「雇用保険法 これを読めばわかる!高年齢雇用継続給付の教科書」過去問・雇-35

雇用継続給付については、令和2年度の法改正で育児休業給付が雇用継続給付から独立しましたね。

今回は高年齢雇用継続給付についての過去問を集めてみました。

高年齢雇用継続給付で私が一番悩んだのが、非行や病気などで賃金が下がった時に、

賃金の低下を判断するときは賃金が低下したものとみなされず、いざ支給額を計算するときは実際の下がった賃金で計算されるという、どっちがどっちか分からなくなることがよくありましたね。

最終的にはテキストの通読を何度かして克服しましたが、政府の立場に立って読んでみると「ああ、そういうことか」と。苦笑

では早速問題を見ていきましょう。

最初の問題は、出向に関する論点です。

出向しても出向前と後で1日の空白もなければ高年齢雇用継続給付の適用を受けられるのでしょうか。

 

出向しても1日の空白もなければ高年齢雇用継続給付は大丈夫?

(平成27年問5A)

60歳に達したことを理由に離職した者が、関連会社への出向により1日の空白もなく被保険者資格を取得した場合、他の要件を満たす限り、高年齢雇用継続基本給付金の支給対象となる

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

業務取扱要領「59352(2)在籍出向に係る取扱い」には、こう記載されています。

「ロ 当該在籍出向により主たる賃金の支払いが出向先事業主に移った場合は、当該被保険者資格を喪失した後 1 日の空白もなく被保険者資格を取得した場合には出向先事業主の下で高年齢雇用継続給付の支給対象となり得る。」

ちなみに、在籍出向だけでなく、移籍出向の場合も同様である旨がこの後書かれています。

なので、60歳の定年を機に再雇用で出向という形になっても高年齢雇用継続基本給付金の対象になり得るということですね。

この業務取扱要領は下にリンクを貼っておきますのでご興味のある方はご自由にご参考になさってくださいね。

78ページに記載があります。

 

参考記事:業務取扱要領 雇用継続給付関係

 

次の問題は、算定基礎期間に相当する期間が60歳の時点で5年未満だったときの高年齢雇用継続基本給付金の取扱です。

被保険者だった期間が5年未満の場合はどうなるのでしょうか。

 

60歳の時点で被保険者であった期間が5年未満だったら、、、

(平成22年問6A)

60歳に達した時点では被保険者であった期間が5年未満であった者が、その後も継続雇用され、被保険者であった期間が5年に達した場合、高年齢雇用継続基本給付金は、他の要件がみたされる限り、当該被保険者が60歳に達した日の属する月に遡って支給される。

 

解説

解答:誤

雇用が継続されて、被保険者であった期間が5年に達したときは、「60歳に達した日の属する月に遡って支給」されるのではなく、「被保険者であった期間が5年に達した月以後支給されることになります。

たとえば、62歳になって算定基礎期間に相当する期間が5年になったとすると、それ以後から65歳に達する月まで高年齢雇用継続基本給付金が支給されることになります。

では、高年齢雇用継続基本給付金の支給額について見てみましょう。

下の問題は一番素直な問題になっています。

 

高年齢雇用継続基本給付金の額はどうやって決まる? その1

(平成27年問5E)

高年齢雇用継続基本給付金の額は、一支給対象月について、賃金額が雇用保険法第61条第1項に規定するみなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の61に相当する額未満であるとき、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えない限り、100分の15となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、高年齢雇用継続基本給付金の額は、

  • 賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の61未満のとき → 実際に支払われた賃金 × 15/100
  • 賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の75以上であるとき →  不支給

となっていて、61/100以上75/100未満の場合は所定の率で支給額が決まる仕組みになっています。

では高年齢雇用継続基本給付金の支給額についてもう一問見ておきましょう。

少し数字が変わっているだけで論点の大筋は変わっていないので大丈夫です。

 

高年齢雇用継続基本給付金の額はどうやって決まる? その2

(平成22年問6C)

高年齢雇用継続基本給付金に関し、ある支給対象月に支払われた賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の50に相当する場合、同月における給付金の額は、当該賃金の額に100分の15を乗じて得た額(ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額。)となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の61未満なので、高年齢雇用継続基本給付金の額は、「実際に支払われた賃金 × 15/100」ということになります。

さて、最後に、高年齢再就職給付金の支給要件を確認しましょう。

高年齢再就職給付金は、離職日における算定基礎期間が5年以上あって、なおかつ基本手当の支給を受けたことがあることが要件になっています。

しかし、問題文のケースではどうなるのでしょう。

 

高年齢再就職給付金は傷病手当の受給でも要件を満たすのか?

(平成27年問5D)

受給資格者が当該受給資格に基づく基本手当を受けたことがなくても、傷病手当を受けたことがあれば、高年齢再就職給付金を受給することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

基本的に、傷病手当を受給すると、その分、基本手当が支給されたものとみなされるので、基本手当そのものを受給したことがなくても、傷病手当を受けていれば高年齢再就職給付金を受け取れる可能性があります。

 

今回のポイント

  • 在籍出向をしても、被保険者資格を喪失した後 1 日の空白もなく被保険者資格を取得した場合には、出向先事業主の下で高年齢雇用継続給付の支給対象となり得ます。
  • 60歳の時点で被保険者だった期間が5年未満だったとしても、雇用が継続されて、被保険者であった期間が5年に達したときは、「被保険者であった期間が5年に達した月以後」高年齢雇用継続基本給付金が支給されることになります。
  • 高年齢雇用継続基本給付金の額は、
    • 賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の61未満のとき → 実際に支払われた賃金 × 15/100
    • 賃金の額が、みなし賃金日額に30を乗じて得た額の100分の75以上であるとき →  不支給

    となっています。

  • 高年齢再就職給付金は、離職日における算定基礎期間が5年以上あって、なおかつ基本手当の支給を受けたことがあることが要件になっていますが、基本手当を受けていなくても傷病手当を受けていれば大丈夫です。

 

各科目の勉強法の記事をまとめました

労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください

リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」

 

科目ごとにまとめて記事を見ることができます!

スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。

もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。

ぜひご活用ください!

関連記事

  1. 「国民年金法 うっかりスルーしてしまいがちな目的や権限の内容とは」過去…

  2. 社労士試験勉強法 過去問攻略!「健康保険法 健康保険組合が合併・分割す…

  3. 「雇用保険法 これを読めばわかる!基本手当の日額への対応」過去問・雇-…

  4. 社労士試験勉強法 過去問攻略!「雇用保険法 時効や罰則について覚えるべ…

  5. 「厚生年金法 被保険者に関する規定の基本のき」過去問・厚-25

  6. 「労災保険法 頑張らなくても分かる療養(補償)給付の仕組み」過去問・労…

  7. 「国民年金法 一度は読んでおくべき遺族基礎年金の支給要件ハンドブック」…

  8. 社労士試験勉強法 過去問攻略!「雇用保険法 技能習得手当と傷病手当の要…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。