普段の生活で、病院や薬局に行けば、普通に健康保険が使えるものと勝手に思ってしまっていませんか?
(わたしは無意識にそう思い込んでいるところがあります。汗)
しかし、病院や薬局も保険診療を行うには、厚生労働大臣の指定を受けなければなりません。
これはお医者さんも一緒で、保険医になるためには登録が必要です。
社労士試験でも何度も出題されているので、指定要件などを押さえておかなければなりません。
今回は、保険医療機関や保険薬局の指定に関する過去問をチェックしていくことにしましょう。
し、諮問?
(平成29年問5E)
厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
ちなみに「諮問」とは、有識者や一定機関に“意見を求める“ことです。
指定や登録の権限は厚生労働大臣にあり、地方社会保険医療協議会には意見を聞くだけ、ということですね。
厚生労働大臣が地方の保険医療機関のことなど知りませんから、現地の協議会に聞くのが自然ですよね。
では、保険医療機関や保険薬局の方が指定をお断りする場合はどうなるんでしょう。
その指定、謹んで辞退申し上げます!
(平成25年問8D)
保険医療機関又は保険薬局は、1か月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
指定を辞退する、ってどんな理由があるんですかね?
保険診療から自由診療になったら、診察代が高くなりますから、患者さんが来てくれるかどうか分からないですし、よっぽど何かの理由があるんでしょうね。
ちなみに、保険医又は保険薬剤師は、1月以上の予告期間を設けて、その登録の抹消を求めることができることになっています。
それでは、指定には有効期限みたいなのはあるんですかね?
次の過去問を見てみましょう。
指定はいつまで有効なんですか?
(平成29年問3E)
保険医療機関又は保険薬局の指定は、病院若しくは診療所又は薬局の開設者の申請により、厚生労働大臣が行い、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失う。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
ちなみに、保険医療機関(病院及び病床のある診療所を除く。)又は保険薬局であって厚生労働省令で定めるものについては、その指定の効力を失う日前6月から同日前3月までの間に、別段の申出がないときは、指定の申請があったものとみなされます。
つまり、一定の要件を満たせば自動更新になるってことですね。
では最後に、指定の取消があったときの再指定についての要件をチェックしましょう。
いつになったら再指定してくれるんですか?
(平成26年問2B)
保険医療機関又は保険薬局の指定の取消が行われた場合には、原則として、取消後5年間は再指定を行わないこととされている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
5年って結構長いですね。
指定を取り消されるということは、よっぽどのことをしちゃったんでしょうね。。
今回のポイント
- 厚生労働大臣は、保険医療機関若しくは保険薬局の指定を行おうとするとき、若しくはその指定を取り消そうとするとき、又は保険医若しくは保険薬剤師の登録を取り消そうとするときは、政令で定めるところにより、地方社会保険医療協議会に諮問するものとされています。
- 保険医療機関又は保険薬局は、1か月以上の予告期間を設けて、その指定を辞退することができる。
- 保険医療機関又は保険薬局の指定は、指定の日から起算して6年を経過したときは、その効力を失う。
- 保険医療機関又は保険薬局の指定の取消が行われた場合には、原則として、取消後5年間は再指定を行わないこととされています。
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