強制適用事業の保険関係が成立するのは、「事業が始まった日」にセットされているので、書類を出していようが出していまいが関係ありません。
で、オマケ程度に「成立したら10日以内に成立届出してね」という規定があるのです。
ややこしいのは、提出先です。
所轄労働基準監督署か所轄公共職業安定所長のどっちに出すのか、というのが覚えにくいですよね。
キーワードは、
「雇用保険と労基は相性がよくない」
です。
それでは過去問を見ていくことにしましょう。
労働保険の保険関係が成立するのはいつだっけ?
(平成25年労災問9B)
労働保険の保険関係は、適用事業の事業主が、その事業が開始された日から10日以内に保険関係成立届を所轄労働基準監督署長又は所轄公共職業安定所長に提出することによって成立する。
解説
解答:誤
「提出することによって成立する」のではなく、その適用事業が開始された日に、「法律上当然に成立」しますので、保険関係成立届を出しても出さなくても、労働保険の保険関係は、自動的に成立します。
なので、成立届を出してなくて保険料を払わずにいると、何かあったときにペナルティでエラい目に会うわけですね。
次は、暫定任意適用事業で労災保険に関わる問題です。
事業主が、労働者に断りなく労災保険に加入してしまいましたが、それって大丈夫なのでしょうか?
事業主が労働者の同意も得ず、、、
(令和元年労災問10ウ)
労災保険暫定任意適用事業の事業主が、その事業に使用される労働者の同意を得ずに労災保険に任意加入の申請をした場合、当該申請は有効である。
解説
解答:正
問題文のとおり、労災保険に任意加入する場合に、労働者の同意は必要ありません。
労働者にとっても、費用負担なしで労災保険に入ってくれるなら、労働者が断る理由ないですよね。
ではいよいよ、成立届の提出先に関する過去問です。
「雇用保険のみ」とくれば??
(令和元年労災問10ア)
一元適用事業であって労働保険事務組合に事務処理を委託しないもののうち雇用保険に係る保険関係のみが成立する事業は、保険関係成立届を所轄公共職業安定所長に提出することとなっている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
覚え方としては、「雇用保険のみ」とくれば、提出先は所轄公共職業安定所長になります。
言い方を変えると、
雇用保険が出てくると、労働基準監督署長はほとんど関わりません。
雇用保険がからんでいて、労基署長が出てくるのは、一元適用事業で労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していない場合です。
一元適用事業でも、雇用保険のみの保険関係成立だと労基署長の出番はありません。
こんなイメージを持って、テキストを確認してみてください。
今回のポイント
- 労働保険の保険関係は、適用事業が開始された日に、「法律上当然に成立」しますので、保険関係成立届を出しても出さなくても、自動的に成立します。
- 労災保険暫定任意適用事業の場合、労災保険に任意加入する場合に、労働者の同意は必要ありません。
- 「雇用保険のみ」とくれば、成立届の提出先は所轄公共職業安定所長になります。
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