【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労基法 賃金の支払い」過去問・労基-102

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なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は、労働基準法の「賃金の支払い」について見てみたいと思います。

賃金は、労働者にとって一番大切な労働条件の一つで、働いた分の賃金を確実に労働者に支払われるよう、「賃金支払の5原則」が規定されています。

今日は、この中から、通貨払の原則、直接払の原則、全額払の原則を取り上げた過去問を見ていきたいと思いますので、読んでみましょう。

 

通貨払の原則と銀行振込による支払い

(平成28年問3A)

使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について当該労働者が指定する銀行口座への振込みによることができるが、「指定」とは、労働者が賃金の振込み対象として銀行その他の金融機関に対する当該労働者本人名義の預貯金口座を指定するとの意味であって、この指定が行われれば同意が特段の事情のない限り得られているものと解されている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

使用者は、賃金を支払う際には、通貨で労働者に支払う必要があり、それは言い換えると現金で手渡しで支給するのが原則です。

ですが、労働者が、賃金の支払先として労働者本人名義の預貯金口座を指定すれば、労働者の同意を得られたとして通貨払の原則に反するものではありません。

ただ、現実的には、使用者が振込手数料を節約するために、銀行名を指定して口座を作らせるといったこともあるようで、その際は通貨払いの原則に厳密にあてはめるとどうなるのか興味があるところですね。

では次に、「直接払の原則」について見てみましょう。

直接払の原則では、使用者は、賃金を労働者本人以外の者に支払うことを禁止していますが、下の過去問のようなケースではどうでしょうか。。。

 

直接払の原則に例外はない??

(平成27年問4A)

労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる賃金直接払の原則は、例外のない原則であり、行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除のうえ当該行政官庁に納付することも、同条違反となる。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合は、24条違反にはなりません。

行政官庁が法律に則って行った差押処分に対して、使用者が労働者の賃金を控除して行政官庁に納付することは直接払の原則に違反しません。

ちなみに、使用者が労働者の「使者」に対して賃金を支払うことも直接払の原則には違反しません。

では最後に、「全額払の原則」と「相殺」について確認しましょう。

たとえば、使用者が労働者に支払う賃金の金額を間違えて多めに支払った場合、その後の賃金支払日に調整して相殺したくなるものですが、

全額払の原則の趣旨は、労働者の生活を支える大切な賃金を確実に受領させることにありますので、

相殺をするにも、労働者を守るために気をつけなければならない点があるようです。

それはどういうことなのか、下の過去問を読んでみましょう。

 

全額払の原則の範囲内で賃金を相殺する方法

(令和3年問3エ)

労働基準法第24条第1項の禁止するところではないと解するのが相当と解される「許さるべき相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならない」とするのが、最高裁判所の判例である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

賃金の相殺をするためには、賃金の「過払いがあった時期」と「精算をする時期」が近い時期になされたり、相殺をすることをあらかじめ労働者に予告をするなど、労働者の経済生活の安定を脅かさないことが大切だということですね。

なので、賃金の過払いがあって、何か月も後に、何の予告もなく賃金の相殺を行うことは、労働者の経済生活が脅かされる危険性があるということで、全額払の原則に反する可能性が出てくることになりますね。

 

今回のポイント

  • 労働者が、賃金の支払先として労働者本人名義の預貯金口座を指定すれば、労働者の同意を得られたとして通貨払の原則に反するものではありません。
  • 行政官庁が法律に則って行った差押処分に対して、使用者が労働者の賃金を控除して行政官庁に納付することは直接払の原則に違反しません。
  • 賃金の相殺をするためには、賃金の「過払いがあった時期」と「精算をする時期」が近い時期になされたり、相殺をすることをあらかじめ労働者に予告をするなど、労働者の経済生活の安定を脅かさないことが大切だということですね。

 

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