過去問

「社労士試験 雇用保険法 総則と適用事業をサラッとおさらい!」過去問・雇-71

今回は、雇用保険法のスタートとなる総則適用事業について見ていきたいと思います。

他の法律と比べて雇用保険法が苦手と感じる人が多いのも事実で、得意だという方もあまり見たことがありませんね。

かくいう私もそれほど得意と言える状態ではなかったのですが、「あること」をすることで苦手意識がなくなりました。

「あること」というのは、体系的に学習をするということです。

失業等給付の手当の名前を書き出して体系図を書くようにすると、知識も体系的に整理されていくので、雇用保険法に苦手意識を持っている場合は試してみてくださいね。

それでは過去問の方を見ていきましょう。

最初の問題は、都道府県知事が行う事務が論点になっています。

都道府県知事は、雇用保険法の事務にどのように関わっているのかを見ていきましょう。

 

都道府県知事が行う事務とは

 

(平成25年問7D)

雇用安定事業のうち、雇用保険法第62条第1項第1号が規定する、景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において、労働者を休業させる事業主その他労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行う事業の実施に関する事務は、都道府県知事が行うこととされている。

 

解説

解答:誤り

都道府県知事が行うのは、雇用安定事業ではなく、能力開発事業の一部ですので誤りです。

具体的には、職業能力開発促進法に基づいて職業訓練を行う事業主職業訓練の推進のための活動を行う事業主に対する助成となります。

雇用安定事業は、たとえば雇用調整助成金などが該当しますので、都道府県知事が入ってくる種類のものではない、というように区別すると分かりやすいかもしれませんね。

では次に労働政策審議会について見てみましょう。

労働政策審議会は、厚生労働省にある機関の一つですが、どんなことをしているのかが問われている過去問がありますので確認しておきましょう。

 

労働政策審議会は何をしている?

(平成24年問7B)

労働政策審議会は、厚生労働大臣の諮問に応ずるだけでなく、必要に応じ、雇用保険事業の運営に関して、関係行政庁に建議し、又はその報告を求めることができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労働政策審議会は、厚生労働大臣等の諮問に応じて、労働政策に関する重要事項の調査審議を行ったり、労働政策に関する重要事項について、厚生労働大臣等に意見を述べたりする機関なのですが、

雇用保険事業の運営に関して、関係行政庁に建議したりその報告を求めることができます。

で、厚生労働大臣は、雇用保険法に関して重要事項を決定しようとするときには、あらかじめ労働政策審議会の意見を聴く必要があります。

ちなみに、「諮問」は、「意見を求める」という意味で、「建議」は「意見を申し述べる」ことです、

さて次は適用事業の方に移りたいと思いますが、任意適用事業について取り扱った過去問を見て行きたいと思います。

雇用保険における任意適用事業の要件を確認しましょう。

 

任意適用事業になるための要件

(平成25年問1A)

常時5人未満の労働者を雇用する農林の事業は、法人である事業主の事業を除き、当分の間、任意適用事業とされている。

 

解説

解答:誤り

任意適用事業は、法人だけではなく、「国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業および法人である事業主の事業」を除きます。

雇用保険法における任意適用事業の要件は、

  • 個人経営(国、都道府県、市町村その他これらに準ずるもの、法人を除く)
  • 農林水産業(船員が雇用される事業を除く)
  • 常時5人未満の労働者を雇用

となっています。

ちなみに、「常時5人」の数え方ですが、雇用保険法の適用を受けない労働者も含めて計算されます

では任意適用事業についてもう少し過去問を見てみましょう。

下の問題では、少し視点を変えた問題になっていますので読んでみてくださいね。

 

任意適用事業になるための要件 その2

(平成30年問7ウ)

雇用保険法の適用を受けない労働者のみを雇用する事業主の事業(国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業及び法人である事業主の事業を除く。)は、その労働者の数が常時5人以下であれば、任意適用事業となる。

 

解説

解答:誤り

使用している労働者が、雇用保険法の適用を受けない人しかいない場合、その労働者数が何人いても適用事業や任意適用事業になることはありませんので誤りです。

雇用しているすべての労働者が雇用保険法の適用を受けることがないのであれば、適用事業などにする必要はありませんね。

では最後に、事業主が適用事業と任意適用事業に該当する部門をそれぞれ持っている場合、適用事業の考え方としてどうなるのかを下の問題で確認しておきましょう。

 

適用事業と任意適用事業がある場合はどうなる?

(平成30年問7イ)

事業主が適用事業に該当する部門と任意適用事業に該当する部門を兼営している場合、それぞれの部門が独立した事業と認められるときであっても、すべての部門が適用事業となる。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、すべての部門が適用事業になるのではなく、適用事業に該当する部門だけが適用事業として取り扱われます。

ただ、任意適用事業に該当する部門が適用事業に該当する部門の一部門にすぎず、独立した事業と認められない場合は、全体を適用事業として取り扱うことになります。

 

今回のポイント

  • 都道府県知事が行うのは、能力開発事業の一部です。
  • 労働政策審議会は、厚生労働大臣等の諮問に応じて、労働政策に関する重要事項の調査審議を行ったり、労働政策に関する重要事項について、厚生労働大臣等に意見を述べたりする機関なのですが、雇用保険事業の運営に関して、関係行政庁に建議したりその報告を求めることができます。
  • 雇用保険法における任意適用事業の要件は、
    • 個人経営(国、都道府県、市町村その他これらに準ずるもの、法人を除く)
    • 農林水産業(船員が雇用される事業を除く)
    • 常時5人未満の労働者を雇用

    となっています。

  • 使用している労働者が、雇用保険法の適用を受けない人しかいない場合、その労働者数が何人いても適用事業や任意適用事業になることはありません。
  • 事業主が適用事業に該当する部門と任意適用事業に該当する部門を兼営している場合、それぞれの部門が独立した事業と認められるときは適用事業に該当する部門だけが適用事業として取り扱われます。

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