今回は、休憩と休日について見ていきたいと思います。
労基法では、労働時間や賃金について色々と規定されていますが、
休憩や休日について理解をしておくことが、労働時間の把握にもつながりますので大切な項目と言えるでしょう。
ということで、休憩や休日の定義や運用について一つ一つ確認していきますね。
それでは最初の問題を見ていきましょう。
1問目は、休憩時間の定義について問われています。
休憩とはどのような状態のことを指すのか確認していきますね。
休憩時間の定義とは
(平成26年問5E)
労働基準法第34条に定める「休憩時間」とは、単に作業に従事しないいわゆる手待時間は含まず、労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間をいう。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労基法でいうところの休憩時間は、使用者の指揮命令が及ばず、労働者が自由に使える時間のことを指します。
なので、問題文にあるように、何かあったら対応しなければならないような手待時間は休憩時間には含まれません。
たとえば、お昼の休憩時間に来客対応や電話対応をするように指示が出ている場合は、休憩時間にはあたらず労働時間ということになります。
で、休憩時間は労働者に対して一斉に与えるのが原則になっています。
そうでないと、仕事をしている人の隣で休憩を取るのも気を遣いますからね。
しかし、仕事の内容によっては、この休憩の一斉付与がなじまないこともあります。
そんな場合は、一定の手続きを踏めば適用除外にすることができます。
それはどのような手続きなのか次の問題を見てみましょう。
休憩の一斉付与を適用除外にするためには
(平成29年問1C)
労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働基準監督署長の許可を受けた場合に限り、一斉に与えなくてもよい。
解説
解答:誤り
休憩時間の一斉付与を適用除外にする手続きは、労基署長の許可ではなく、労使協定の締結です。
また、運輸交通業や商業、保健衛生業など所定の業種については、もともと休憩時間の一斉付与の対象外となっていますので、合わせて押さえておきましょう。
さて、先ほども述べたように、休憩時間は、手待ち時間などは含まず、自由に利用させなければなりません。
ただ、「自由」と言っても何をしてもいいというわけではなさそうです。
それは一体どういうことなのか次の問題で確認しましょう。
休憩時間は自由にしていい??
(平成28年問4E)
労働基準法第34条に定める休憩時間は、労働者が自由に利用することが認められているが、休憩時間中に企業施設内でビラ配布を行うことについて、就業規則で施設の管理責任者の事前の許可を受けなければならない旨を定めることは、使用者の企業施設管理権の行使として認められる範囲内の合理的な制約であるとするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
たしかに休憩時間では、労働者に対して自由に利用させなければなりませんが、企業の運営に支障を与えるようでは筋が違いますね。
たとえば、問題文のようにビラを配布したり、政治活動を行うようなことが挙げられますが、
企業内の秩序を守るために休憩の自由利用については一定の制約を加えることは致し方ないと言えますね。
では、次は休日の方を見ていきましょう。
労基法では、休日は「毎週少なくとも1回」の休日を与えることを規定しています。(法35条)
毎週1回の休日が原則なのですが、4週間を通じて4日以上の休日を与えるというやり方も認められています。
この4週4日の休日とはどのような考え方なのか次の問題を見てみましょう。
休日の与え方のルール
(平成23年問4B)
使用者が、労働者に対して、4週間を通じ4日以上の休日を与え、その4週間の起算日を就業規則その他これに準じるものにおいて明らかにしているときには、当該労働者に、毎週少なくとも1回の休日を与えなくても、労働基準法第35条違反とはならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
4週間を通じて4日以上の休日を与える場合は、4週間のスタートとなる起算日を決めた上で、
その4週の中で4日以上の休日を与えればいいので、1週間に1回の休日がなくても良い仕組みになっています。
ただ、使用者が一方的に運用したのでは、労働者にはどんなサイクルで4週間が適用されているのか分からないので、
4週4日の休日を採用するときには就業規則などで4週間の起算日を明確にして労働者に周知しておく必要があります。
では最後に、休日とはそもそも時間帯で見たときに何時から何時までが休日になるのか確認しておきましょう。
今のご時世、働き方はさまざまですから休日についての考え方も変わってきそうですよね。
休日とは何時から何時までのこと?
(平成24年問5C)
労働基準法第35条に定める休日は、原則として暦日を意味するものと解されており、例えば、午前8時から翌日の午前8時までの労働と、同じく午前8時から翌日の午前8時までの非番とを繰り返す一昼夜交代勤務の場合に、非番の継続24時間の間労働義務がないとしても、同条の休日を与えたものとは認められない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労基法でいうところの休日は、午前0時から午後12時までの暦日での休業となっています。
なので、問題文のように24時間勤務の仕事の場合、勤務明けの午前8時から休日にするね、ということができず、午前0時から24時間として休日を与える必要があります。
ただし、8時間の3交代制で番方編成による場合は継続24時間の休日を与えることも認められています。
今回のポイント
- 労基法でいうところの休憩時間は、使用者の指揮命令が及ばず、労働者が自由に使える時間のことを指しますので、手待時間は休憩時間には含まれません。
- 休憩時間の一斉付与を適用除外にする手続きは、労使協定の締結となります。
- 休憩時間では、労働者に対して自由に利用させなければなりませんが、企業内の秩序を守るために一定の制約を加えることも認められています。
- 4週間を通じて4日以上の休日を与える場合は、4週間のスタートとなる起算日を決めた上で、その4週の中で4日以上の休日を与えればいいので、1週間に1回の休日がなくても大丈夫です。
- 労基法上の休日は、午前0時から午後12時までの暦日での休業となっています。
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