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社労士試験勉強法 過去問攻略!「労災保険法 障害(補償)給付の仕組みとは?」 労災-11

障害(補償)給付は、業務上(または通勤上)が原因の傷病が「治ゆ」したけど、一定の障害が残ったときに、その障害の程度に応じて年金や一時金の形で支給されます。

つまり、ケガや病気をして治ゆ前が「療養(補償)給付」や「休業(補償)給付」、「傷病(補償)年金」で、治ゆした後、障害の状態にある場合に「障害(補償)給付」になります。

では、過去問でどのような論点を問われているのか見てみましょう。

 

等級表に載ってないんですけど、、、

(平成30年問6A)

厚生労働省令で定める障害等級表に掲げるもの以外の身体障害は、その障害の程度に応じて、同表に掲げる身体障害に準じて障害等級を定めることとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

障害等級は、1級から14級まで分かれていますが、法15条4項には、

「別表第1に掲げるもの以外の身体障害については、その障害の程度に応じ、同表に掲げる身体障害に準じてその障害等級を定める。」

と規定されています。

さて、ケガや病気と一口に言っても、1回の事故でたとえば頭と足をケガして、それぞれ障害の状態になった場合はどうするのでしょう。

この場合は「併合」や「併合繰上げ」が行われます。

今回は、併合繰上げの過去問をご紹介します。

 

併合繰上げの要件は?

(平成30年問6E)

障害等級表に該当する障害が2以上あって厚生労働省令の定める要件を満たす場合には、その障害等級は、厚生労働省令の定めに従い繰り上げた障害等級による。具体例は次の通りである。
① 第5級、第7級、第9級の3障害がある場合・・・第3級
② 第4級、第5級の2障害がある場合・・・第2級
③ 第8級、第9級の2障害がある場合・・・第7級

 

解説

解答:誤

併合繰上げの場合、②は、第5級が2つ以上あるので、重い方を3級繰上げるので、第1級となります。

ちなみに、第13級が2つ以上の場合は、重い方を1級繰上げ、第8級が2つ以上の場合は重い方を2級繰上げます。

また、併合繰上げではない「併合」は、障害の片方が第14級の場合に重い方の障害がその障害等級になる、というものです。

では、最後に「加重」についての過去問を確認しましょう。

 

加重の要件ですが合ってますかね??

(平成30年問6C)

既に業務災害による障害補償年金を受ける者が、新たな業務災害により同一の部位について身体障害の程度を加重した場合には、現在の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額から、既存の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額を差し引いた額の障害補償年金が支給され、その差額の年金とともに、既存の障害に係る従前の障害補償年金も継続して支給される。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

なぜ、新しい方の障害補償年金が既存の差額になるのかというと、2つの障害の状態がそれぞれ変化する可能性があるからです。

つまり新しい方が1級から2級に変更されることも可能性としてあるわけですし、古い方の障害もしかりです。

ですので、2つの障害はあくまで別物として区別して経過観察するということですね。

また、2つの年金額の基礎となる給付基礎日額が異なる可能性がありますしね。

 

今回のポイント

  • 障害(補償)給付は、業務上(または通勤上)が原因の傷病が「治ゆ」したけど、一定の障害が残ったときに、その障害の程度に応じて年金や一時金の形で支給されます。
  • 厚生労働省令で定める障害等級表に掲げるもの以外の身体障害は、その障害の程度に応じて、同表に掲げる身体障害に準じて障害等級を定めることとされている。
  • 併合繰上げは、第13級が2つ以上の場合は、重い方を1級繰上げ、第8級が2つ以上の場合は重い方を2級繰上げ、第5級が2つ以上ある場合は、重い方を3級繰上げます。
  • 加重の要件→新たな業務災害により同一の部位について身体障害の程度を加重した場合には、現在の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額から、既存の障害の該当する障害等級に応ずる障害補償年金の額を差し引いた額の障害補償年金が支給され、その差額の年金とともに、既存の障害に係る従前の障害補償年金も継続して支給されます。

 

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