離職をして、基本手当を受けるためには、自分が住んでいるところを管轄するハローワークに行って手続きをする必要があります。
そこで「求職の申込み」をして「雇用保険被保険者離職票」を提出し、受給資格の決定を受けるのです。
受給資格があると認められると、「失業の認定日」が決まり、「雇用保険受給資格者証」がハローワークから交付されるのです。
でも、それだけでは基本手当をもらうことはできません。
というのも、基本手当は再就職をするまでの生活費なわけですから、ハローワークに「仕事を紹介してください」という手続きを「失業の認定日」にする必要があるのです。
では、その手続きとはどのように行い、社労士試験ではどのように問われているのか見ていきましょう。
受給資格者が失業の認定日に提出する書類は?
(平成25年問2ア)
受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、失業の認定日に、管轄公共職業安定所に出頭し、正当な理由がある場合を除き離職票に所定の書類を添えて提出した上、職業の紹介を求めなければならない。
解説
解答:誤
写真に答えがありますが、、、笑
「離職票」ではなく「失業認定申告書」ですね。
受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、失業の認定日に、管轄公共職業安定所に出頭し、失業認定申告書に受給資格者証を添えて提出した上、職業の紹介を求めなければなりません。
ちなみに、基本的にはこの手続きは本人がする必要があり、代理人による失業の認定はできません。
(訓練施設に入所中の場合や、未支給の失業等給付にかかるものの場合は代理人でもOKです)
では、失業の認定はどのくらいのスパンでするのでしょうか。
次の過去問で確認しましょう。
失業の認定のスパンは?
(平成28年問3エ)
公共職業安定所長の指示した雇用保険法第15条第3項に定める公共職業訓練等を受ける受給資格者に係る失業の認定は、4週間に1回ずつ直前の28日の各日(既に失業の認定の対象となった日を除く。)について行われる。
解説
解答:誤
一般的な受給資格者の失業の認定は、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について行うのですが、
公共職業訓練等を受ける受給資格者に係る失業の認定の場合は、「4週間に1回ずつ直前の28日の各日」ではなく、「1月に1回、直前の月に属する各日」となります。
ですので、論点が差し替えられて出題されているパターンですね。
ザーッと問題文を読んでいると引っかかってしまう可能性がありますので、本試験では焦らず判断するようにしましょう。
さて、こうして仕事を探しながら失業の認定が行われていくわけですが、やむを得ない事情ができて失業の認定日に出頭できない日も当然出てくる可能性があります。
そんな時に行う手続きが次の問題の論点です。
失業の認定日を変えることはできますか、、、?
(令和元年問3C)
職業に就くためその他やむを得ない理由のため失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができない者は、管轄公共職業安定所長に対し、失業の認定日の変更を申し出ることができる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
それはそうですよね。
どうしても来られないというのであればハローワークでも柔軟に対応してくれるわけです。
でも、
「その日はパチンコ店がオープンする日なんで行けません」
なんて理由ではダメなわけです。
一概に「やむを得ない理由」と言っても一応の基準があるようです。
次の問題は事例問題になっていますが確認してみましょう。
その日は息子の入学式があって行けないんですが大丈夫ですか?
(平成28年問3ウ)
中学生以下の子弟の入学式又は卒業式等へ出席するため失業の認定日に管轄公共職業安定所に出頭することができない受給資格者は、原則として事前に申し出ることにより認定日の変更の取扱いを受けることができる。
解説
解答:正
問題文の場合は、原則として事前に申し出ることで「認定日の変更」の取扱いを受けることができます。
これは、行政手引に出ているのですが、一部ご紹介しますね。
行政手引51351
- 就職する場合(安定所の紹介によると否とを問わない)
- 安定所の紹介によらないで求人者に面接する場合
- 各種国家試験、検定等の資格試験を受験する場合
- 受給資格者本人の婚姻の場合、親族の婚姻のための儀式に出席する場合
- 中学生以下の子弟の入学式又は卒業式等への出席
- 選挙権その他公民としての権利を行使する場合
などです。
詳しくお知りになりたい場合はリンクを貼っておきますので参考になさってくださいね。
でも、事前に失業の認定日を変更できる場合はいいのですが、天災が起きた場合や、病気になってしまった時は失業の認定日そのものをすっ飛ばしてしまう可能性もあります。
そんな場合でも失業の認定を受けるにはどうすればいいのでしょうか?
失業の認定日に出頭できなかった時は?
(令和元年問3D)
受給資格者が天災その他やむを得ない理由により公共職業安定所に出頭することができなかったときは、その理由がなくなった最初の失業の認定日に出頭することができなかった理由を記載した証明書を提出した場合、当該証明書に記載された期間内に存在した認定日において認定すべき期間をも含めて、失業の認定を行うことができる。
解説
解答:正
問題文の場合は、失業の認定をしてもらうことができます。
これはいわゆる「証明書による失業の認定」で、先ほどの「失業の認定日の変更」とは区別して理解しておきましょうね。
「証明書による失業の認定」は、やむを得ない理由で失業の認定日に出頭できなかった場合の手続きです。
失業の認定日をすっ飛ばしてしまったので、本来は認定日までの基本手当をもらうことができないのですが、証明書を提出することで基本手当の支給を受けることができます。
その「やむを得ない理由」というのはどんな理由なんでしょうか。
- 疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができなかつた場合において、その期間が継続して15日未満であるとき。
- 公共職業安定所の紹介に応じて求人者に面接するために公共職業安定所に出頭することができなかつたとき。
- 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために公共職業安定所に出頭することができなかつたとき。
- 天災その他やむを得ない理由のために公共職業安定所に出頭することができなかつたとき。 (法15条4項)
となっています。
ちなみに、「疾病又は負傷」が、継続して15日「以上」になった場合は、基本手当ではなく、「傷病手当」の支給要件に入ってきます。
今回のポイント
- 受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、失業の認定日に、管轄公共職業安定所に出頭し、失業認定申告書に受給資格者証を添えて提出した上、職業の紹介を求めなければなりません。
- 一般的な受給資格者の失業の認定は、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して4週間に1回ずつ直前の28日の各日について行います。
- 公共職業訓練等を受ける受給資格者に係る失業の認定の場合は、「4週間に1回ずつ直前の28日の各日」ではなく、「1月に1回、直前の月に属する各日」となります。
- 就職をする場合、資格試験を受ける場合や中学生以下の子弟の入学式又は卒業式等へ出席する時は事前に申し出ることで「認定日の変更」の取扱いを受けることができます。
- 「証明書による失業の認定」は、やむを得ない理由で失業の認定日に出頭できなかった場合の手続きで、証明書を提出することで基本手当の支給を受けることができます。
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