このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労災保険法より「保険給付にかかる事業主の役割」について見てみようと思います。
労災保険の保険給付の申請をするのは労働者ですが、
事業主はどのように関わるのかを過去問を読みながら確認しましょう。
労働者が自分で保険給付の請求ができない場合、事業主は、、、?
(令和元年問2ウ)
保険給付を受けるべき者が、事故のため、自ら保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合でも、事業主は、その手続を行うことができるよう助力する義務はない。
解説
解答:誤り
保険給付を受けるべき者が、保険給付の請求の手続きを行うことが困難な場合、
事業主は、手続きを行えるよう「助力」しなければなりません。
たとえば、保険給付の請求をしようにも入院していて手続きができないようなときに
事業主が手伝うようなイメージですね。
また、保険給付の請求をする際には、事業主の証明欄があったりします。
では、事業主が証明をする期限はあるのでしょうか。
下の問題文を読んでみましょう。
保険給付にかかる事業主の証明期限
(平成27年問2D)
事業主は、療養補償給付たる療養の給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、30日以内に証明しなければならない旨、厚生労働省令で規定されている。
解説
解答:誤り
事業主は、保険給付を受けるべき者から、保険給付を受けるために必要な証明を求められた場合、
30日以内ではなく「すみやかに」証明をする必要があります。
とはいっても、事業主の視点に立った場合、証明をするにしても
たとえば全面的に業務災害であると認めたくない場合もあるかもしれません。
そのような場合、事業主から行政に意見を述べることはできるのでしょうか?
保険給付について事業主が物申すことはできる?
(令和元年問2オ)
事業主は、当該事業主の事業に係る業務災害、複数業務要因災害又は通勤災害に関する保険給付の請求について、所轄労働基準監督署長に意見を申し出ることはできない。(問題文を一部補正しています)
解説
解答:誤り
事業主は、業務災害等に関する保険給付の請求について、
所轄労働基準監督署長に意見を申し出ることはできます。
たとえば、精神疾患になった労働者が業務災害の労災申請を
したときに、事業主側から反論をしたいようなケースが考えられますね。
今回のポイント
- 保険給付を受けるべき者が、保険給付の請求の手続きを行うことが困難な場合、事業主は、手続きを行えるよう「助力」しなければなりません。
- 事業主は、保険給付を受けるべき者から、保険給付を受けるために必要な証明を求められた場合、「すみやかに」証明をする必要があります。
- 事業主は、業務災害等に関する保険給付の請求について、所轄労働基準監督署長に意見を申し出ることはできます。
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