今回は、埋葬料と埋葬費、家族埋葬料について取り上げます。
要件としては多くないのですが、
本試験の時に「え?どっちだったっけ?」とドキッとならないよう丁寧に押さえておきましょう。
それでは早速過去問を見ていくことにしましょう。
埋葬料の支給要件は?
(令和元年問2E)
被保険者が死亡したときは、埋葬を行う者に対して、埋葬料として5万円を支給するが、その対象者は当該被保険者と同一世帯であった者に限られる。
解説
解答:誤
埋葬料は、同一世帯である必要はなく、亡くなった被保険者によって生計を維持していた者で、埋葬を行うものに対して5万円支給される仕組みになっています。
ここでの「埋葬を行うもの」の定義ですが、実際に埋葬を行なったかどうかではなく、「埋葬を行うべきもの」を指しています。
次は、埋葬費についての過去問なのですが、埋葬料についての規定なのか、埋葬費なのか落ち着いて文章を読んでいくようにしましょう。
これは埋葬費についての規定です?
(平成25年問7D)
死亡した被保険者により生計を維持されていなかった兄弟姉妹は、実際に埋葬を行った場合であっても、埋葬費の支給を受ける埋葬を行った者に含まれない。
解説
解答:誤
問題文の場合でも埋葬費は支払われます。
埋葬費については、埋葬料と違って生計維持要件は関係ありません。
規定では、
「埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対し、同項の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。」
とあるので実際に埋葬を行なっていれば「5万円の範囲内で埋葬費」が支給されます。
ちなみに埋葬料と違い、埋葬費は、5万円一律ではありません。
また、埋葬に要した費用の範囲は、霊柩代、霊柩車代、火葬料、僧侶への謝礼、祭壇一式料などになりますが、飲食代や香典返しなどは含まれません。
感覚の話になりますが、飲食代や香典返しは、お葬式をするのに直接は関係のない費用ということになるんでしょうかね。
では最後に、死産と家族埋葬料の関係について確認しましょう。
死産の場合、家族埋葬料は支給される?
(平成28年問8B)
被保険者が妊娠4か月以上で出産をし、それが死産であった場合、家族埋葬料は支給されないが、出産育児一時金は支給の対象となる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
死産の場合は、出生していないので、被扶養者にならず、家族埋葬料の対象にはなりません。
ただ、妊娠4か月以上の分娩なので、生産、死産、流産(人工流産も)、早産にかかわらず、出産育児一時金が支給されることになります。
で、家族埋葬料の支給要件ですが、
「被保険者の被扶養者が死亡したときは、家族埋葬料として、被保険者に対し、5万円が支給される」
となっています。
なので、
家族埋葬料は、あくまでも被扶養者が死亡した時に支給されるものであることを押さえておけば大丈夫です。
今回のポイント
- 埋葬料は、亡くなった被保険者によって生計を維持していた者で、埋葬を行うものに対して5万円支給されます。
- 埋葬費は、埋葬料の支給を受けるべき者がない場合に、埋葬を行った者に対して、5万円の範囲内においてその埋葬に要した費用に対して支給されます。
- 家族埋葬料は、被保険者の被扶養者が死亡したときに、被保険者に対して、5万円が支給されます。
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