【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労災保険法 給付に関する通則」過去問・労災-89

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今日は、労災保険法の「給付に関する通則」について見てみようと思います。

通則というのは、具体的な給付についての規定ではなく、その法律で規定されている給付全体に適用されるルールを指します。

なので、その法律で規定されている給付に対する共通ルールということですね。

では、その共通ルールがどのように定められているのか見てみましょう。

 

退職したら給付を受ける権利は、、、

(平成29年問7D)

保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労災保険法第12条の5に、

「保険給付を受ける権利は、労働者の退職によつて変更されることはない。」

と明記されています。

たとえば、業務災害でケガをしてしまい、働き続けることが難しく、やむなく会社を辞めてしまうこともあるかと思います。

でも、在職中に障害補償年金などの給付を受けていて、退職すると打ち切られてしまうなんてことがあったら労働者の保護にならないですよね。

一方、たとえば健康保険法の傷病手当金の場合は退職をすると、一定の要件を満たさないと退職後に傷病手当金が受けられませんので注意が必要ですね。

さて、次は保険給付の支給のタイミングについて見てみたいと思います。

保険給付の支給の始まりがいつからで、終わりがいつまでなのかを確認しましょう。

 

保険給付の始まりと終わり

(平成27年問7ア)

年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月から始められ、支給を受ける権利が消滅した月で終了する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

年金の保険給付は、支給すべき事由が生じた「翌月」から始まり、給付を受ける権利が消滅した「」で終わります

支給すべき事由が生じた「翌月」からというタイミングについては、行政が支給の手続きをするための準備が必要だから、と覚えておくといいですね。

で、労災保険の給付には、労働者が不幸にも亡くなってしまった場合に、遺族に支給される給付もあります。

しかし、船が沈没してしまったり、飛行機が墜落してしまったときなど、労働者の安否が分からなかったり、ご遺体が見つからないこともあったりします。

その場合、遺族を保護するための給付が、労働者の安否が不明であるために、手続きできないこととなってしまいます。

そういった事態を防ぐために、「死亡の推定」の制度があります。

労働者が亡くなったと推定をすることで、給付の手続きを進めることになっています。

では、死亡の推定がどのように行なわれるのか見てみましょう。

 

死亡の推定の内容とは

(平成27年問5E)

航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその航空機に乗っていた労働者又は航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合には、

遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、

その航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となった日又は労働者が行方不明となった日に、当該労働者は、死亡したものと推定することとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働者が亡くなったものと推定する日を確定させるために、

航空機が「墜落などをした日」か、労働者が行方不明のときには、生死が3か月分からない場合に「行方不明になった日」に

労働者が死亡したものと推定することにしています。

それでは最後に、「未支給の保険給付の請求」について見てみましょう。

未支給の保険給付の請求というのは、本来受け取ることができる保険給付を受けることなく受給権者が亡くなってしまったときに遺族が受け取る制度のことです。

下の問題文では、遺族補償年金がテーマになっていますので確認しましょう。

 

遺族補償年金と未支給の保険給付の請求

(平成30年問4ア)

労災保険法に基づく遺族補償年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき遺族補償年金でまだその者に支給しなかったものがあるときは、当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族は、自己の名で、その未支給の遺族補償年金の支給を請求することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

本来、未支給の保険給付の請求ができるのは、生計を同じくしていた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹なのですが、

遺族(補償)年金には転給の制度があるので、「遺族(補償)年金を受けることができる他の遺族」として規定されています。

 

今回のポイント

  • 保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはありません。
  • 年金の保険給付は、支給すべき事由が生じた「翌月」から始まり、給付を受ける権利が消滅した「」で終わります
  • 航空機が「墜落などをした日」か、労働者が行方不明のときには、生死が3か月分からない場合に「行方不明になった日」に労働者が死亡したものと推定することにしています。
  • 未支給の保険給付の請求ができるのは、原則としては生計を同じくしていた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹ですが、遺族(補償)年金の場合、転給の制度があるので「遺族(補償)年金を受けることができる他の遺族」となっています。

 

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