「社労士試験 徴収法 もう悩まない!請負事業の一括のポイント」過去問・徴-52

請負事業の一括については、有期事業の一括や継続事業の一括と並んで社労士試験でよく出題されています。

注意しないといけないのは、それぞれの一括の要件とすり替えて出題されても、きちんと見分けられるかどうかです

なので、知識を整理して押さえておく必要があるのです。

今回の記事がその一助になればと思います。

では、過去問に進んでいきましょう。

1問目は、請負事業が一括になる業種について問われていますので、確認していきますね。

 

請負事業が一括される業種とは?

(令和2年労災問8A)

請負事業の一括は、労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち、建設の事業又は立木の伐採の事業が数次の請負によって行われるものについて適用される。

 

解説

解答:誤り

請負事業の一括は、建設の事業だけに適用されるので、立木の伐採の事業は対象外です。

建設の事業立木の伐採の事業が適用されるのは、有期事業の一括ですね。

では、請負事業の一括が行われることで、何が一括されるのでしょうか。

労働保険には労災保険と雇用保険がありますが、請負事業の一括ではどのように適用されるのか、下の問題で確認しましょう。

 

請負事業ではどの労働保険が一括される?

(令和2年労災問8C)

請負事業の一括が行われ、その事業を一の事業とみなして元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合、請負事業の一括が行われるのは、「労災保険に係る保険関係が成立している事業」についてであり、「雇用保険に係る保険関係が成立している事業」については行われない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

請負事業の一括で適用される労働保険は労災保険のみとなり、雇用保険は一括の対象ではありません。

ちなみに、有期事業の一括も労災保険のみですが、継続事業となると話が変わってきます。

継続事業の場合、

  • 労災保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業であること
  • 雇用保険に係る保険関係が成立している事業のうち二元適用事業であること
  • 一元適用事業であって労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業であること

というようになっていますので、違いを押さえておくようにしましょう。

ということで、請負事業の一括の対象となる事業の種類などは分かりましたが、実際に一括を成立させるためにはどうすればいいのでしょうか。

やはり、行政への届出が要るのでしょうか。

 

請負事業の一括が成立するには?

(令和2年労災問8B)

請負事業の一括は、元請負人が、請負事業の一括を受けることにつき所轄労働基準監督署長に届け出ることによって行われる。

 

解説

解答:誤り

請負事業の一括は、法律上、当然に一括されるので、届出は不要です。

これは、有期事業の一括も同じです。

ただ、継続事業の一括の場合は、厚生労働大臣の認可が必要ですね。

このように、法律上当然に成立する請負事業の一括ですが、一括している元請負人の事業から下請負事業を分離させることもできます。

こちらは、厚生労働大臣の認可が必要なのですが、下請負事業が分離するにはそれなりの要件が必要のようです。

この要件がどうなっているのか、下の過去問を見ていきましょう。

 

請負事業で下請負事業を分離するためには

(平成27年労災問10B)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けるためには、当該下請負人の請負に係る事業が建設の事業である場合は、その事業の規模が、概算保険料を算定することとした場合における概算保険料の額に相当する額が160万円未満、かつ、請負金額が1億8,000万円未満でなければならない。

 

解説

解答:誤り

下請負事業の分離の認可を受けるためは、事業の規模が

  • 概算保険料の額に相当する額が160万円以上 または
  • 請負金額が1億8,000万円以上

であることが必要なので、問題文にある「未満」は誤りです。

概算保険料の額に相当する額が160万円未満、かつ請負金額が1億8,000万円未満、という要件は、有期事業の一括ですので混同しないようにしたいですね。

また、「または」・「かつ」の使われ方も注意が必要ですね。

それでは最後に、下請負事業の認可の申請を「いつ」、「どのように」しなければならないのかを確認することにしましょう。

 

下請負事業の分離の認可を受けるためには

(平成27年労災問10A)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けようとするときは、保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内であれば、そのいずれかが単独で、当該下請負人を事業主とする認可申請書を所轄都道府県労働局長に提出して、認可を受けることができる。

 

解説

解答:誤り

下請負事業の分離の認可は、

  • 保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、
  • いずれかが単独で、ではなく、「元請負人及び下請負人が共同で」

申請する必要があります。

あくまでも元請負人と下請負人の両方が同意して、という形になるんでしょうね。

 

今回のポイント

  • 請負事業の一括は、建設の事業だけに適用されます。(建設の事業立木の伐採の事業が適用されるのは、有期事業の一括です)
  • 請負事業の一括で適用される労働保険は労災保険のみです。
  • 請負事業の一括は、法律上、当然に一括されるので、届出は不要です。
  • 下請負事業の分離の認可を受けるためは、事業の規模が
    • 概算保険料の額に相当する額が160万円以上 または
    • 請負金額が1億8,000万円以上

    であることが必要です。

  • 下請負事業の分離の認可は、
    • 保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、
    • いずれかが単独で、ではなく、「元請負人及び下請負人が共同で」

    申請する必要があります。

 

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