勉強の進め方

社労士試験合格勉強法 労働基準法の勉強の進め方とは?

ここ数年の試験問題を見ていると、「知っているかどうか」を問う問題よりも、基本的な知識を使いこなせるかを試す問題が増えています。

たとえば以前は、

(平成23年問1A)「労働基準法第3条は、法の下の平等を定めた日本国憲法第 14条と同じ事由で、人種、信条、性別、社会的身分又は門地を理由とした労働条件の差別的取扱を禁止している。」

であったり、

(平成26年問6A)「労働基準法は、同法の定める基準に達しない労働条件を定める労働契約について、その部分を無効とするだけでなく、無効となった部分を同法所定の基準で補充することも定めている。」

というような、条文ベースでの出題が多かったのです。

しかし、令和元年の問題を見てみましょう。

『いわゆる芸能タレントは、「当人の提供する歌唱、演技等が基本的に他人によって代替できず、芸術性、人気等当人の個性が重要な要素となっている」「当人に対する報酬は、稼働時間に応じて定められるものではない」「リハーサル、出演時間等スケジュールの関係から時間が制約されることはあっても、プロダクション等との関係では時間的に拘束されることはない」「契約形態が雇用契約ではない」のいずれにも該当する場合には、労働基準法第9条の労働者には該当しない。』(令和元年問3エ)

何じゃこりゃ??の世界ですね。

ちょうどこの年は。芸能界の労働契約について話題になっていましたので、時事問題というべきなのでしょうが、上記のようなことは通達ベースの知識であり、もちろん当時のテキストにも載っていなかったのがほとんどでしょう。

ですが、先ほどの芸能タレントの問題は奇問だったとしても、応用問題が増えてきているのは確かです。

これは、単に知識を「知っている」だけではどうしようもありません。

では、どのように学習を進めていけばいいのでしょうか。

 

最初に行うべきはオーソドックスに基礎固めから

まずは、基礎を固めることです。

当たり前のことですが、最初から通達や判例を追っかけてもキリがありません。

テキストや過去問にある条文ベースの知識から繰り返し学習しましょう。

たとえば、変形労働時間制の要件、平均賃金割増賃金の計算の仕方、就業規則の絶対的必要記載事項や相対的必要記載事項などが頭の中の引き出しからスッと出てくるようになればこっちのものです。

これは、過去問を繰り返し解き、テキストを通読しているとだんだんと定着してきますから大丈夫です。

コツは、分からないところが出てきても、できるだけ「短いスパンで繰り返す」ことです。

分からないところをネットなどで調べたくなっても、グッとこらえて次へ進むようにしましょう。

 

事例問題の過去問は一通り知識を定着させてから力試しのつもりで

知識がだんだんとついてきたところで、事例問題を解いて力試しをしてみましょう。

たとえば、下記のような令和元年問1のような問題ですね。

『次に示す条件で賃金を支払われてきた労働者について7月20 日に、労働基準法第12条に定める平均賃金を算定すべき事由が発生した場合、その平均賃金の計算に関する記述のうち、正しいものはどれか。
【条件】
賃金の構成:基本給、通勤手当、職務手当及び時間外手当 賃金の締切日:基本給、通勤手当及び職務手当については、毎月25日
時間外手当については、毎月15日賃金の支払日:賃金締切日の月末

選択肢A  3月26日から6月25日までを計算期間とする基本給、通勤手当及び職務手当の総額をその期間の暦日数92で除した金額と4月16日から7月15日までを計算期間とする時間外手当の総額をその期間の暦日数 91 で除 した金額を加えた金額が平均賃金になる。』(選択肢B以下は省略)

のような問題です。

ご紹介した問題は、平均賃金の計算についての問題です。

平均賃金を計算するにはどんな知識が必要なのかが分かっていれば、決して解けない問題ではありません。

ここで必要とされる知識は、

  • 直前の賃金締切日から起算する。
  • 賃金の締切日が複数ある場合はそれぞれの締切日が必要とされる。
  • 賃金は3か月間に支払われた賃金の総額(時間外手当、通勤手当なども含む)を算定事由の発生した日以前3か月間の総日数で割る

といったところです。

また、知識があってもそれを使いこなす訓練も必要ですから、事例問題の過去問を繰り返し解くことで慣れていきます

ちょうど算数の文章題を何度も解いて、解答までのプロセスを身につけるイメージですね。

そうして練習していくと、たとえ事例問題であっても怖くありません。

大切なことは、あわてず、必要な知識を頭の中の引き出しから正確に出せることなのです。

 

まとめ

いかがでしょうか。

たしかに労働基準法は解きにくくなっているところはありますが、決して歯の立たない科目ではありません。

出題される7問すべて解ける必要はありませんが、難易度によっては満点も狙えます。

身につけた知識を「知恵」として使えるようにするため、基本的な問題演習の繰り返しとテキストの通読をお勧めします。

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