このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労働基準法の解雇制限について見ていきたいとおもいます。
通常、解雇するにあたっては、使用者は30日以上前に予告をする必要がありますが、
業務上の傷病によって療養のために休業していたり、産休で休んでいる間は30日以上前に予告をするとしても解雇をすることができません。
これを解雇制限というのですが、解雇制限が適用されないケースもあったりしますので、どういうことなのか過去問を読んでみましょう。
産前でも解雇制限が適用されないケース
(令和元年問4C)
使用者は、女性労働者が出産予定日より6週間(多胎妊娠の場合にあっては、14週間)前以内であっても、当該労働者が労働基準法第65条に基づく産前の休業を請求しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
使用者は、産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日間は、解雇してはならないことになっていますが、
産前休業は労働者からの申出によって休業が実現するので、請求をせず就労している場合は、解雇制限の対象になりません。
ただし、産後休業の場合は、出産すると強制的に休業に入りますので、解雇制限がかかり、産後休業と休業後30日間は解雇制限がかかります。
さて、労基法第19条の解雇制限にはもう一つの要件があり、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間およびその後30日間は、使用者は解雇できません。
では、労働者が業務上の傷病で治療中だったとしても、会社を休むほどではなく、仕事をしている場合はどうなるのでしょうか。
下の問題で確認しましょう。
業務災害に遭っても解雇されることがある?
(平成29年問3D)
使用者は、労働者が業務上の傷病により治療中であっても、休業しないで就労している場合は、労働基準法第19条による解雇制限を受けない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
業務上の傷病で治療中の状態でも、休業せず就労している場合は解雇制限の対象となりません。
法律上は、あくまでも休業をしていることが要件になっていますので、先ほどの産前休業もそうですが、
会社に来て就労をしているということであれば解雇制限の範囲外ということですね。
で、この解雇制限ですが、使用者が労基法第81条の打切補償を支払う場合や、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能になった場合は、解雇制限の要件はなくなります。
では、やむを得ない事由とは具体的にどういうことなのか、下の過去問を読んでみましょう。
やむを得ない事由とは
(平成30年問5C)
使用者は、税金の滞納処分を受け事業廃止に至った場合には、「やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合」として、労働基準法第65条の規定によって休業する産前産後の女性労働者であっても解雇することができる。
解説
解答:誤り
やむを得ない事由とは、たとえば地震などによって事業場が倒壊してしまって事業の継続ができないなど、不可抗力の要素が必要となってきます。
なので、問題文のように税金の滞納処分を受けたというような場合は、使用者にも責任があることなので、やむを得ない事由にはあたりません。
今回のポイント
- 労基法第65条における産前産後休業の請求をせずに就労している場合は、解雇制限の対象になりません。
- 業務上の傷病で治療中の状態でも、休業せず就労している場合は解雇制限の対象となりません
- 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能になった場合とは、震災で事業場が倒壊するなどの理由で事業の継続が不可能になるなど不可抗力の要素が必要になります。
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