「国民年金法 保険料の免除を理解するための基本のき」過去問・国-32

国民年金の保険料の免除というと、法定免除と申請免除があります。

法定免除は、生活保護の生活扶助を受けている方であったり、障害基礎(厚生)年金の2級以上などの方であれば、届出をしさえすれば保険料が全額免除になります。

一方、申請免除の方は、収入の減少や、失業などの理由で保険料の納付が難しくなった場合に、「申請」をして「認められれば」、保険料が免除になりますが、免除の種類にもいろいろあって、全額免除から4分の1免除まで段階があります。

法定免除や申請免除には、それ以外にも色々と要件があり、社労士試験でも様々なパターンで出題されていますので、チェックしていきましょう。

最初の過去問は、法定免除に該当した場合、保険料が免除になる期間についての論点になっています。

 

法定免除に該当したら、いつからいつまでの期間が保険料免除になる?

(令和元年問4A)

被保険者(産前産後期間の保険料免除及び保険料の一部免除を受ける者を除く。)が保険料の法定免除の要件に該当するに至ったときは、当該被保険者の世帯主又は配偶者の所得にかかわらず、その該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間に係る保険料は、既に納付されたものを除き、納付することを要しない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

法定免除は、該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間が保険料全額免除になります。(すでに納付されたものは除きます。)

また、もう一つポイントになるのが、「世帯主又は配偶者の所得にかかわらず」免除になる、という点です。

これは、法定免除の特徴で、申請免除の場合は配偶者や世帯主の収入も要件に入ってきますので、押さえておくようにしましょう。

で、法定免除になると、将来の年金額は国庫負担分だけになりますので、納付した時と比べると金額は下がってしまいます。

もし、年金額を上げたいのであれば、納付したいところなんですが、保険料が免除になっているのに、納付することは可能なんでしょうか。

次の過去問で確認してみましょう。

 

法定免除になっても保険料を納付することはできる?

(平成26年問5D)

法定免除の規定により納付することを要しないものとされた保険料については、被保険者又は被保険者であった者から当該保険料に係る期間の各月につき、保険料を納付する旨の申出があったときは、当該申出のあった期間に係る保険料に限り納付することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、保険料を納付する旨の申出をした時は、法定免除によって免除された保険料を納付することができます

法定免除は、失業した時などに適用されることがありますが、たとえば障害基礎年金を受けているときにも適用されます。

ですが、保険料を納付する余裕があるのであれば、法定免除を受けていても保険料を納付することができるのです。

でないと、もし将来、障害の状態が軽くなって障害基礎年金を受けることがなくなった場合、頼りになるのは老齢基礎年金です。

しかし、老齢基礎年金は保険料を納付しないと金額が上がりませんから、保険料は納めることができるときに納めておいた方が良さそうですね。

さて、次は申請免除についての過去問ですが、申請免除の場合は収入が要件になってきますので、実際に計算してみることにしましょう。

 

全額免除の金額要件を実際に計算してみましょう!

(平成30年問6C)

ともに第1号被保険者である夫婦(夫45歳、妻40歳)と3人の子(15歳、12歳、5歳)の5人世帯で、夫のみに所得があり、その前年の所得(1月から6月までの月分の保険料については前々年の所得とする。)が200万円の場合、申請により、その指定する期間に係る当該夫婦の保険料は全額免除となる。なお、法定免除の事由に該当せず、妻と3人の子は夫の扶養親族等であるものとする。

 

解説

解答:誤

問題文のように、所得が200万円の場合、申請しても全額免除になりません。

全額免除の所得要件の計算の仕方は、

全額免除=「(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円

です。

問題文の場合、被保険者の被扶養者は4人なので、

(4+1)×35万円 + 22万円 = 197万円 になり、197万円以下であれば全額免除となりますが、問題文では200万円となっているので、全額免除とはなりません。

さて、今回の問題文の場合は、被保険者(夫)のみに所得がありましたが、もし配偶者にも所得がある場合は、配偶者の所得も審査対象となり、一定の金額以下である必要があります。

ですが、配偶者の所得が審査の対象にならない場合があるのです。

それはどんな場合なのか、下の問題を見てみましょう。

 

配偶者の所得が審査の対象にならない時とは

(平成25年問5オ)

配偶者からの暴力を受けた第1号被保険者からの保険料の免除申請については、配偶者の所得は審査の対象としない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

配偶者からの暴力を受けた第1号被保険者からの保険料の免除申請について、配偶者の所得は審査の対象としません。

通達(平成24年7月06日年管発第0706第1号)では、配偶者の所得を審査対象としない対象者として、

学生納付特例の対象となる学生を除く被害被保険者であって、申請時において、配偶者からの暴力に起因して配偶者と住居が異なることにより保険料の納付が困難な者とする」

とあり、また、

世帯主(被害被保険者又は配偶者が世帯主である場合を除く。以下同じ。)が、配偶者と同居している場合は、規則第77条の7第4号に基づき、同条第3号に準じて当該世帯主の所得は審査の対象としないこととする。」

となっています。

事情が事情だけに、暴力を振るっている側に、「あなたの収入はどれだけあるんですか?」とは聞けないですよね。。。

通達の内容は、下記のリンクに貼っておきますので、ご興味のある方はご参考になさってください。

 

参考記事:平成24年7月6日 年管管発0706第1号

 

では最後に、学生納付特例による保険料の免除についての過去問をチェックしましょう。

これは、学生納付特例と50歳未満の納付猶予制度との知識を混同していないかどうかがポイントになります。

 

学生納付特例は経過措置だったっけ?

改正(平成24年問8E)

学生の保険料納付特例は、平成37年(令和7年)6月までの間の経過措置とされている。

 

解説

解答:誤

学生の保険料納付特例は経過措置ではありません。

令和7年6月までの経過措置となっているのは、50歳未満の納付猶予制度の方です。

学生の保険料納付特例は、国民年金法の本則で定められているのに対して、50歳未満の納付猶予制度は、法附則で定められているところに違いがあります。

 

今回のポイント

  • 法定免除は、該当するに至った日の属する月の前月からこれに該当しなくなる日の属する月までの期間が保険料全額免除になります。(すでに納付されたものは除きます。)
  • 保険料を納付する旨の申出をした時は、法定免除によって免除された保険料を納付することができます
  • 全額免除の所得要件の計算の仕方は、『全額免除=(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円』となります。
  • 配偶者からの暴力を受けた第1号被保険者からの保険料の免除申請について、配偶者の所得は審査の対象としません。
  • 令和7年6月までの経過措置となっているのは、50歳未満の納付猶予制度の方です。

 

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