このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労基法の「適用」について見てみたいと思います。
労基法第9条では、「労働者とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」のことを指します。
ですが、現実的にははっきりと白黒つけられないものもあったりしますので、
どういう基準で労働者かどうかを判断するのか、過去問を読んで確認しましょう。
取締役でも労働者に該当することがある?
(平成29年問2エ)
株式会社の取締役であっても業務執行権又は代表権を持たない者は、工場長、部長等の職にあって賃金を受ける場合には、その限りにおいて労働基準法第9条に規定する労働者として労働基準法の適用を受ける。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
法人の重役だったとしても、工場長などの職務に就いていて「賃金」を受ける場合は、その限りでは労基法上の労働者となります。
なので、役職名だけで判断せず実態で判断されるということですね。
では次に請負契約で働いている人でも労働者になることがあるのかどうかについて見てみましょう。
通常、請負契約というのは、使用者の指揮命令を受けずに完成させた仕事に対して報酬を受け取る形式なので、
労基法でいうところの労働者にはならないのですが、労働者と判断されることがあるのでしょうか。
請負契約でも労働者になることがあるのか
(平成27年問1E)
形式上は請負契約のようなかたちをとっていても、その実体において使用従属関係が認められるときは、当該関係は労働関係であり、当該請負人は労働基準法第9条の「労働者」に当たる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
契約書上では請負契約となっていても、現実では使用者と働く人との間に使用従属関係がある場合は、労働者と判断されることがあります。
ですので、こちらについても上辺だけで判断せず、実態を見るということになりますね。
では最後に、研修医をテーマにした過去問を読んでみましょう。
研修医は、文字どおり研修を受けている人なので、労働者と判断されることは通常はないのですが、
ある要因があれば労基法上の労働者となるようですので確認しましょう。
研修医が労働者と判断される要因
(平成29年問5オ)
医科大学附属病院に勤務する研修医が、医師の資質の向上を図ることを目的とする臨床研修のプログラムに従い、臨床研修指導医の指導の下に医療行為等に従事することは、教育的な側面を強く有するものであるため、研修医は労働基準法第9条所定の労働者に当たることはないとするのが、最高裁判所の判例の趣旨である。
解説
解答:誤り
研修医でも、病院の経営側の指揮監督の下で医療行為に従事するときは、教育的な側面は否定され、労基法上の労働者と判断されることがあります。
つまり、研修医でも、使用者の指揮命令下で事業場の売上に貢献しているのであれば労働者と判断されることがあるということですね。
これは、研修医だけでなく、学生の一般的なインターンも同じことが言えますね。
今回のポイント
- 法人の重役だったとしても、工場長などの職務に就いていて「賃金」を受ける場合は、その限りでは労基法上の労働者となります。
- 契約書上では請負契約となっていても、現実では使用者と働く人との間に使用従属関係がある場合は、労働者と判断されることがあります。
- 研修医でも、病院の経営側の指揮監督の下で医療行為に従事するときは、教育的な側面は否定され、労基法上の労働者と判断されることがあります。
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