このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は労働に関する一般常識より男女雇用機会均等法について見てみようと思います。
女性労働者に対する妊娠・出産などを理由とした不利益な取り扱いをするとどのように規定されているのかから見ていきましょう。
女性労働者に対して妊娠・出産などを理由とした不利益な取り扱いは〇〇
(平成27年問2A)
男女雇用機会均等法第9条第3項の規定は、
同法の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり、
女性労働者につき、妊娠、出産、産前休業の請求、産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、
同項に違反するものとして違法であり、無効であるというべきであるとするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
男女雇用機会均等法では、
事業主は、その雇用する女性労働者の妊娠・出産などを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない
と規定していますが、
最高裁判例によると、
事業主の女性労働者に対する不利益取り扱いは上記の規定に違反するものであり無効である、としています。
では次に、妊娠中の女性労働者を降格処分にする措置は全て違法になるのかどうか確認しましょう。
妊娠中の女性労働者に対し降格させる措置は、、、
(令和3年問4オ)
女性労働者につき労働基準法第65条第3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は、
原則として男女雇用機会均等法第9条第3項の禁止する取扱いに当たるが、
当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、
又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易な業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、
上記措置につき男女雇用機会均等法第9条第3項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは、
同項の禁止する取扱いに当たらないとするのが、最高裁判所の判例である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
原則として、女性労働者に対して、
妊娠中の軽易業務への転換をきっかけにして降格させる事業主の措置は、
女性労働者への不利益取り扱いに当たるものと思われますが、
女性労働者の自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、または
男女雇用機会均等法の趣旨や目的に実質的に反しないと認められる特別の事情があるならば
法違反にならない、とする最高裁判例があります。
今回のポイント
- 男女雇用機会均等法では、事業主は、その雇用する女性労働者の妊娠・出産などを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない、と規定しています。
- 原則として、女性労働者を降格させる措置は、不利益取り扱いに当たるものと思われますが、女性労働者の自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、または男女雇用機会均等法の趣旨や目的に実質的に反しないと認められる特別の事情があるならば法違反にならない、とする最高裁判例があります。
各科目の勉強法の記事をまとめました
労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください
リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」
科目ごとにまとめて記事を見ることができます!
スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。
もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。
この記事へのコメントはありません。