「社労士試験 安衛法 監督組織・雑則についての取扱説明書」過去問・安衛-29

今回は、監督組織雑則ということで、不幸にも労働災害が起きてしまった場合に行政がどのように動くのか、

また、災害が起きてケガをした人が出た場合の届出(死傷病報告)のルールや、法違反をしたときの罰則(両罰規定)の決まりなどについての過去問を取り上げました。

これらについての論点は、頻繁に出ている項目ではありませんが、近年ちょこちょこ出題されているのでチェックしておく必要がありそうです。

ただ、深入りをする必要はないので、この記事をきっかけに確認していただければ嬉しいです。

それでは最初の問題に入っていきましょう。

1問目は、残念ながら労働災害が起きたときに、再発を防ぐため、都道府県労働局長が行うことについて問われています。

それは一体どんなことなのかを見てみましょう。

 

労働災害が発生した場合に都道府県労働局長が行うこと

(平成23年問9E)

都道府県労働局長は、労働安全衛生法第99条の2の規定により、労働災害が発生した場合において、その再発を防止するため必要があると認めるときは、当該労働災害に係る事業者に対し、期間を定めて、当該労働災害が発生した事業場の総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、統括安全衛生責任者その他労働災害の防止のための業務に従事する者に都道府県労働局長の指定する者が行う講習を受けさせるよう指示することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働災害を発生させた事業者に対して、都道府県労働局長は、災害の再発を防止するため必要と認めるときは、

  • 総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、統括安全衛生責任者などに
  • 都道府県労働局長の指定する者が行う講習を受けさせるよう指示する

ことができるとされ、労働局長から指示を受けた事業者は、上記の者に講習を受けさせなければならないことになっています。

さて、事業場内で負傷した人が出た場合の届出について見ていきましょう。

事業場内でケガをした労働者が出た場合、労働者死傷病報告書を所轄労基署長に届け出る必要があるのですが、

その労働者の休業の日数によって届出のルールが変わってくるようです。

それはどういうことなのか次の問題で見てみましょう。

 

労働者死傷病報告書の提出についてのルール

(平成25年問9D)

労働者が事業場内における負傷により休業の日数が2日の休業をしたときは、事業者は、遅滞なく、所定の様式による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

解説

解答:誤

事業場内でケガをして労働者が休業した場合、休業の日数が2日ではなく「4日未満のときは、

四半期ごと(1月〜3月、4月〜6月、7月〜9月、10月〜12月)に報告することとし、

それぞれの期間の最後の月の翌月末までに所轄労基署長に死傷病報告書を提出することになっています。

つまり、1〜3月分は4月末までに提出するということになりますね。

で、休業の日数が4日以上になったときは、「遅滞なく」提出する必要があります。

しかし、事業業内でケガをしたと言っても、必ずしも業務が原因とは限りません。

そんな場合、死傷病報告は必要になるのでしょうか??

下の問題で確認しましょう。

 

業務に関係のないケガでも死傷病報告書を出さなきゃいけない?

(平成29年問8B)

労働者が事業場内における負傷により休業した場合は、その負傷が明らかに業務に起因するものではないと判断される場合であっても、事業者は、労働安全衛生規則第97条の労働者死傷病報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

明らかに業務に起因するとは言えないケガについても、事業場内で負傷した場合は、労働者死傷病報告書を提出しなければなりません。

規定ではどうなっているのかというと、

「事業者は、労働者が労働災害その他就業中又は事業場内若しくはその附属建設物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、

遅滞なく、様式第23号による報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。」

とあります。

「労働災害その他」とありますので、労働災害ではないものについても報告をしなければならないということですね。

これは、いわゆる労災かくしを防止する意味もあります。

会社側が勝手に労働災害ではないと判断して、労基署長への報告を怠るのを防いでいるわけですね。

さて、次は「両罰規定」についての過去問を見ていきたいのですが、そもそも両罰規定とはどんな規定なのか下の過去問で確認しましょう。

 

両罰規定のルールとは

(平成26年問8ウ)

労働安全衛生法第122条のいわゆる両罰規定について、事業者が法人の場合、その法人の代表者がその法人の業務に関して同条に定められている各規定の違反行為をしたときは、当該代表者が「行為者」として罰せられるほか、その法人に対しても各本条の罰金刑が科せられる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

両罰規定というのは、文字どおり「両方を罰する」ということですが、

一言で言うと、違反行為をした人とその会社の両方を罰するということになります。

安衛法の罰則には、懲役刑や罰金がありますが、法違反をした「人」については懲役や罰金を課すことができますが、「組織」に懲役を課すことはできませんね。

なので法人などの組織には「罰金刑」が課せられることになります。

では最後に、両罰規定についてもう1問見ておくことにしましょう。

先ほどの問題とは視点を変えた出題になっていますので、惑わされないようにしましょう。

 

両罰規定のルールとは その2

(令和2年問9E)

労働安全衛生法は、第20条で、事業者は、機械等による危険を防止するため必要な措置を講じなければならないとし、その違反には罰則規定を設けているが、措置義務は事業者に課せられているため、例えば法人の従業者が違反行為をしたときは、原則として当該従業者は罰則の対象としない。

 

解説

解答:誤

たとえ法人の従業者であったとしても罰則の対象になります。

規定では、

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、第116条、第117条、第119条又は第120条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。」

となっています。

規定にある、第116条、第117条、第119条又は第120条はそれぞれ罰則の内容になっていて、たとえば第116条は「製造禁止等違反に対する罰則」となっています。

 

今回のポイント

  • 労働災害を発生させた事業者に対して、都道府県労働局長は、災害の再発を防止するため必要と認めるときは、
    • 総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、統括安全衛生責任者などに
    • 都道府県労働局長の指定する者が行う講習を受けさせるよう指示する

    ことができるとされ、労働局長から指示を受けた事業者は、上記の者に講習を受けさせなければならないことになっています。

  • 事業場内でケガをして労働者が休業した場合、休業の日数が2日ではなく「4日」未満のときは、四半期ごと(1月〜3月、4月〜6月、7月〜9月、10月〜12月)に報告することとし、それぞれの期間の最後の月の翌月末までに所轄労基署長に死傷病報告書を提出することになっています。
  • もし、休業の日数が4日以上になったときは、「遅滞なく」提出しなければなりません。
  • 明らかに業務に起因するとは言えないケガについても、事業場内で負傷した場合は、労働者死傷病報告書を提出しなければなりません。
  • 両罰規定は、法人の代表者法人使用人その他の従業者などが、違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する、と規定しています。

 

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