安衛法 イメージしにくい目的や事業者等の責務の要件の押さえ方」過去問・安衛-20

あなたは安衛法が好きですか?

私が持っている安衛法のイメージは、とにかく「取っつきにくい」です。

私の持っている想像力が足りないせいか、問題を解いていたり、テキストを読んでいてもイメージがつかないので理解の進み具合が他の科目より遅いんですね。

逆にいうと、要件と実際のイメージが結びついた時の理解は早かったです。

なので、勉強をするときはできるだけ何かのイメージと組み合わせるようにすると、スッと頭の中に入ってくることがありますので試してみてくださいね。

それでは最初の問題を見てみましょう。

安衛法と労基法の関係について問われています。

はたして、安衛法は労基法とどのような関係になっているのでしょうか。

 

安衛法は労基法と一体的な関係?

(平成29年問8E)

労働安全衛生法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労基法の労働憲章的的部分は安全衛生法の施行でも基本となります。

これは通達に出ていましてそれによると、もとはといえば、安衛法は労基法から分離した法律なのですが、安全衛生労働条件でも大切な条件になるので、労基法とは一体としての関係に立つ、となっています。

なので、問題文にある労基法1条2項のような憲章的な部分も安衛法の基本になる、ということですね。

ちなみに、労基法1条2項というのは、

この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

となっています。

で、上記の通達も下にリンクを貼っておきますので、ご自由にご参考になさってくださいね。

「第二 この法律の基本的事項」の「一 この法律と労働基準法との関係」のところに記載があります。

 

参考記事:労働安全衛生法の施行について 昭和四七年九月一八日発基第九一号

 

とはいうものの、安衛法がすべての事業に適用されるわけではなく、対象外になるものもあるようです。

下の過去問で確認しましょう。

ヒントは「労基法と一体関係」です。

 

安衛法の対象外になるものとは

(令和2年問9A)

労働安全衛生法は、同居の親族のみを使用する事業又は事務所については適用されない。また、家事使用人についても適用されない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

安衛法の労働者の意義のところで、労働者とは「労働基準法第9条に規定する労働者」としているのですが、

同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。

と規定しています。

労基法でも、「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない。」とありますね。

ただ、安衛法ではそれに加えて、「事務所に使用される者」も除くのですね。

事務所で働いていれば安衛法で規定しなければならないようなケガや病気になることはないだろう、ってことなんですかね。

では次にその「ケガや病気」、つまり「労働災害」の定義について見ておきましょう。

論点は、事業場内で起きたケガなどはすべて労働災害になるのか、ということです。

 

安衛法でいうところの「労働災害」の定義

(平成28年問9B)

労働安全衛生法における「労働災害」は、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいうが、例えばその負傷については、事業場内で発生したことだけを理由として「労働災害」とするものではない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、労働災害は事業場内で発生したからといってすべて「労働災害」になるわけではありません。

労働災害になるかどうかは、問題文にもありますが、「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因」していることが条件になるのですね。

要するに、たとえ事業場内でケガなどをしたとしても「業務に起因」していないと労働災害にはならないということですね。

さて、次は製造者などの責務についての規定を見ておきましょう。

先ほどまでは事業場内で働く労働者についてのお話でしたが、製品の製造などをする者に対して、

その製品を使うことで労働災害にならないようにしてくださいね、という内容になります。

では規定ではどのような表現になっているのでしょうか。

 

機械や器具の製造などをする者の責務

(平成29年問8C)

労働安全衛生法は、機械、器具その他の設備を設計し、製造し、又は輸入する者にも、これらの物の設計、製造又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

機械や器具などの設備の製造などをする者は、それを使うことで労働災害が発生しないように努めてくださいね、としています。

「努めてくださいね」なので努力義務ということになるのですが、機械を作って売っておしまい、と売りっぱなしにするのではなく、安全に使えるようにしてくださいね、ということですね。

たとえば、電動ノコギリを作っているいる会社があるとします。

目的は物を切断することなのですが、使用中にケガをしないような覆いをつけるとか、急に作動しないように安全装置をつけたりして、電動ノコギリを使う人をケガさせないように気を配るようにしましょう、ということですね。

では製造する者の責務についてもう一問見ておきましょう。

今度は「原材料」の製造者向けの論点になっていますが、考え方は先ほどと同じです。

 

原材料の製造などをする者の責務とは

(平成29年問8D)

労働安全衛生法は、原材料を製造し、又は輸入する者にも、これらの物の製造又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、原材料の製造などを手がけている者に対しても、それが条件されることで労働災害が起きないように「努めて」ください、としています。

これらを条文でどのように表現しているのかというと、

(事業者等の責務)
法3条
(中略)
2 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない

となっていて、いずれも「努力義務」になっていることに注意ですね。

 

今回のポイント

  • 労基法の労働憲章的的部分は安全衛生法の施行でも基本となります。
  • 安衛法で労働者とは「労働基準法第9条に規定する労働者」としていますが、「同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。」と規定しています。
  • 問題文のとおりで、労働災害は事業場内で発生したからといってすべて「労働災害」になるわけではなく、業務に起因しているかがカギとなります。
  • 製造などをする事業者の責務として、機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならないと規定しています。

 

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