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社労士試験勉強法 過去問攻略!「労基法 労働者になるかどうかの判断基準は?」 労基-21

労働基準法を従業員の人に当てはめる場合、そもそもその人が「労働者」に当たるのかどうかが重要になってきます。

社労士試験においても形を変えて何度も出題されています。

このブログでも以前取り上げたことがあるくらい大事な部分になります。

前回の記事はこちら ↓

社労士勉強法 過去問攻略!「労基法 労働者の見分け方?」 労基-3

 

今回はその第二弾となります。

では早速、過去問を見ていくことにしましょう。

 

同居の親族は、どうあっても労働者にならない??

(平成29年問2ウ)

同居の親族は、事業主と居住及び生計を一にするものとされ、その就労の実態にかかわらず労働基準法第9条の労働者に該当することがないので、当該同居の親族に労働基準法が適用されることはない。

 

解説

解答:誤

「その就労の実態にかかわらず労働基準法第9条の労働者に該当することがない」というところが誤りです。

同居の親族については、原則は労働者にはなりません。

ですが、同居の親族でも、

  • 常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において一般事務又は現場作業等に従事し、
  •  業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確である
  •  就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われている

場合は、労働基準法上の労働者になります。

そこまで他の従業員の人と条件が同じなら、親族の人でも労働者として守ってあげないとかわいそうですよね。

次は、請負契約の場合に、労働者となる可能性の有無についての過去問を見てみましょう。

 

請負の場合は労働者にはならない??

(平成27年問1E)

形式上は請負契約のようなかたちをとっていても、その実体において使用従属関係が認められるときは、当該関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法第9条の「労働者」に当たる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働基準法上の労働者にあたるかどうかは、見た目の形式ではなく、実体として判断したときに「使用従属関係」が認められる場合は、「労働者」にあたります。

これは、残業代の支払いを免れるために、形式上は請負契約にしておく、なんてことを防ぐために、あくまでも実体を見て判断するようになっています。

下記の過去問は、その発展形になっていますのでチェックしておきましょう。

 

大工は労働者にはならない??

(平成29年問2オ)

工場が建物修理の為に大工を雇う場合、そのような工事は一般に請負契約によることが多く、また当該工事における労働は工場の事業本来の目的の為のものでもないから、当該大工が労働基準法第9条の労働者に該当することはなく、労働基準法が適用されることはない。

 

解説

解答:誤

「労働基準法が適用されることはない。」の部分が誤りです。

通常、大工さんに建物の修理をしてもらうときは、1日8時間働いてもらうのが目的ではなく、修理を完成させるのが本来の目的ですよね。

なので、大工さんと契約するときは、請負契約になることが多い、という部分は正しいです。

ですが、事業主と大工さんとの契約が、雇用契約になっていて、使用従属関係が認められる場合は、労働基準法上の労働者になります。

たとえば、建物の屋根だけ直して欲しい、なんていう場合は請負契約で大丈夫だと思いますが、あっちこっち直すところがある場合や管理をして欲しい時は、専属でいてもらった方が便利なこともありますよね

そんな時は雇用契約を結んで、大工さんには常時工場で働いてもらうということも十分あるわけですね。

実際に、「修繕部」、「保全部」なんて部署もあったりする企業もありますからね。

 

今回のポイント

同居の親族でも、

  • 常時同居の親族以外の労働者を使用する事業において一般事務又は現場作業等に従事し、
  •  業務を行うにつき、事業主の指揮命令に従っていることが明確である
  •  就労の実態が当該事業場における他の労働者と同様であり、賃金もこれに応じて支払われている

場合は、労働基準法上の労働者になります。

請負契約の場合でも、労働基準法上の労働者にあたるかどうかは、見た目の形式ではなく、実体として判断したときに「使用従属関係」が認められる場合は、「労働者」にあたります。

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