社労士試験 独学合格法 過去問を徹底解説!「健康保険法 今さら聞けない任意適用事業所についてのルール」健保-26

適用事業所の見分け方って迷うことありませんか?

適用事業所には、強制適用事業所と任意適用事業所があるわけですが、私は、任意適用事業所でいつもつまづいていました。

たとえば、

個人事業のレストランで従業員が15人いるときはどうなる?

みたいな。

これは接客娯楽業になるので、常時5人以上であっても法人でない限り強制適用事業所にはならないですよね。

これを克服するのに結構時間がかかりました。苦笑

というわけで、今回は適用事業所についての過去問を集めてみました。

最初の過去問は、強制適用事業所と任意適用事業所の定義について再確認です。

 

任意適用事業所になるための同意はどれくらい必要?

(平成22年問7C)

適用事業所には強制適用事業所と任意適用事業所があり、前者は法定16業種の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの、もしくは国、地方公共団体または法人の事業所であって、常時従業員を使用するものである。後者については、適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができ、認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者となるべき者に限る。)の3分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。

 

解説

解答:誤

最後の方にある「3分の1以上の同意」を得るのではなく、「2分の1以上の同意」を得るのが正しいです。

規定では以下のようにルールづけされています。

法31条
1 適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。
2 前項の認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(被保険者となるべき者に限る。)の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。

さて、問題文に「法定16業種の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの」と書いてありますね。

これは強制適用事業所の定義ですが、「常時5人以上」のカウントの仕方についてルールはあるのでしょうか。

次の過去問で確認しましょう。

 

「常時5人以上」の数え方って??

(平成24年問2C)

健康保険法では常時5人以上の従業員を使用している事業所を適用事業所としているが、事業所における従業員の員数の算定においては、当該事業所に常時雇用されている者であっても、適用除外の規定によって被保険者とすることができない者は除かれる。

 

解説

解答:誤

「除かれる」のではなく、「除かれない」となります。

どういうことかというと、事業所における従業員の人数をカウントするとき、つまり「常時5人以上」には、その事業所に常時使用されるすべての者が含まれるので

適用除外の規定によって被保険者とすることができない者もカウントされることになります。

健康保険の被保険者に該当しない人でも、たとえば週に1回程度しかこないアルバイトの人であっても、

常時使用されているのであれば、「常時5人以上」の中に入る、ということですね。

ところで、商売を続けていると、従業員の数にも当然変動はありますよね。

先ほど述べた「常時5人以上」の要件を満たさなくなったときはどうなるのでしょう。

次の過去問で確認しましょう。

 

強制適用事業所の要件に該当しなくなったら?

(平成27年問5A)

強制適用事業所が、健康保険法第3条第3項各号に定める強制適用事業所の要件に該当しなくなったとき、被保険者の2分の1以上が希望した場合には、事業主は厚生労働大臣に任意適用事業所の認可を申請しなければならない。

 

解説

解答:誤

「申請しなければならない」わけではありません。

つまり、適用事業所が、適用事業所の要件に該当しなくなったときは、その事業所については任意適用の認可があったものとみなされます。

これを「擬制任意適用と言います。

なので、従業員の数が減って、適用事業所の要件に該当しなくなった場合、手続きをしなくても、任意適用の認可があったものとみなされるのです。

これは、「保険料を取りっぱぐれない」ための策と言えますね。

手続きをしないと任意適用事業所にならない、ということは、言い換えると、手続きをしないでおくと適用事業所から外れてしまい、保険料の徴収ができなくなりますよね。

事業主も忙しいですから、手続きをするのにも時間がかかったり、忘れてしまうことも十分に考えられます。

なので、「手続きをしなくても任意適用事業所にしとくよ」というふうにしてるわけですね。

では、意識的に任意適用事業所から外れたい場合のルールを見ておきましょう。

 

任意適用事業所でなくしたい時の規定は?

(平成26年問3D)

任意適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所でなくすることができる。事業主がこの申請を行うときは、健康保険任意適用取消申請書に、被保険者の3分の2以上の同意を得たことを証する書類を添付しなければならない。

 

解説

解答:誤

「3分の2以上の同意」ではなく、「4分の3以上の同意」が必要です。

ここでのポイントは、任意適用事業所でなくしたいときは、被保険者の「4分の3以上の同意」と、厚生労働大臣の認可」が必要ということです。

しかも、これは事業主が任意適用事業所でなくする場合の規定に見えますね。

もし、被保険者側が健康保険から外して欲しいと希望があった場合はどうなるんでしょうね。

事業主はそれに応じる義務はあるのでしょうか??

 

ボス、もう健康保険から抜けたいですが、、、

(平成28年問1イ)

任意適用事業所に使用される者(被保険者である者に限る。)の4分の3以上が事業主に対して任意適用取消しの申請を求めた場合には、事業主は当該申請を厚生労働大臣に対して行わなければならない。

 

解説

解答:誤

被保険者の4分の3以上が希望した場合でも、事業主は任意適用取消しの手続きをする義務はありません。

実際に任意適用の取り消しの手続きををするときは、事業主は、被保険者の4分の3以上の同意を得る必要がありますが、4分の3以上の従業員が希望したからといって、取消しの申請をしないといけないわけではありません。

 

今回のポイント

  • 任意適用事業所の認可を受けようとするときは、事業所の事業主は、被保険者の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければなりません。
  • 事業所における従業員の人数をカウントするとき、つまり「常時5人以上」には、その事業所に常時使用されるすべての者が含まれるので適用除外の規定によって被保険者とすることができない者もカウントされることになります。
  • 適用事業所が、適用事業所の要件に該当しなくなったときは、その事業所については任意適用の認可があったものとみなされます。
  • 任意適用事業所でなくしたいときは、被保険者の「4分の3以上の同意」と、「厚生労働大臣の認可」が必要ということです。
  • ただ、被保険者の4分の3以上が希望した場合でも、事業主は任意適用取消しの手続きをする義務はありません。

 

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