このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は労災保険法の「給付にかかる通則」について見てみたいと思います。
通則については、この機会に他の法律の通則もチェックされてみることをオススメします。
航空機に乗っていて行方不明になった時の給付の適用
(令和2年問2B)
航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、労働者が行方不明となって3か月経過した日に、当該労働者は、死亡したものと推定する。
解説
解答:誤り
航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合、
遺族補償給付、葬祭料、遺族給付、葬祭給付の支給に関する規定の適用については、
労働者が行方不明となって3か月経過した日ではなく労働者が「行方不明となった日」、または航空機が墜落し、滅失し、または行方不明となった日に死亡したものと推定します。
これは、船舶の場合も同様です。
さて、次は未支給の保険給付の請求について見てみましょう。
請求していなかった保険給付も未支給の保険給付として請求できる?
(平成30年問4イ)
労災保険法に基づく遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者が死亡前にその遺族補償年金を請求していなかったときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その遺族補償年金を請求することができる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合、
その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、
その者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹であって、
その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、
自己の名でその未支給の保険給付の支給を請求することができます。
遺族補償年金については、その遺族補償年金を受けることができる他の遺族が対象となります。
で、死亡した者が死亡前にその保険給付を請求していなかったときも、自己の名で、その保険給付を請求することができます。
では、未支給の保険給付を請求できる遺族が複数いる場合はどうするのでしょうか。
下の過去問で確認しましょう。
未支給の保険給付を複数の遺族が受け取れる時は
(平成30年問4ウ)
労災保険法に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡し、その者が死亡前にその保険給付を請求していなかった場合、未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなされ、その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなされる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、
- その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし
- その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなします。
今回のポイント
- 航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付、葬祭給付の支給に関する規定の適用については、労働者が「行方不明となった日」、または航空機が墜落し、滅失し、または行方不明となった日に死亡したものと推定します。
- 死亡した者が死亡前にその保険給付を請求していなかったときも、他の遺族は自己の名でその保険給付を請求することができます。
- 未支給の保険給付を受けるべき同順位者が2人以上あるときは、
- その1人がした請求は、全員のためその全額につきしたものとみなし
- その1人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなします。
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