「労基法 今さら聞けない就業規則の作成要件とは?」過去問・労基-36

社労士試験では就業規則についての問題はよく出題されています。

就業規則の作成義務要件に始まって絶対的記載事項や相対的記載事項の違いなど、出題の論点がたくさんあって覚えることが多いので大変ですよね。

出題される問題文も条文をなぞらえたものばかりではなく、事例っぽいものも多いので過去問演習で慣れていくようにしましょう。

今回は、就業規則の作成に関連した過去問を集めてみましたので確認していきましょう。

最初の問題は、就業規則作成の義務が発生する要件についてのものになります。

 

就業規則を作成しなければならないのはどういう時?

(平成28年問5A)

労働基準法第89条所定の事項を個々の労働契約書に網羅して記載すれば、使用者は、別途に就業規則を作成していなくても、本条に規定する就業規則の作成義務を果たしたものとなる。

 

解説

解答:誤

就業規則の作成義務について、残念ながら問題文のような規定は存在しません。

規定では、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、定められた要件について記載した就業規則を作成して、行政官庁に届け出なければならないことになっていますが、

労働契約書に記載すれば就業規則を作成しなくても良いとは規定されていません。

では、その規定を少し記載しておきましょう。

(作成及び届出の義務)
法89条
常時10人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
一 始業及び終業の時刻、休憩時間休日休暇(中略)に関する事項
二 賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
三 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)  〜後略〜

上記の事項が絶対的記載事項となっていますので、まずこれらを押さえるようにして、残りは相対的記載事項なんだと割り切って良いと思います。

次の問題は、作成した就業規則を行政官庁へ届け出るための手続きとして、「過半数代表者に意見を聞く」ことが定められていますが、「意見を聞く」ということについてどこまでやれば良いのか、ということが論点になっています。

 

過半数代表者の意見を聴く方法は?

(平成26年問7オ)

労働基準法第90条に定める就業規則の作成又は変更についての過半数労働組合、それがない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴取する義務については、文字どおり労働者の団体的意見を求めるということであって、協議をすることまで使用者に要求しているものではない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

これは、通達(昭和25年3月15日基収525号)にあるのですがそれによると、

「労働組合の意見を聴かなければならない」ということについて、これは単なる意見の聴取ではなく労働基準法第2条の規定から見て労働組合ときちんと協議決定するべきなんじゃないの?といった主張が出てるんですけど、、、

という問い合わせに対して、

「労働組合の意見を聴かなければならない」というのは労働組合との協議決定を要求するものではなく、就業規則についての労働組合の意見を聴けば労働基準法の違反とはなりません

と回答してします。

ちなみに、文中にある労基法2条というのは、

「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。」

という規定になっているので、就業規則の意見を聴くのもちゃんと協議しないとアカンのと違いますか?という疑問が出たようですね。

さて、就業規則の作成義務について話を戻します。

先述した規定(法89条)では、常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成する義務があるのですが、その算定の仕方についての論点が次の問題となっています。

 

所定労働時間が週20時間未満の労働者は「0.5」人??

(令和元年問7A)

労働基準法第89条に定める「常時10人以上の労働者」の算定において、1週間の所定労働時間が20時間未満の労働者は0.5人として換算するものとされている。

 

解説

解答:誤

問題文のような規定はありません。

したがって、法89条に定める「常時10人以上の労働者」の算定をするときは、1週間の所定労働時間が20時間未満の労働者についても1人として算定します。

大切なことは、労働時間やアルバイトなどの雇用形態ではなく、「雇用されている人数」が常時10人以上いるかどうか、です。

さて、次は派遣労働者と就業規則についての問題を見てみましょう。

「常時10人以上」というのはわかったけど、派遣労働者は

「雇用しているのは派遣元」・「実際に働いているところは派遣先」

と2箇所に関連しているわけです。

ということは、「常時10人」はどっちに算定するんだ?というのが下の問題なのです。

 

派遣労働者は派遣元の事業場に算定される?

(平成25年問1C)

派遣労働者に関して、労働基準法第89条により就業規則の作成義務を負うのは、派遣中の労働者とそれ以外の労働者とを合わせて常時10人以上の労働者を使用している派遣元の使用者である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、これも『派遣労働者就業規則作成の義務は派遣元にあること(労働基準法第89条関係)』という通達で、

「就業規則の作成義務を負うのは、派遣中の労働者それ以外の労働者とを合わせて常時10人以上の労働者を使用している派遣元の使用者であること」と明記されています。

文中にある「それ以外の労働者」というのは、派遣元の事務スタッフや経理の方などを指しているんでしょうね。

次に、最後の問題になりますが、就業規則を作成し、過半数代表者の意見も聴いて、いよいよ行政官庁に届け出るわけですが、行政官庁にはその聴いた意見も提出するのか?という論点になっていますので確認しましょう。

 

就業規則を届け出る時は意見書も添付する?

(平成24年問7B)

常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、それがない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を記した書面を添付して、所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

使用者は、就業規則の届出をするときは、その意見を記した書面を添付をする必要があります。

実際には、「就業規則(変更)届」、「意見書」、「就業規則」の3点セットを管轄労基署に持っていくことになります。

 

今回のポイント

  • 常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成して、行政官庁に届け出なければならないことになっていますが、労働契約書に記載すれば就業規則を作成しなくても良いとは規定されていません。
  • 「労働組合の意見を聴かなければならない」というのは労働組合との協議決定を要求するものではなく、就業規則についての労働組合の意見を聴けば労働基準法の違反とはなりません。
  • 常時10人以上の算定をするときは、労働時間やアルバイトなどの雇用形態ではなく、「雇用されている人数」が常時10人以上いるかどうかで判断します。
  • 派遣労働者就業規則作成の義務は派遣元にあります。
  • 使用者は、就業規則の届出をするときは、その意見を記した書面を添付をする必要があります。

 

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