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【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 安衛法 事業者等の責務」過去問・安衛-54

このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。

なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は、安衛法から「事業者等の責務」について見ていきたいと思います。

安衛法では、労働災害を防止するために、事業主だけでなく、色々な立場の人についても規定しています。

もちろん、労働者自身にも定めれられていますので、どのようになっているのか見てみましょう。

 

事業者等の責務の目的

(令和2年問9D)

労働安全衛生法は、事業者の責務を明らかにするだけではなく、機械等の設計者、製造者又は輸入者、原材料の製造者又は輸入者、建設物の建設者又は設計者、建設工事の注文者等についても、それぞれの立場において労働災害の発生の防止に資するよう努めるべき責務を有していることを明らかにしている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

安衛法では、事業者が使用する労働者に対する労働災害の防止だけでなく、

機械などの設計者や製造者、輸入者原材料の製造者や輸入者はもちろん、建築物の注文者などに対しても労働災害を防止するための責務を定めています。

では、もう少し細かく見てみましょう。

機械などの設計者や製造者、輸入者に対して求めていることを下の問題で確認しましょう。

 

設計者・製造者・輸入者に対する責務

(平成29年問8C)

労働安全衛生法は、機械、器具その他の設備を設計し、製造し、又は輸入する者にも、これらの物の設計、製造又は輸入に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するよう努めることを求めている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

機械などを設計や製造、輸入をする者などは、それらが使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければなりません

これら製造者等については「努力義務」になっていますね。

たとえば、機械を扱うことで労働災害が発生しないように、取扱方法などについて注意喚起をする表示をつける、といったことが考えられますね。

ちなみに、労働者にも責務が定められていて、労働災害を防止するために必要な事項を守ること、事業者などが実施する措置に協力するよう努めなければなりません

では最後に、建築物の注文者などについて、どのように規定されているのかを見てみましょう。

先ほどは、「労働災害の発生の防止に資するよう努める」ことが求められていますが、注文者の場合はどうでしょうか。

 

注文者の責務

(平成26年問8イ)

労働安全衛生法第3条第3項においては、建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者について、「施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。」と規定されている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

建設工事の注文者等には、施工方法や工期などについて、労働者の安全を脅かす条件をつけないように配慮する必要があります。

建設工事の注文者は施主さんですから、その強い立場を利用して工期の短縮などを要求することで労働者を危険な目に遭わせないよう配慮しなければならないということですね。

 

今回のポイント

  • 安衛法では、事業者が使用する労働者に対する労働災害の防止だけでなく、機械などの設計者や製造者、輸入者原材料の製造者や輸入者はもちろん、建築物の注文者などに対しても労働災害を防止するための責務を定めています。
  • 機械などを設計や製造、輸入をする者などは、それらが使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければなりません
  • 建設工事の注文者等には、施工方法や工期などについて、労働者の安全を脅かす条件をつけないように配慮する必要があります。

 

社労士プチ勉強法

昨今の社労士試験は、難しい知識を知っているかどうかよりも、

問題文に対して基本的な法律の条文をどのように当てはめるのかといった、

知識よりも知恵で解かせる問題が増えています。

これは実務でもそうで、法違反かどうかシロクロが明確に分かる労働相談はそれほどありません。

多くは、相談内容に対して法律や通達を当てはめて、一番適当と思われる解決策をアドバイスします。

なので、社労士試験においても、基本事項を反復して自分のものにした上で、

問題文を読んだときに、自分の頭にある知識を引き出して正誤を判断するということが求められているのかも知れませんね。

 

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