過去問

「社労士試験 雇用保険法 雇用継続給付 介護休業給付金をこの機会に総復習!」過去問・雇-64

介護休業給付金は、社労士試験でもちょくちょく出題されていますが、

支給要件や対象家族、支給申請方法などの論点が色々とあるので整理して押さえていくようにしたいですね

まずは、どのような流れで介護休業給付金が支給されるのか、

ご家族などに当てはめてイメージしていくと、すっと腑に落ちやすいので試してみてくださいね。

それでは最初の問題を見てみましょう。

この過去問は、介護休業給付金の支給日数が論点になっています。

最大で何日分の給付金が支給されるのか確認しましょう。

 

介護休業給付金の支給日数の上限

(平成30年問6C)

被保険者が介護休業給付金の支給を受けたことがある場合、同一の対象家族について当該被保険者がした介護休業ごとに、当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を合算して得た日数が60日に達した日後の介護休業については、介護休業給付金を支給しない。

 

解説

解答:誤り

介護休業給付金が支給される介護休業は、同一の対象家族について60日ではなく、「93日」に達した日後の介護休業については給付金が支給されません。

なので93日までは介護休業給付金が支給されるのですが、介護休業の回数は3回までですので、4回目以降は支給されません

上記は同一の対象家族についてのお話ですが、他の家族の介護をすることになった場合に、

介護休業給付金の取り扱いはどうなるのでしょうか。

次の問題で見てみましょう。

 

他の家族の介護をする場合に介護休業給付金は支給される?

(平成30年問6E)

介護休業給付金の支給を受けた者が、職場に復帰後、他の対象家族に対する介護休業を取得する場合、先行する対象家族に係る介護休業取得回数にかかわらず、当該他の対象家族に係る介護休業開始日に受給資格を満たす限り、これに係る介護休業給付金を受給することができる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

介護休業が終わって職場に戻った後に、別の家族について介護休業をすることになったときは、

その時点でみなし被保険者期間が2年で通算して12ヶ月以上あれば、前の家族の介護休業に関係なく介護休業給付金を受給することができます。

言いかえると、みなし被保険者期間については1人の家族にしか使えないわけではないということですね。

また、前の介護休業で30日以上引き続き賃金を得ていなければ、介護休業給付金の支給を受けていても、受給要件の緩和が適用されて、賃金を受けていなかった期間を最大2年加算することができます。

ちなみに、基本手当の場合は、受給資格を得ていた場合は被保険者であった期間に含まれないので、区別しておく必要がありますね。

で、介護休業給付金の支給要件で言うと、期間を定めて雇用される人の場合は、

  • 休業開始時において同一事業主の下で1年以上雇用が継続している かつ
  • 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から 6 か月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない (その労働契約が更新される場合は、更新後の労働契約)

場合に介護休業給付金が支給されることになっています。

となると、派遣労働者が介護休業給付金を利用するときに、「同一事業主」の考え方を確認する必要があります。

雇用契約を結んでいるのは派遣元でも、実際に働いている場所は派遣先ですから、どのような取り扱いになるのか見てみましょう。

 

派遣されていた期間がある場合の取り扱い

(平成30年問6D)

派遣労働者に係る労働者派遣の役務を受ける者が当該派遣労働者につき期間を定めて雇い入れた場合、当該派遣労働者であった者について派遣先に派遣されていた期間は、介護休業給付金を受けるための要件となる同一の事業主の下における雇用実績とはなり得ない。

 

解説

解答:誤り

派遣先に派遣されていた期間も、介護休業の支給要件である同一の事業主の下における雇用実績となります。

派遣の場合の事業主は雇用されている事業主であるとイメージしておくといいですね。

ちなみに、出向の場合も被保険者資格が継続していれば雇用実績の対象になります。

さて、介護休業給付金を受けることができる対象家族について確認しておきましょう。

次の問題では、養父母について問われていますので見てみますね。

 

介護休業給付金の対象の家族の範囲は?

(平成30年問6B)

介護休業給付の対象家族たる父母には養父母が含まれない。

 

解説

解答:誤り

介護休業給付金の対象家族には、養父母も含まれます。

対象家族になるのは、父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫となっていて、父母には養父母だけでなく、配偶者の父母も含まれますし、

子については養子も含まれます。

では最後に、介護休業給付金の支給申請について見ておきましょう。

下の問題では、どこの公共職業安定所で支給申請をするのか問われていますので確認しますね。

 

介護休業給付金の支給申請はどこで?

(令和元年問4B)

介護休業給付関係手続については、介護休業給付金の支給を受けようとする被保険者を雇用する事業主の事業所の所在地を管轄する公共職業安定所において行う。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

介護休業給付金の支給申請は、介護休業を終了した日の翌日から2ヶ月を経過する日の属する月末までに、

事業主の事業所を管轄している公共職業安定所に事業主を経由して支給申請を行います。

 

今回のポイント

  • 介護休業給付金が支給される介護休業は、同一の対象家族について「93日」に達した日後の介護休業については給付金が支給されず、介護休業の回数が4回目以降も支給されません
  • 介護休業が終わって職場に戻った後に、別の家族について介護休業をすることになったときは、その時点でみなし被保険者期間が2年で通算して12ヶ月以上あれば、前の家族の介護休業に関係なく介護休業給付金を受給することができます。
  • 派遣先に派遣されていた期間も、介護休業の支給要件である同一の事業主の下における雇用実績となります。
  • 介護休業給付金の対象家族は、父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫となっていて、父母には養父母だけでなく、配偶者の父母も含まれ、子については養子も含まれます。
  • 介護休業給付金の支給申請は、介護休業を終了した日の翌日から2ヶ月を経過する日の属する月末までに、事業主の事業所を管轄している公共職業安定所に事業主を経由して支給申請を行います。

 

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