね。

なので、「業務遂行性」が認められます。

で、蜂の巣が土砂の切取り面30センチと、作業現場のすぐ近くにあり、ハチも近くを飛んでいたということですから、作業をしていたら刺される可能性はあったわけです。

なので、ハチに刺されるのは、この場合、「業務起因性」も認められるということになるんですね。

ちなみに、通達によると、ハチの巣は土砂中にあって、巣のある箇所も切り取ることになっていたそうです。

となると、ますます業務起因性が高まりますね。

次は、「ヘビにかまれてケガをした」というお話です。

こちらも「業務遂行性」と「業務起因性」がどの程度ありそうか想像しながら問題文を読んでいくことにしましょう。

 

資材置き場の草むらでヘビにかまれた!

(平成27年問3C)

配管工が、早朝に、前夜運搬されてきた小型パイプが事業場の資材置場に乱雑に荷下ろしされていたためそれを整理していた際、材料が小型のため付近の草むらに投げ込まれていないかと草むらに探しに入ったところ、その草むらの中に棲息していた毒蛇に足を咬まれて負傷した場合、業務上の負傷に該当する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

こちらも、資材を整理していたということですので、「業務遂行性」がありますね

で、資材が近くの草むらにないかどうか探しに行ったということですから、草むらに入った行為も業務として行っていますから「業務起因性」が認められますね

ですので、問題文の場合は業務上の負傷に当てはまる、ということですね。

では作業中ではなく、休憩中に事故にあった場合はどうなるのでしょう。

休憩中ですから仕事はしていないわけで、業務災害になることはあるのでしょうか。。。

 

休憩時間に事故に巻き込まれたら、、、

(平成28年問2A)

道路清掃工事の日雇い労働者が、正午からの休憩時間中に同僚と作業場内の道路に面した柵にもたれて休憩していたところ、道路を走っていた乗用車が運転操作を誤って柵に激突した時に逃げ遅れ、柵と自動車に挟まれて胸骨を骨折した場合、業務上の負傷と認められる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

休憩中であったとしても、事業場内であったり作業場にいる場合は、事業主の支配下にあるということになるので、「業務遂行性」が認められます。

問題文の場合、業務遂行性が認められると、休憩している行為にも「業務起因性」が認められる形になり、業務上の負傷ということになったようです。

さて、次も作業時間外での事故のお話です。

普段からドラム缶で暖をとっているのですが、やけどをしてしまったのです。

はたして業務上の負傷となるのでしょうか。

 

暖を取ろうとして誤ってやけどしてしまった場合は?

(平成28年問2C)

戸外での作業の開始15分前に、いつもと同様に、同僚とドラム缶に薪を投じて暖をとっていた労働者が、あまり薪が燃えないため、若い同僚が機械の掃除用に作業場に置いてあった石油を持ってきて薪にかけて燃やした際、火が当該労働者のズボンに燃え移って火傷した場合、業務上の負傷と認められる。

 

解説

解答:正

問題文の場合、業務上の負傷となります。

事故は、事業場内で起こったものと見られますので、時間的に始業前でも休憩中と同じように業務遂行性が認められます

(通達を見ると休憩室に事業主が設置したドラム缶で事故が起こったようです)

また、「いつもと同様に」ドラム缶で暖を取っていたということですので、石油をかけたというのは引っかかりますが、問題文のケースでは業務起因性があるということになりました。

では、最後に事業場内で起きた事故ではないケースを見てみましょう。

次の問題は、通勤災害なのか、業務災害なのかを判断することになります。

 

公用で家を出たときに事故に遭ったら通勤災害?業務災害?

(平成26年問1D)

上司の命により従業員の無届欠勤者の事情を調査するため、通常より約30分早く「自宅公用外出」として自宅を出発、自転車で欠勤者宅に向かう途中電車にはねられ死亡した災害は業務上とされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

通常、通勤自体は事業主の支配下にはないので業務遂行性はないのですが、問題文の場合、普段の通勤ではなく、

上司の命令で調査に向かうために家を出て事故にあってますので、問題文のケースでは業務遂行性が認められることになり、

業務として移動している時に事故にあったわけですから、業務起因性もあるということになりますね。

 

今回のポイント

  • 業務災害の事例問題の場合は「業務遂行性」と「業務起因性」がどれほどあるのか、ということで判断します。
  • 通勤災害の事例問題は、「通勤に通常伴う危険が具体化」しているか、言いかえると、「普段通勤してたら実際に起こりそうなこと」なのかどうかということになります。
  • 一見、通勤に見えても、会社の命令で直行したときに事故にあった時は業務災害として認められることがあります。

 

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