このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労働基準法から「労働条件の原則と法の適用」について見てみようと思います。
労働条件がどういったものを指すのか、それは労基法の一番根っこの部分になりますので、
過去問を通して確認をしていくことにしましょう。
「人たるに値する生活」とは
(平成30年問4ア)
労働基準法第1条にいう「人たるに値する生活」には、労働者の標準家族の生活をも含めて考えることとされているが、この「標準家族」の範囲は、社会の一般通念にかかわらず、「配偶者、子、父母、孫及び祖父母のうち、当該労働者によって生計を維持しているもの」とされている。
解説
解答:誤り
労働基準法第1条で定められている「人たるに値する生活」については、労働者の標準家族の生活も含めて考えることとされています。
この標準家族は、「その時その社会の一般通念によって理解されるべき」ものとされていて、「社会の一般通念にかかわらず」というのは誤りです。
たとえば、一昔前であれば3世代同居みたいな家族構成が当たり前だった時代もありますが、現代では核家族が多いですね。
このようにその時代で一般的な家族の標準スタイルを「人たるに値する生活」で考慮しようということですね。
では次に、同じく労基法第1条に規定されている「労働条件」について見てみましょう。
ここで意味している労働条件とはどこまでの範囲を指しているのかについて問われている過去問がありますので読んでみてくださいね。
労基法1条でいうところの「労働条件」
(平成25年問5A)
労働基準法第1条にいう「労働条件」とは、賃金、労働時間、解雇、災害補償等の基本的な労働条件を指し、安全衛生、寄宿舎に関する条件は含まない。
解説
解答:誤り
労基法第1条でいうところの「労働条件」とは、賃金や労働時間、解雇、災害補償だけでなく、安全衛生や寄宿舎などに関する条件をすべて含む「労働者の職場における一切の待遇」を含みます。
たとえば、安衛法は労働基準法から分かれて出来た法律ですし、労働者が働く環境であれば労働条件に含まれるということですね。
では最後に、「労働者」の定義について確認しておきましょう。
下の問題では大学生の引越しの手伝いがテーマになっていますが、はたしてお手伝いのレベルでも労働者になるのでしょうか。
「労働者」の定義
(平成29年問2ア)
何ら事業を営むことのない大学生が自身の引っ越しの作業を友人に手伝ってもらい、その者に報酬を支払ったとしても、当該友人は労働基準法第9条に定める労働者に該当しないので、当該友人に労働基準法は適用されない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働基準法では、「労働者」は、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者のことを指します。
なので、事業や事務所に使用されていなければ、たとえお金をもらっていたとしても労働基準法上の労働者にはなりません。
今回のポイント
- 労働基準法第1条で定められている「人たるに値する生活」については、労働者の標準家族の生活も含めて考えられ、その標準家族は、「その時その社会の一般通念によって理解されるべき」ものとされています。
- 労基法第1条でいうところの「労働条件」とは、賃金や労働時間、解雇、災害補償だけでなく、安全衛生や寄宿舎などに関する条件をすべて含む「労働者の職場における一切の待遇」を含みます。
- 労働基準法では、「労働者」は、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者のことを指します。
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