「社労士試験 国民年金法 時効・雑則・罰則についてどれだけ覚えていますか?」過去問・国-72

国民年金法で一番ややこしいのは、被保険者の要件や老齢基礎年金などの保険給付の部分なので、

正直、時効や罰則のところになるとホッとする気持ちも出てくるかもしれません。

ただ、社労士試験には出題されているので、きちんと勉強をしなければなりませんが、

もし本試験で出題されたらラッキー問題と思えるようにきちんと押さえておきたいところですね。

なので、この記事を読んでいただいて復習のきっかけになれば幸いです。

それでは問題に入っていきましょう。

最初の過去問は、時効の長さが論点になっています。

国民年金法で出てくる時効にはどのようなものがあったか確認していきましょう。

 

国民年金法に出てくる時効の長さ

(平成27年問5E)

年金給付を受ける権利及び死亡一時金を受ける権利は、その支給事由が生じた日から5年を経過したときは、時効によって消滅する。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:誤り

年金給付を受ける権利の時効は5年ですが、死亡一時金の場合は2年ですので誤りです。

国民年金法では、2種類の時効が出てくることをまず押さえましょう。

年金給付については、労災保険の年金給付と同じで5年ですが、死亡一時金のような一時金は2年となっています。

この機会に他の科目で時効がどうなっているのかお手持ちのテキストで確認なさってみるのもいいですね。

で、年金給付には2種類の時効が存在します。

それは、年金給付そのものを受ける「基本権」に関するものと、一定期間ごとに支給される「支分権」ですね。

下の問題では支分権の時効の起算日について問われていますので見てみましょう。

 

年金給付を受ける権利の時効の起算日

(令和2年問7D)

年金給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利については「支払期月の翌月の初日」がいわゆる時効の起算点とされ、各起算点となる日から5年を経過したときに時効によって消滅する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利(支分権)の時効については「支払期月の翌月の初日」が起算点となり、

それぞれの起算点となる日から5年を経過したときに時効によって消滅することになります。

ちなみに、死亡一時金の時効は2年ですが、「これを行使することができる時」が起算日となります。

さて、「消えた年金記録問題」について騒がれたのは平成19年ですが、これを機に年金記録の訂正請求ができるようになりました。

となると、先ほど述べたように、年金給付の時効は5年ですから、もし年金記録が訂正されたとしたら時効の問題はどうなるのでしょうか。

次の問題で確認しましょう。

 

年金記録の訂正が行われた場合、時効はどうなる?

(平成23年問1E)

厚生労働大臣は、厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律の施行日における老齢基礎年金について、年金記録の訂正がなされた上で受給権に係る裁定が行われたときは、その裁定による当該記録した事項の訂正に係る給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支給を受ける権利について、当該裁定日までに消滅時効が完成した場合においても、当該権利に基づく給付を支払うものとする。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

年金記録の訂正が行われて、受給権についてあらためて裁定が行われた場合は、裁定日までに時効で消滅した権利についても給付が行われることになります。

それは当然といえば当然の措置ですよね。

年金記録の訂正が認められても時効ですよ、なんて言われたら何のための訂正請求なのか分からなくなりますからね。

さて、ここで厚生労働大臣と他の行政機関との関係についての規定を見てみましょう。

下の問題では、厚生労働大臣が統計調査をするときに必要な資料が欲しい時の措置について問われていますので確認しましょう。

 

厚生労働大臣が他の官公署に求めること

(令和2年問8エ)

国民年金法第1条の目的を達成するため、被保険者若しくは被保険者であった者又は受給権者に係る保険料の納付に関する実態その他の厚生労働省令で定める事項に関する統計調査に関し必要があると認めるときは、厚生労働大臣は、官公署に対し、必要な情報の提供を求めることができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

厚生労働大臣は、統計調査をするのに必要な情報を官公署に求めることができることになっていますが、

こちらの規定により、市町村に対して被保険者の所得情報の提供を求めることができるようになりました。

では最後に罰則について見ておきましょう。

次の問題では、被保険者や受給権者が死亡したにもかかわらず、その届出をしなかった場合の罰則になっていますので読んでみましょう。

 

死亡の届出をしなかった時の罰則

(令和2年問4A)

被保険者又は受給権者が死亡したにもかかわらず、当該死亡についての届出をしなかった戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、30万円以下の過料に処せられる。

 

解説

解答:誤り

死亡についての届出をしなかった場合の罰則は過料ですが、30万円以下ではなく、「10万円以下」の過料となっています。

ちなみに、国民年金法で一番重い罰則は不正受給に関するもので、3年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。

なので、死亡の届出をしなかっただけで、不正受給をしていなければ過料で済むということになりますね。

 

今回のポイント

  • 年金給付を受ける権利の時効は5年ですが、死亡一時金の場合は2年です。
  • 支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利(支分権)の時効は、「支払期月の翌月の初日」が起算点となり、それぞれの起算点となる日から5年を経過したときに時効によって消滅することになります。
  • 年金記録の訂正が行われて、受給権についてあらためて裁定が行われた場合は、裁定日までに時効で消滅した権利についても給付が行われることになります。
  • 厚生労働大臣は、統計調査をするのに必要な情報を官公署に求めることができることになっています。
  • 死亡についての届出をしなかった場合、「10万円以下」の過料となっています。

 

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