過去問

【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 厚生年金法 遺族厚生年金の支給要件」過去問・厚年-92

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今日は、厚生年金法から「遺族厚生年金の支給要件」について見てみようと思います。

遺族厚生年金の支給を受けるためには、被保険者や障害厚生年金の受給権者などの人に関する条件と、保険料納付要件といったお金に関する条件がポイントになってきます。

では、遺族厚生年金の支給要件を満たすにはどのような条件があるのでしょう。

 

20歳未満の被保険者でも遺族厚生年金が支給されることがある?

(平成28年問3ア)

20歳未満の厚生年金保険の被保険者が死亡した場合、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。(問題文を再構成しています)

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被保険者が不幸にも死亡した場合、20歳未満であっても、保険料納付要件を満たしていれば、所定の遺族に遺族厚生年金が支給されます。

保険料納付要件というのは、

  • 死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があるときは、保険料納付済期間と免除期間を合わせた期間が被保険者期間の3分の2以上あること
  • 令和8年4月1日前に亡くなった場合は、死亡日の前日において、死亡日の属する前々月までの1年間のうちに保険料納付済期間と免除期間以外の被保険者期間がないこと(保険料を滞納していないこと)

となっています。

上の方が原則で、下の方は経過措置となっています。

では、被保険者以外の場合でも遺族厚生年金が支給されることはあるのでしょうか。

答えはイエスです。

下の問題では、被保険者の資格を喪失した者と遺族厚生年金について問われていますので読んでみましょう。

 

被保険者の資格を喪失した場合の遺族厚生年金の支給要件

(令和2年問10ア)

被保険者であった者が、被保険者の資格を喪失した後に、被保険者であった間に初診日がある傷病により当該初診日から起算して5年を経過する日前に死亡したときは、

死亡した者が遺族厚生年金の保険料納付要件を満たしていれば、死亡の当時、死亡した者によって生計を維持していた一定の遺族に遺族厚生年金が支給される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

被保険者であった者が遺族厚生年金の支給を受けるためには、被保険者だったときに初診日がある傷病によって初診日から5年を経過する日前に死亡した時は、保険料納付要件を満たしていれば遺族厚生年金が支給されることになります。

ポイントは、初診日の時点では被保険者である必要があるということですね。

あと、被保険者以外で遺族厚生年金が支給されるのは、障害等級1級・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡したときと、老齢厚生年金の受給権者が死亡したときです。

ただし、老齢厚生年金の受給権者の場合は、保険料納付済期間と免除期間の合計が25年以上あることが条件です(合算対象期間も参入されます)。

なので、老齢厚生年金の受給権者でなくても、保険料納付済期間と免除期間の合計が25年以上あれば大丈夫です。

では、保険料納付要件について見てみることにしましょう。

下の過去問は、障害厚生年金の受給権者が亡くなったケースでの保険料納付要件がテーマになっています。

 

障害厚生年金の受給権者が亡くなった場合の保険料納付要件

(令和元年問3D)

障害等級1級又は2級に該当する障害の状態にある障害厚生年金の受給権者が死亡したときは、遺族厚生年金の支給要件について、死亡した当該受給権者の保険料納付要件が問われることはない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

障害等級1級・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡した場合、保険料納付要件は必要ありません

障害厚生年金を受給するときにすでに保険料納付要件をクリアしているはずですもんね。

ちなみに、老齢厚生年金の受給権者と、保険料納付済期間と免除期間の合計が25年以上ある者についても保険料納付要件は必要ありません

25年以上保険料を納付していれば十分ですよね。

今回のポイント

  • 被保険者が死亡した場合、20歳未満であっても、保険料納付要件を満たしていれば、所定の遺族に遺族厚生年金が支給されます。
  • 被保険者であった者が遺族厚生年金の支給を受けるためには、被保険者だったときに初診日がある傷病によって初診日から5年を経過する日前に死亡した時は、保険料納付要件を満たしていれば遺族厚生年金が支給されることになります。
  • 障害等級1級・2級の障害厚生年金の受給権者が死亡した場合、保険料納付要件は必要ありません

 

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