このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は労災保険法より「業務災害」について見てみようと思います。
業務災害が認められるためには、
- 業務遂行性(事業主の支配下にあるか)
- 業務起因性(業務と傷病に因果関係はあるか)
の両方を満たす必要がありますが、
今回取り上げた過去問の場合、業務災害になるでしょうか。
業務を終えた後でも業務災害が認められる?
(令和4年問4イ)
日雇労働者が工事現場での一日の作業を終えて、人員点呼、器具の点検の後、現場責任者から帰所を命じられ、器具の返還と賃金受領のために事業場事務所へと村道を歩き始めた時、交通事故に巻き込まれて負傷した場合、業務災害と認められる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
工事現場での作業を終えているので、
業務遂行性があるかどうかの判断になりますが、
「現場責任者から帰所を命じられ」て移動をしている際に交通事故に遭っていますので
業務遂行性は認められます。
また、村道を歩いている際に交通事故に遭っているので
業務起因性も認められますので、業務災害となります。
では、次の過去問の場合は業務災害となるでしょうか。
問題文を読んでみましょう。
事業場立入禁止の仮処分申請中の事故は業務災害?
(平成29年問1D)
会社が人員整理のため、指名解雇通知を行い、労働組合はこれを争い、
使用者は裁判所に被解雇者の事業場立入禁止の仮処分申請を行い、
労働組合は裁判所に協議約款違反による無効確認訴訟を提起し、
併せて被解雇者の身分保全の仮処分を申請していたところ、
労働組合は裁判所の決定を待たずに被解雇者らを就労させ、
作業中に負傷事故が発生した。
この場合、業務外として取り扱われる。
解説
解答:誤り
作業中に負傷事故が発生していますが、
使用者は、裁判所に対して事業場立入禁止の仮処分申請を行なっているにもかかわらず、
裁判所の決定を待たずに就労しているため、
使用者の支配下にあるとは言えず、業務遂行性は認められません。
したがって問題文のケースでは業務災害とは認められません。
今回のポイント
- 業務災害が認められるためには、
- 業務遂行性(事業主の支配下にあるか)
- 業務起因性(業務と傷病に因果関係はあるか)
の両方を満たす必要があります。
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