過去問

【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労基法 賃金」過去問・労基-101

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は、労働基準法から「賃金」について見てみたいと思います。

賃金は、労働者が労働の対償として得るものですが、どこまでが賃金に該当するのかを明確にしないと、時間外労働の割増賃金などの算定ができません。

ですので、賃金の範囲について通達などで色々と規定されており、社労士試験でも出題されていますので見ていくことにしましょう。

 

冠婚葬祭などの見舞金は賃金にならない?

(平成28年問1オ)

労働協約、就業規則、労働契約等によってあらかじめ支給条件が明確にされていても、労働者の吉凶禍福に対する使用者からの恩恵的な見舞金は、労働基準法第11条にいう「賃金」にはあたらない。

 

解説

解答:誤り

通常、結婚祝金や災害見舞金など使用者からの恩恵的な見舞金は、労働の対償ではないので賃金にはあたりませんが、

労働協約や就業規則、労働契約などによってあらかじめ支給条件が明確になっているものは、労基法第11条でいう「賃金」に該当します。

ではたとえば、「まかない」のように労働者に対して食事の供与を行なっている場合、それは賃金にあたるのでしょうか。

次の過去問で確認しましょう。

 

食事の供与は賃金になるのか

(令和2年問4E)

食事の供与(労働者が使用者の定める施設に住み込み1日に2食以上支給を受けるような特殊の場合のものを除く。)は、

食事の支給のための代金を徴収すると否とを問わず、①食事の供与のために賃金の減額を伴わないこと、②食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でないこと、③食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められるものであること、

の3つの条件を満たす限り、原則として、これを賃金として取り扱わず、福利厚生として取り扱う。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

食事の供与は、

  • 食事の供与のために賃金の減額を伴わない
  • 食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でない
  • 食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められる

場合は、「賃金」とはならず、「福利厚生」として扱われることになります。

ただし、問題文にあるように、労働者が使用者の施設に住み込んで食事が支給される場合は対象外です。

それでは最後に、ストックオプションで得られた利益について見てみましょう。

ストックオプションというのは、労働者が自社の株を取得することができる制度です。

取得するのは株ですから、利益が出る場合がありますので、その利益が賃金にあたるのかどうか確認しましょう。

 

ストックオプションで得た利益は賃金?

(平成30年問4オ)

いわゆるストック・オプション制度では、権利付与を受けた労働者が権利行使を行うか否か、また、権利行使するとした場合において、

その時期や株式売却時期をいつにするかを労働者が決定するものとしていることから、

この制度から得られる利益は、それが発生する時期及び額ともに労働者の判断に委ねられているため、

労働の対償ではなく、労働基準法第11条の賃金には当たらない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

ストックオプションで取得した株を、いつ売ってどれだけ利益にするのかについては、労働者の判断に任されているため、労働の対償とはならず、賃金には該当しません

 

今回のポイント

  • 通常、結婚祝金や災害見舞金など使用者からの恩恵的な見舞金は、賃金にはあたりませんが、労働協約や就業規則、労働契約などによってあらかじめ支給条件が明確になっているものは、「賃金」に該当します。
  • 食事の供与は、
    • 食事の供与のために賃金の減額を伴わない
    • 食事の供与が就業規則、労働協約等に定められ、明確な労働条件の内容となっている場合でない
    • 食事の供与による利益の客観的評価額が、社会通念上、僅少なものと認められる

    場合は、「賃金」に該当しません。

  • ストックオプションで取得した株で得た利益は、賃金には該当しません

 

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