このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、厚生年金保険法の「65歳以後の在職老齢年金」について見てみようと思います。
まずは、在職老齢年金の支給停止額の指標となる総報酬月額相当額がどのように定められているのか確認しましょう。
総報酬月額相当額の算定方法
(平成25年問8B)
在職老齢年金の支給停止額を計算する際の「総報酬月額相当額」とは、その者の標準報酬月額と直前の7月1日以前1年間の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算した額である。
解説
解答:誤り
「総報酬月額相当額」は、その者の標準報酬月額と、直前の7月1日以前ではなく「その月以前の1年間」の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額となっています。
この総報酬月額相当額と基本月額との合計が、支給停止調整額である47万円を上回る場合は、老齢厚生年金の全部または一部が停止されます。
基本月額というのは、老齢厚生年金の年額を12で割った額のことです。
では、もし受給権者が老齢厚生年金の繰下げの申出をしていて被保険者になった場合、在職老齢年金との関わりはどうなのでしょうか。
下の問題を読んでみましょう。
老齢厚生年金の支給繰下げと在職老齢年金
(平成26年問6C)
66歳で支給繰下げの申出を行った68歳の老齢厚生年金の受給権者が被保険者となった場合、当該老齢厚生年金の繰下げ加算額は在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象とならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
老齢厚生年金の繰下げによる加算額は、在職老齢年金の支給停止の算定対象となりません。
もし繰下げ加算額が影響して老齢厚生年金が支給停止になるなら、繰下げの制度を誰も使わなくなってしまいますね。
在職老齢年金の支給停止の対象とならないのは、繰下げ加算額の他に、加給年金額や経過的加算額も同様です。
さて、在職老齢年金の支給停止に使われる総報酬月額相当額ですが、
もし標準報酬月額が変更になった場合はどうなるのでしょうか。
在職中に標準報酬月額が変更されたら、、、?
(令和4年問8A)
在職老齢年金の支給停止額を計算する際に用いる総報酬月額相当額は、在職中に標準報酬月額や標準賞与額が変更されることがあっても、変更されない。
解説
解答:誤り
在職中に標準報酬月額や標準賞与額が変更された場合は、総報酬月額相当額も変更となります。
なので、総報酬月額相当額が改定された月から新たな総報酬月額相当額に基づいて計算されることになります。
今回のポイント
- 「総報酬月額相当額」は、その者の標準報酬月額と、直前の7月1日以前ではなく「その月以前の1年間」の標準賞与額の総額を12で除して得た額とを合算して得た額となっています。
- 老齢厚生年金の繰下げによる加算額は、在職老齢年金の支給停止の算定対象となりません。
- 在職中に標準報酬月額や標準賞与額が変更された場合は、総報酬月額相当額も変更となります。
各科目の勉強法の記事をまとめました
労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください
リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」
科目ごとにまとめて記事を見ることができます!
スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。
もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。
ぜひご活用ください!
この記事へのコメントはありません。