このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労働に関する一般常識から「労働組合法」について触れたいと思います。
今日は、労働組合法の中から「労働協約」について扱った過去問を取り上げましたので見ていきましょう。
労災条件を不利益に変更した労働協約の有効性
(平成28年問2E)
労働条件を不利益に変更する内容の労働協約を締結したとき、当該協約の規範的効力が労働者に及ぶのかについて、
「同協約が締結されるに至った以上の経緯、当時の被上告会社の経営状態、同協約に定められた基準の全体としての合理性に照らせば、同協約が特定の又は一部の組合員を殊更不利益に取り扱うことを目的として締結されたなど労働組合の目的を逸脱して締結されたもの」
とはいえない場合は、その規範的効力を否定すべき理由はないとするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働協約にて労働者の労働条件を不利益に変更することは望ましいことではありませんが、
会社の経営状態などを鑑みて労働協約が締結されたのであれば、
労働組合の目的を逸脱したものとはいえず、効力を否定する理由はないとした最高裁判例があります。
では、そもそも労働協約が労働者に影響する範囲はどうなっているのでしょうか。
下の過去問で確認しましょう。
労働協約の及ぶ範囲とは
(平成30年問4A)
ある企業の全工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の者が一の労働協約の適用を受けているとしても、その企業のある工場事業場において、その労働協約の適用を受ける者の数が当該工場事業場に常時使用される同種の労働者の数の4分の3に達しない場合、当該工場事業場においては、当該労働協約は一般的拘束力をもたない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働組合法第17条では、
「一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに至つたときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする。」
と規定しています。
この「一の工場事業場」というのは、文字どおり1個の工場事業場のことを指しますので、
工場が複数ある場合は、「常時使用される同種の労働者の4分の3以上」の要件は、それぞれの工場で満たしている必要があります。
なので、ある工場で「4分の3以上」の要件を満たしていない場合は、労働組合法第17条の規定は適用されないこととなります。
今回のポイント
- 会社の経営状態などの影響で、労働条件が不利益に変更される労働協約が、必ずしも無効となるわけではありません。
- 一の工場事業場に常時使用される同種の労働者の4分の3以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるときは、他の同種の労働者にもその労働協約が適用されますが、各々の工場事業場で要件を満たす必要があります。
社労士プチ勉強法
「教材が手元になくても良質のアウトプットができます!」
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タネ明かしをすると、「思い出す」というアウトプットです。
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