任意単独被保険者と高齢任意加入被保険者は、一見似ているので、要件などを混同してしまいがちですよね。
特に、本試験場で正確な知識をアウトプットするためには、知識を確固たるものにしておく必要があります。
ちょっと怪しいかも、と思う場合は、本試験までの残り時間を見ながら、触れる回数を増やしておくといいですね。
それでは過去問を見ていくことにしましょう。
1問目は、任意単独被保険者の要件について問われています。
任意単独被保険者になるためには何が必要なのでしょうか。
任意単独被保険者になるには
(令和2年問9C)
適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者であって、任意単独被保険者になることを希望する者は、当該事業所の事業主の同意を得たうえで資格取得に係る認可の申請をしなければならないが、事業主の同意を得られなかった場合でも保険料をその者が全額自己負担するのであれば、申請することができる。
解説
解答:誤り
任意単独被保険者になるための要件は、第一に「事業主の同意」が必要なので、
保険料を全額負担するからといって資格取得の申請ができるわけではないので、問題文は誤りです。
第二の要件として必要なのは「厚生労働大臣の認可」です。
つまり、任意単独被保険者になるための要件は、「事業主の同意」と「厚生労働大臣の認可」となっています。
では、任意単独被保険者の保険料負担について見てみましょう。
任意単独被保険者の保険料負担
(平成24年問2A)
適用事業所以外の事業所に使用される70歳未満の者が被保険者になるためには、保険料を全額負担し、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
解説
解答:誤り
任意単独被保険者になるためには、保険料の全額負担が必要なわけではないので誤りです。
任意単独被保険者になるための要件は、先ほど述べたとおりですが、
保険料は、任意単独被保険者と事業主がそれぞれ半額を負担することになります。
これは、高齢任意加入被保険者と違うところなので注意しておきたいですね。
さて、次はその高齢任意加入被保険者について見ていくことにしましょう。
次の問題は、適用事業所に使用される者が、高齢任意加入被保険者になるための要件について問われていますので確認しますね。
適用事業所に使用される者が高齢任意加入被保険者になるには
(平成28年問10D)
適用事業所に使用される70歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しない場合、実施機関に申し出て、被保険者となることができる。なお、この者は厚生年金保険法第12条の被保険者の適用除外の規定に該当しないものとする。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
適用事業所に使用される者が、高齢任意加入被保険者になるためには、まず70歳以上の者で老齢厚生年金はもちろん、
老齢基礎年金その他の老齢・退職を支給事由とする年金の受給権がない場合に、
実施機関に「申し出る」ことで被保険者になることができます。
では、適用事業所に使用されるものが高齢任意加入被保険者になる資格取得日がいつなのかを確認しましょう。
適用事業所に使用される者が高齢任意加入被保険者となる日
(令和元年問5エ)
適用事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しないもの(厚生年金保険法第12条各号に該当する者を除く。)が高齢任意加入の申出をした場合は、実施機関への申出が受理された日に被保険者の資格を取得する。
解説
解答:正
問題文のとおりで、適用事業所に使用される者が高齢任意加入被保険者になる日は、実施機関への申出が「受理」された日となります。
ちなみに、「申出」なので、実施機関の認可や事業主の同意は必要ありません。
なので、事業主の同意がない状態であれば、保険料は全額自己負担となり、事業主による保険料負担の同意が得られれば折半となります。
そうなると、事業主が保険料の納付義務を負うことになります。
では最後に、適用事業所「以外」の事業所に使用される者が高齢任意加入被保険者になる要件を次の問題で確認しましょう。
適用事業所以外の事業所に使用される者の高齢任意加入被保険者の資格取得要件
(令和元年問5オ)
適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者であって、老齢厚生年金、国民年金法による老齢基礎年金その他の老齢又は退職を支給事由とする年金たる給付であって政令で定める給付の受給権を有しないもの(厚生年金保険法第12条各号に該当する者を除く。)が高齢任意加入の申出をした場合は、厚生労働大臣の認可があった日に被保険者の資格を取得する。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
適用事業所「以外」の事業所に使用される者が高齢任意加入被保険者になるためには、
適用事業所の場合と違い、「厚生労働大臣の認可」が必要で、「認可があった日」が資格取得日です。
今回のポイント
- 任意単独被保険者になるための要件は、「事業主の同意」と「厚生労働大臣の認可」となっています。
- 保険料は、任意単独被保険者と事業主がそれぞれ半額を負担することになります。
- 適用事業所に使用される者が、高齢任意加入被保険者になるためには、まず70歳以上の者で老齢厚生年金はもちろん、老齢基礎年金その他の老齢・退職を支給事由とする年金の受給権がない場合に、実施機関に「申し出る」ことで被保険者になることができます。
- 適用事業所に使用される者が高齢任意加入被保険者になる日は、実施機関への申出が「受理」された日となります。
- 適用事業所「以外」の事業所に使用される者が高齢任意加入被保険者になるためには、適用事業所の場合と違い、「厚生労働大臣の認可」が必要で、「認可があった日」が資格取得日です。
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