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【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 厚生年金法 雇用保険の失業等給付との調整」過去問・厚年-87

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は、厚生年金法から、雇用保険の失業等給付との調整について見てみたいと思います。

今のご時世、老齢厚生年金を受給していても働いている人は大勢います。

で、残念なことに失業をしてしまうと、雇用保険の基本手当を受けることができる場合に、

老齢厚生年金と基本手当の両方を受けることができるとなると、かなりの金額が失業者に入ることになります。

そこで、老齢厚生年金の受給権者が、雇用保険の基本手当を受けることができる場合に、調整が行われることになります。

この調整がどのような仕組みになっているのか見てみましょう。

 

老齢厚生年金がストップする仕組み

(平成24年問9C)

60歳台前半の老齢厚生年金は、雇用保険法に基づく基本手当の受給資格を有する受給権者が同法の規定による求職の申し込みをしたときは、

当該求職の申し込みがあった月の翌月から月を単位に支給停止される。

なお、1日でも基本手当を受けた日がある月については、その月の老齢厚生年金が支給停止されてしまうため、

事後精算の仕組みによって、例えば90日の基本手当を受けた者が、4か月間の年金が支給停止されていた場合、

直近の1か月について年金の支給停止が解除される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

60歳台前半の老齢厚生年金を受けている者が、雇用保険法の基本手当をもらうために求職の申込をすると、

求職の申し込みをした翌月から老齢厚生年金が支給停止になります。

この、老齢厚生年金の支給停止は、月を単位に停止となるので、

基本手当を受けていない日があると、老齢厚生年金の受給権者が損をすることがあります。

なので、事後精算をすることにより、老齢厚生年金の支給停止が解除されることがあります。

たとえば、問題文のように基本手当を90日分受け取ったのに対して、老齢厚生年金が4ヶ月分支給停止になった場合、

「4ヶ月」ー「90日÷3」=1

と計算するので、老齢厚生年金1ヶ月分の支給停止が解除されて受給することができます。

さて、上記のお話は老齢厚生年金のお話でしたが、障害厚生年金の受給権者が、雇用保険の基本手当を受ける場合はどうなのでしょうか。

やはり、障害厚生年金は支給停止になるのでしょうか。。。

 

障害厚生年金の受給権者が雇用保険の基本手当を受けるときは?

(平成27年問3ウ)

60歳台前半において、障害等級2級の障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が雇用保険の基本手当を受けることができるときは、障害厚生年金のみが支給停止の対象とされる。

 

解説

解答:誤り

障害基礎年金障害厚生年金ともに雇用保険の基本手当を受けることができるときでも支給停止とはなりません

支給停止になるのは、60歳台前半に支給される特別支給の老齢厚生年金ということですね。

ちなみに、特別支給の老齢厚生年金は、雇用保険の高年齢雇用継続給付の支給を受けている間は、

特別支給の老齢厚生年金の一部が支給停止になります。

高年齢雇用継続給付というのは、60歳以後に働いていて、お給料が所定の額よりも少ない場合に支給されるものです。

どちらにしても、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の給付には注意が必要ですね。

ここまでは60歳台前半の老齢厚生年金が対象でしたが、60歳台後半の老齢厚生年金の場合はどうなるのでしょう。

雇用保険の方を見てみると、65歳以後に支給されるものには「高年齢求職者給付金」がありますが、

老齢厚生年金の支給停止は行われるのでしょうか。

 

高年齢求職者給付金と老齢厚生年金の関係は?

(平成27年問3オ)

60歳台後半の老齢厚生年金の受給権者が、雇用保険の高年齢求職者給付金を受給した場合、当該高年齢求職者給付金の支給額に一定の割合を乗じて得た額に達するまで老齢厚生年金が支給停止される。

 

解説

解答:誤り

60歳台後半の老齢厚生年金は、雇用保険の高年齢求職者給付金を受けることができる時も支給停止にはなりません

ただ、65歳台後半に支給される老齢厚生年金でも、繰上げ支給の請求をして65歳未満の間に受給すると、雇用保険の基本手当との調整対象となります。

 

今回のポイント

  • 60歳台前半の老齢厚生年金を受けている者が、雇用保険法の基本手当をもらうために求職の申込をすると、求職の申し込みをした翌月から老齢厚生年金が支給停止になります。
  • 障害基礎年金障害厚生年金ともに雇用保険の基本手当を受けることができるときでも支給停止とはなりません
  • 60歳台後半の老齢厚生年金は、雇用保険の高年齢求職者給付金を受けることができる時も支給停止にはなりません

 

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