「厚生年金法 「老齢厚生年金の繰下げと繰上げのここがポイント!」過去問・厚-33

今回は、65歳以上の老齢厚生年金の繰下げと繰上げの過去問を集めてみました。

老齢厚生年金の繰下げや繰上げでややこしいのは、他の年金の受給権があった時のしがらみですね。

あと、繰上げの時は老齢厚生年金と老齢基礎年金は同時にしなきゃダメだけど、繰下げの時は別々でいいとか、色々と要件があるのでややこしいですよね。

なので、過去問を見ながら一つ一つ確認していくことにしましょう。

まず、老齢厚生年金の支給「繰下げ」の問題です。

先ほど述べました、他の年金の受給権がある場合の論点になります。

 

老齢厚生年金の受給権を取得して1年経ったらみんな繰下げできる?

(平成25年問8D)

老齢厚生年金の受給権を有する者(平成19年4月1日以後に老齢厚生年金の受給権を取得した者に限る。)であって、その受給権を取得した日から起算して1年を経過した日前に当該老齢厚生年金を請求していなかったものはすべて、実施機関に当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができる。

 

解説

解答:誤

老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日前に老齢厚生年金を請求していなかったからといって、すべての人が支給繰下げの申出をすることができるわけではありません

どういうことかというと、

  • 老齢厚生年金の受給権を得たときに、たとえば障害厚生年金や遺族基礎年金など、すでに他の年金の受給権者だったとき(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金は除きます
  • 老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日まで他の年金の受給権者になったとき

は、老齢厚生年金の繰下げをすることはできません。

つまり、老齢厚生年金の繰り下げは、受給をガマンしたご褒美として割増の年金をもらえる仕組みなので、他の年金で恩恵を受けている場合は、ご褒美はもらえません、ということですね。

では、実際に繰下げの申出をしたとしたら、いつから割増の老齢厚生年金をもらえるのでしょうか。

次の問題を見てみましょう。

 

老齢厚生年金の繰下げをしたらいつから支給される?

(平成28年問4D)

老齢厚生年金の支給の繰下げの請求があったときは、その請求があった日の属する月から、その者に老齢厚生年金が支給される。

 

解説

解答:誤

その請求があった日の属する「月から」ではなく、老齢厚生年金の支給の繰下げの申出があったときは、その申出のあった月の「翌月から」支給になります。

さて、先ほどは、他の年金の受給権者だった場合は、老齢厚生年金の繰り下げができない、というお話でしたが、これはあくまで老齢厚生年金の受給権を得てから1年を経過するまで、という条件です。

なので、たとえば65歳に老齢厚生年金の受給権をもらえたとして、66歳以降であれば他の年金の受給権者になったとしても老齢厚生年金の繰下げは可能です。

ただ、これにも条件があります。

それはどういうことなのか確認しましょう。

 

他の年金の受給権者になったら老齢厚生年金の繰下げはできない??

(平成26年問6D)

65歳で老齢厚生年金の受給権を取得したが請求していなかった者が、67歳になったときに遺族厚生年金の受給権者となった場合、当該老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることはできず、65歳の時点に遡って老齢厚生年金が支給される。

 

解説

解答:誤

問題文の場合は、老齢厚生年金の支給繰下げの申出をすることができます。

ただ、66歳以降に他の年金の受給権者になった場合は、その時点で繰下げの年金額が決定してしまいます。

つまり、

「他の年金の受給権者になった →  老齢厚生年金の支給繰下げの申出があった」

ものとみなされるのです。

なので、他の年金を受給するか、老齢厚生年金の繰下げの方を受給するか、65歳からの老齢基礎年金及び老齢厚生年金をさかのぼって請求するか、という選択肢になるというわけです。

では、次は老齢厚生年金の支給「繰上げ」についての過去問を見ていきましょう。

 

繰上げは、老齢厚生年金と老齢基礎年金はセット?

(平成27年問8A)

老齢厚生年金の支給繰上げの請求は、老齢基礎年金の支給繰上げの請求と同時に行わなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

老齢厚生年金の支給の繰上げの請求は、老齢基礎年金も同時に行わなければなりません。

ちなみに、「繰下げ」の方は別々に繰り下げることができます。

最後に、老齢厚生年金を繰り上げて受給していて65歳になったとき、それまで被保険者だった場合にその分を老齢厚生年金に反映してもらえるのか、という論点をチェックしておきましょう。

 

繰上げ支給で65歳になったら老齢厚生年金の額が改定される?

(平成30年問4オ)

繰上げ支給の老齢厚生年金を受給している者であって、当該繰上げの請求があった日以後の被保険者期間を有する者が65歳に達したときは、その者が65歳に達した日の属する月前における被保険者であった期間を当該老齢厚生年金の額の計算の基礎とするものとし、65歳に達した日の属する月の翌月から、年金の額を改定する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

これは、「退職時改定の65歳版」と思えばわかりやすいかもですが、老齢厚生年金の繰上げ受給権者で、繰上げ支給の請求があった日以後の被保険者期間がある場合に、65歳に達したときは、

65歳に達した日の属する月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額に反映させるので、65歳に達した日の属する月の翌月から年金の額が改定されることになります。

 

 

今回のポイント

  • ①老齢厚生年金の受給権を得たときに、たとえば障害厚生年金や遺族基礎年金など、すでに他の年金の受給権者だったとき(老齢基礎年金及び付加年金並びに障害基礎年金は除きます)や、②老齢厚生年金の受給権を取得した日から1年を経過した日まで他の年金の受給権者になったときは、老齢厚生年金の繰下げをすることはできません。
  • 老齢厚生年金の支給の繰下げの申出があったときは、その申出のあった月の「翌月から」支給になります。
  • 老齢厚生年金の受給権を得てから、1年経過後に他の年金の受給権者になった場合は、老齢厚生年金の支給繰下げの申出があったものとみなされるのです。
  • 老齢厚生年金の支給の繰上げの請求は、老齢基礎年金も同時に行わなければなりません。
  • 老齢厚生年金の繰上げ受給権者で、繰上げ支給の請求があった日以後の被保険者期間がある場合に、65歳に達したときは、65歳に達した日の属する月前における被保険者であった期間を老齢厚生年金の額に反映させるので、65歳に達した日の属する月の翌月から年金の額が改定されることになります。

 

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