「国民年金法 うっかりスルーしてしまいがちな目的や権限の内容とは」過去問・国-46

今回は、国民年金法の根っこの部分にあたる「目的」や「権限」についての過去問を集めてみました。

年金のお話と違ってややこしいところはないと思いますが、本試験会場でサラッと出題された時に冷や汗をかかないようにひと通り見ておきましょう。

最初の問題は、国民年金は保険の原理で運用されているのか、というお話です。

国民年金は保険料を納付して老齢基礎年金などを受け取りますから「保険」の要素が強いイメージがありますね。

では実際はどうなのか見てみましょう。

 

国民年金=保険原理??

(平成26年問7A)

国民年金は、国民の老齢、障害又は死亡に関して必要な保険給付を行うものとされ、国民年金法に基づくすべての給付は保険原理により行われる。

 

解説

解答:誤

国民年金の給付は、すべてが保険原理によって行われているわけではありません。

たとえば、「20歳前傷病の障害基礎年金」の場合、初診日時点では20歳未満なわけで、支給は20歳になってからとなりますが、保険料は払っていなくて年金が支給されるわけですから、保険の原理で運用されているわけではなさそうですね。

次は、国民年金事業の事務についての問題です。

国民年金の事務を行うことができるところにはどんな組織があるのか見てみましょう。

 

国民年金の事務を行うことができる組織

(平成30年問3E)

国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団に行わせることができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

国民年金事業の事務の一部は、

  • 法律によって組織された共済組合
  •  国家公務員共済組合連合会
  • 全国市町村職員共済組合連合会
  • 地方公務員共済組合連合会
  • 日本私立学校振興・共済事業団

に行わせることができます。

で、国民年金の事業には、日本年金機構も関わっているわけですが、日本年金機構が立入検査などをする場合、要件があるようなのですが、その要件とは何なのか、次の過去問で確認しましょう。

 

日本年金機構が立入検査をするには

(令和2年問7A)

日本年金機構は、あらかじめ厚生労働大臣の認可を受けなければ、保険料の納付受託者に対する報告徴収及び立入検査の権限に係る事務を行うことができない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

保険料の納付受託者に対する報告徴収や、立入検査をする時には厚生労働大臣の認可が必要です。

立入検査などのような重要な業務は日本年金機構に任せきりにせず、厚生労働大臣の認可を取らないとできないのですね。

さらに、日本年金機構だけでなく、国民年金の事業を行なっている組織があります。

国民に一番身近なところ、と言っても過言でないかもしれないところなのですが、次の過去問を見てみましょう。

 

任意加入の申出受理の事務はどこがする?

(平成28年問4オ)

任意加入の申出の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に委任されており、当該申出の受理及び申出に係る事実についての審査に関する事務は、日本年金機構が行うものとされていて、市町村長がこれを行うことはできない。

 

解説

解答:誤

任意加入の申出の受理に関する事務は、日本年金機構ではなく、市町村長が行うことになっています。

本当に色々なところが国民年金の事務をしているのですね。

次は国民年金基金に関する権限のお話です。

厚生労働大臣が持っている権限を誰に委任しているのかを見ておきましょう。

 

厚生労働大臣が持っている国民年金基金の権限の委任先

(令和元年問1イ)

国民年金法第10章「国民年金基金及び国民年金基金連合会」に規定する厚生労働大臣の権限のうち国民年金基金に係るものは、厚生労働省令の定めるところにより、その一部を地方厚生局長に委任することができ、当該地方厚生局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

厚生労働大臣が持っている権限のうち国民年金基金にかかるものは、その一部を地方厚生局長に委任することができ、その委任された権限は地方厚生支局長に委任することができることになっています。

 

今回のポイント

  • 国民年金の給付は、すべてが保険原理によって行われているわけではなく、「20歳前傷病の障害基礎年金」のように無拠出で行われる給付もあります。
  • 国民年金事業の事務の一部は、
    • 法律によって組織された共済組合
    •  国家公務員共済組合連合会
    • 全国市町村職員共済組合連合会
    • 地方公務員共済組合連合会
    • 日本私立学校振興・共済事業団

    に行わせることができます。

  • 日本年金機構が保険料の納付受託者に対する報告徴収や、立入検査をする時には厚生労働大臣の認可が必要です。
  • 任意加入の申出の受理に関する事務は、市町村長が行うことになっています。
  • 厚生労働大臣が持っている権限のうち国民年金基金にかかるものは、その一部を地方厚生局長に委任することができ、その委任された権限は地方厚生支局長に委任することができることになっています。

 

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