このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労基法から「変形労働時間制」について見てみたいと思います。
今回はフレックスタイム制が論点になった過去問を取り上げましたので見てみましょう。
フレックスタイム制において労働者に委ねることとは
(平成28年問4B)
労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制は、始業及び終業の時刻の両方を労働者の決定に委ねることを要件としており、始業時刻又は終業時刻の一方についてのみ労働者の決定に委ねるものは本条に含まれない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
フレックスタイム制を導入する際は、就業規則その他これに準ずるものにより、始業および終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定める必要がありますが、
始業と就業のどちらか片っぽだけでは要件を満たしません。
では次に、フレックスタイム制と行政官庁への届出について見てみましょう。
フレックスタイム制を導入する際に所轄労基署への届出は必要になるのでしょうか。
フレックスタイム制と労基署への届出
(令和2年問6B)
労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制を実施する際には、清算期間の長さにかかわらず、同条に掲げる事項を定めた労使協定を行政官庁(所轄労働基準監督署長)に届け出なければならない。
解説
解答:誤り
所轄労基署へのフレックスタイム制の届出は、清算期間が1ヶ月以内の場合は必要ありません。
逆にいうと、清算期間が1ヶ月を超える場合は、労基署への届出が必要になるということですね。
それでは最後に、フレックスタイム制と時間外労働分の賃金について見てみましょう。
フレックスタイム制における時間外労働の賃金
(平成30年問1ア)
労働基準法第32条の3に定めるいわゆるフレックスタイム制において、実際に労働した時間が清算期間における総労働時間として定められた時間に比べて過剰であった場合、総労働時間として定められた時間分はその期間の賃金支払日に支払い、総労働時間を超えて労働した時間分は次の清算期間中の総労働時間の一部に充当してもよい。
解説
解答:誤り
問題文のような充当は認められません。
清算期間における総労働時間を超えた時間分は、時間外労働としての賃金が発生し、その月分の賃金支払時に支払う必要があり、
問題文のような充当を行うと、労働基準法第24条の全額払の原則に違反することになります。
今回のポイント
- フレックスタイム制を導入する際は、就業規則その他これに準ずるものにより、始業および終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定める必要があります。
- 所轄労基署へのフレックスタイム制の届出は、清算期間が1ヶ月以内の場合は必要ありません。
- 清算期間における総労働時間を超えた時間分は、時間外労働としての賃金が発生し、その月分の賃金支払時に支払う必要があります。
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