このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今回は、労働に関する一般常識より「労働契約法」の「懲戒」について見てみようと思います。
使用者が労働者に懲戒をするために必要なことについて確認しましょう。
使用者が労働者を懲戒するための条件 その1
(平成26年問1A)
「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する」とするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
フジ興産事件という最高裁判例によると、
使用者が労働者を懲戒する場合,
あらかじめ就業規則において懲戒の種別および事由を定めておくこと
が必要であるとしています。
つまり、どんな場合にどの程度の懲戒をするかを会社のルールとして決めておく必要があるということですね。
しかし、労働者を懲戒するのに就業規則で規定しておくだけでいいのでしょうか。
下の過去問で確認しましょう。
使用者が労働者を懲戒するための条件 その2
(平成30年問3エ)
「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことをもって足り、
その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていない場合でも、
労働基準法に定める罰則の対象となるのは格別、就業規則が法的規範としての性質を有するものとして拘束力を生ずることに変わりはない。」
とするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:誤り
使用者が労働者を懲戒するためには、
就業規則を整備しておくだけではだめで、
懲戒規定が拘束力を持つためには、
その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていること
が要件となります。
つまり、就業規則があっても、労働者に周知されていなければ効力はないということになりますね。
今回のポイント
- 最高裁判例では、使用者が労働者を懲戒する場合,あらかじめ就業規則において懲戒の種別および事由を定めておくことが必要であるとしています。
- また、その規定が拘束力を持つためには、その内容を適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることが要件となります。
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