過去問

「社労士試験 労働に関する一般常識 労働契約法 有期雇用契約期間中の解雇」労一-110

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は労働に関する一般常識より「労働契約法」に触れてみたいと思います。

テーマは「有期雇用契約期間中の解雇」です。

有期雇用契約期間中に労働者を解雇する際の論点について確認しましょう。

 

「やむを得ない事由」の範囲

(平成28年問1エ)

使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないが、

「やむを得ない事由」があると認められる場合は、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭いと解される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

有期雇用契約期間中の解雇については、

「やむを得ない事由」がある場合でなければできないことになっています。

「やむを得ない事由」の範囲ですが、

「解雇権濫用法理における客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合以外の場合よりも狭いと解される」

とありますが、

つまりは、通常の解雇よりも有期雇用契約期間中の解雇の方が基準が厳しく判断されるということになります。

有期雇用契約は、無期雇用と違って、契約満了期間が明確なので、

その期間の途中に解雇をするのは、よほどの事情がなければ厳しいということです。

では、有期雇用契約期間の途中でも解雇ができる事由について

あらかじめ労使で合意していた場合はどうなのでしょうか。

下の過去問を読んでみましょう。

 

解雇事由について労使が合意していたとしても・・・

(令和元年問3D)

有期労働契約の契約期間中であっても一定の事由により解雇することができる旨を労働者及び使用者が合意していた場合、

当該事由に該当することをもって労働契約法第17条第1項の「やむを得ない事由」があると認められるものではなく、実際に行われた解雇について「やむを得ない事由」があるか否かが個別具体的な事案に応じて判断される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労使であらかじめ有期雇用契約の期間途中でも解雇できる事由を合意していたとしても、

それが全て適用されるわけではなく、

実際に行われた解雇が「やむを得ない事由」であったか「個別具体的な事案」に応じて判断されることになります。

これを判断するのは、最終的には裁判所です。

 

今回のポイント

  • 有期雇用契約期間中の解雇については、「やむを得ない事由」がある場合でなければできないことになっていますが、通常の解雇よりも有期雇用契約期間中の解雇の方が基準が厳しく判断されます。
  • 労使であらかじめ有期雇用契約の期間途中でも解雇できる事由を合意していたとしても、実際に行われた解雇が「やむを得ない事由」であったか「個別具体的な事案」に応じて判断されることになります。

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