過去問

「徴収法 5分で理解できる 増加概算保険料や追加徴収のイロハ」過去問・徴-42

増加概算保険料追加徴収って、そんなに要件が多いわけでもなく、そんなに頻繁に起こるイメージがないものなのですが、社労士試験ではちょくちょく出題されているイメージがありますね。

実際にイメージしにくいので勉強の方もひょっとしたら手薄になりがち(?)なのかもしれません。

具体的な勉強方法としては、適用要件の数字もそうですが、延納との関係や、納付に使う書類(納付書なのか納入告知書)なのかを問題演習を通じて押さえていくのがいいでしょう。

それでは最初の問題を見てみましょう。

1問目は増加概算保険料の適用要件です。

ここは数字をまず確認することからはじめましょう。

 

増加概算保険料の適用要件

(平成23年労災問8B)

労災保険に係る保険関係のみ成立していた事業の事業主は、労災保険及び雇用保険の両保険に係る保険関係が成立する事業に該当するに至ったため、一般保険料に係る保険料率が変更した場合において、当該変更後の保険料率に基づいて算定した概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、増加概算保険料を申告・納付しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

変更後の概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、増加概算保険料を申告・納付しなければなりません。

問題文には労災保険と雇用保険の両方の保険が成立して保険料率が変更した、とありますが、それに限らず、従業員者数が増えて、単純に保険料が増加した時も増加概算保険料の要件に該当すれば納付する必要があります。

まあ、どちらにしても納付するべき保険料が増えたということは、事業主側には負担ですよね。

こんな時に頼りになるのが「延納」ですが、増加概算保険料でも延納はできるのでしょうか。

次の問題で確認しましょう。

 

増加概算保険料って延納できる?

(平成27年雇用問9A)

概算保険料について延納が認められている継続事業(一括有期事業を含む。)の事業主は、増加概算保険料の納付については、増加概算保険料申告書を提出する際に延納の申請をすることにより延納することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、概算保険料の延納が認められていても、増加概算保険料を延納したいときは、それについて申請をする必要があります。

ただ、増加概算保険料の延納は、概算保険料や認定決定による概算保険料の延納をしていないとできません。

また、増加概算保険料の延納の場合、概算保険料と違って、最初の期が2ヶ月を超えていなくてもその期に延納ができるのも特徴ですね。

で、概算保険料であれば、その額に間違いがあったり、申告書を提出しなかったりしたら「認定決定」されますが、

増加概算保険料の場合も、それに相当するものがあるのでしょうか。

 

増加概算保険料にも認定決定が??

(平成23年労災問8C)

増加概算保険料の納付の要件に該当するに至っている場合であって、事業主が増加概算保険料申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認められるときは、所轄都道府県労働局歳入徴収官は増加概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に通知しなければならない。

 

解説

解答:誤

増加概算保険料については、概算保険料や確定保険料と違って認定決定は行われません

おそらく、概算保険料の手続きはしてるので、確定保険料で精算すればいいよ、ということなんでしょうかね。

さて、次は「追加徴収」について見ていきましょう。

追加徴収というのは、保険年度の途中で政府が保険料率の引き上げをした時に、労働保険料を追加で徴収するものですが、

その徴収のやり方がどうなっているのか、次の過去問で確認しましょう。

 

追加徴収の方法

(平成22年労災問9B)

政府が、保険年度の中途に、第1種特別加入保険料率、第2種特別加入保険料率又は第3種特別加入保険料率の引上げを行った場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は、事業主に対して、保険料率の引上げによる労働保険料の増加額等を通知して、追加徴収を行うこととなるが、当該事業主は当該通知を発せられた日から起算して50日以内に増加額を納付しなければならない。

 

解説

解答:誤

追加徴収は、所轄都道府県労働局歳入徴収官が通知を発した日から「50日以内」ではなく「30日以内」に納付することになっています。

「50日以内」で思いつくのは確定保険料ですね。

確定保険料は年度の途中に保険関係が消滅したときは、消滅した日から50日以内確定保険料申告書を提出するんでしたね。

で、追加徴収は、延納ができるということと、保険料率が年度途中で引き下げになったとしても差額の還付はないということを押さえておきましょう。

では最後に、追加徴収の保険料を納付する時に使う書類について確認しましょう。

徴収法で納付に使う書類には「納付書」と「納入告知書」がありましたが、どちらを使うのでしょう。

 

追加徴収は納付書?納入告知書?

(平成25年雇用問9D)

労働保険徴収法第17条第1項の規定に基づき概算保険料の追加徴収が行われる場合に、所轄都道府県労働局歳入徴収官は事業主に対して追加徴収する概算保険料の額の通知を行うが、当該徴収金の納付は、納付書によって行われる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、追加徴収の納付は納付書で行います。

私のイメージですが、納入告知書は、確定保険料の認定決定なんかに使われますので「催促」の意味合いが含まれているように感じています。

勉強を進めていく時に、納付書と納入告知書がどんな時にそれぞれ使われるのか確認してみてくださいね。

 

今回のポイント

  • 増加概算保険料は、変更後の概算保険料の額が、既に納付した概算保険料の額の100分の200を超え、かつ、その差額が13万円以上であるときは、申告・納付しなければなりません。
  • 概算保険料の延納が認められていても、増加概算保険料を延納したいときは、それについて申請をする必要があります。
  • 増加概算保険料については、概算保険料や確定保険料と違って認定決定は行われません
  • 追加徴収は、所轄都道府県労働局歳入徴収官が通知を発した日から「30日以内」に納付する規定になっています。
  • 追加徴収の納付は納付書で行います。

 

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