資格喪失後の給付としては、傷病手当金や出産手当金、出産育児一時金、埋葬料(埋葬費)とありますが、
種類がいろいろあるだけに、知識をきちんと整理しておかないと、本試験場であやふやになってしまう危険性がありますので、きちんと復習して定着させたいですね。
直前期になると、じっくり問題を解く時間が少なくなってくるので、あっさりでもいいので触れる回数をできるだけ増やせるようにできるといいですね。
それでは過去問を見ていきましょう。
最初の問題は、資格喪失後の出産手当金について問われていますが、出産育児一時金と支給要件を区別しておく必要がありますので確認していきましょう。
資格を喪失しても出産手当金を受給できる?
(平成24年問9E)
被保険者資格が喪失日(任意継続被保険者の資格を取得した者にあっては、その資格を取得した日)の前日までの間引き続き1年以上であった者が、被保険者の資格喪失後6か月以内に出産したときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から出産手当金を受けることができる。
解説
解答:誤り
問題文は、出産手当金ではなく、出産育児一時金であれば受給することができます。
資格喪失後の出産育児一時金は、
- 被保険者資格が喪失日の前日までの間引き続き1年以上であった者で
- 被保険者の資格喪失後6か月以内に出産した
場合に、最後の保険者から受け取ることができます。
では、資格喪失後の出産手当金について扱った過去問をもう一問見ておきましょう。
資格を喪失しても出産手当金を受給できる? その2
(平成26年問9E)
5月25日が出産予定日(多胎妊娠ではない。)である被保険者が、同年3月20日に勤務していた適用事業所を退職し、被保険者の資格を喪失した場合、資格喪失日の前日において引き続き1年以上の被保険者期間(任意継続被保険者期間、特例退職被保険者期間又は共済組合の組合員である期間を除く。)があれば、資格喪失後に出産手当金の継続給付を受けることができる。
解説
解答:誤り
資格喪失後に出産手当金を受給するためには、
- 資格喪失日の前日において引き続き1年以上の被保険者期間
- 資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けていること
が条件となっています。
では次に、資格喪失後の傷病手当金について見てみましょう。
傷病手当金も、出産手当金と同じく資格喪失前に1年以上の被保険者資格が必要なのですが、
次の問題のケースの場合、要件を満たすのでしょうか。
退職者の傷病手当金の支給要件
(平成25年問2B)
傷病手当金を受けていた者が、被保険者期間が6か月経過したときに退職せざるを得なくなった場合、たとえ当該被保険者期間の前に、1日の空白もなく継続した6か月以上の他の保険者における被保険者期間があったとしても、資格喪失後の傷病手当金は受けられない。なお、これらの被保険者期間には、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者の期間は含まれない。
解説
解答:誤り
問題文の場合、傷病手当金の支給要件を満たすので誤りです。
資格喪失後の傷病手当金の支給要件である、「引き続き1年以上」の被保険者期間については、同一の事業所や保険者である必要はありません。
ただ、空白期間が1日もなく継続していることが条件となっています。
で、資格喪失後の傷病手当金については、資格喪失時に傷病手当金の支給を受けていればそのまま継続して支給されますが、
任意継続被保険者になった場合、傷病手当金は支給されるのでしょうか。
任意継続被保険者になったら傷病手当金はどうなる?
(平成23年問2C)
継続して1年以上被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者及び共済組合の組合員である被保険者を除く。)であった者であって、被保険者の資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けている者は、被保険者として受けることができるはずであった期間、継続して同一の保険者から傷病手当金を受けることができる。ただし、資格喪失後に任意継続被保険者になった場合は、その傷病手当金を受けることはできない。
解説
解答:誤り
資格喪失後に任意継続被保険者になった場合でも、継続して傷病手当金を受けることができますので誤りです。
ちなみに、特例退職被保険者になった場合は傷病手当金を受給することはできません。
では最後に、資格喪失後の埋葬料について見ておきましょう。
被保険者の資格を喪失した後でも、所定の要件を満たせば埋葬料が支給されますが、
どのような規定になっているのでしょうか。
資格喪失後の埋葬料の支給要件
(平成24年問1A)
被保険者であった者が被保険者の資格を喪失した日後6か月以内に死亡したときは、被保険者であった者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものは、その被保険者の最後の保険者から埋葬料の支給を受けることができる。
解説
解答:誤り
資格喪失後の埋葬料は、資格喪失後6ヶ月ではなく、3ヶ月以内に死亡したことが支給要件になっています。
他に、資格喪失後に傷病手当金や出産手当金の継続給付を受けた者が亡くなったときや、継続給付を受けなくなった日以後3ヶ月以内に亡くなったときも埋葬料の支給要件になります。
ちなみに、埋葬費も上記の支給要件となっています。
今回のポイント
- 資格喪失後の出産育児一時金は、
- 被保険者資格が喪失日の前日までの間引き続き1年以上であった者で
- 被保険者の資格喪失後6か月以内に出産した
場合に、最後の保険者から受け取ることができます。
- 資格喪失後に出産手当金を受給するためには、
- 資格喪失日の前日において引き続き1年以上の被保険者期間
- 資格を喪失した際に出産手当金の支給を受けていること
が条件となっています。
- 資格喪失後の傷病手当金の支給要件である、「引き続き1年以上」の被保険者期間については、同一の事業所や保険者である必要はありませんが、1日の空白もなく継続している必要があります。
- 資格喪失後に任意継続被保険者になった場合でも、継続して傷病手当金を受けることができます。
- 資格喪失後の埋葬料は、資格喪失後3ヶ月以内に死亡したことが支給要件になっています。
毎日の勉強のヒントにどうぞ♫
本試験日まで、何をどれだけやるか優先順位を決めたリストを作っておくと安心です。
コツは詰め込みすぎないことです。
少なめに計画しておいて余裕があれば追加するくらいの気持ちで良いかと。
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