このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、厚生年金法から「障害手当金」について見てみようと思います。
障害手当金は、国民年金にはない厚生年金独自の制度で、所定の要件を満たすと一時金として支給されるものです。
この障害手当金がどのような要件を満たすと支給されるのか、その額はどうなっているのかを見ていきましょう。
障害厚生年金と障害手当金の違い
(令和2年問10エ)
障害厚生年金は、その傷病が治らなくても、初診日において被保険者であり、
初診日から1年6か月を経過した日において障害等級に該当する程度の状態であって、
保険料納付要件を満たしていれば支給対象となるが、
障害手当金は、初診日において被保険者であり、
保険料納付要件を満たしていたとしても、初診日から起算して5年を経過する日までの間に、
その傷病が治っていなければ支給対象にならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
障害厚生年金は、初診日から1年6か月を経過した時点で傷病が治っていない状態でも支給されますが、
障害手当金は、初診日から5年を経過する日までに傷病が治っていないと支給されません。
なので、障害手当金の支給要件としては、初診日において厚生年金の被保険者であり、
初診日から起算して5年を経過する日までに傷病が治っていて、傷病が治った日において所定の障害の状態であること、となっています。
ちなみに、傷病が「治った」状態というのは、症状が固定して治療の効果が期待できない状態になった場合も含まれます。
では、すでに別の傷病が原因ですでに障害厚生年金の支給を受けている場合、障害手当金ももらうことはできるのでしょうか。
下の問題で確認しましょう。
別の傷病で障害厚生年金を受給しているときは、、、
(令和元年問10ウ)
障害厚生年金の支給を受けている者が、当該障害厚生年金の支給要件となった傷病とは別の傷病により、
障害手当金の支給を受けられる程度の障害の状態になった場合は、
当該障害厚生年金と当該障害手当金を併給することができる。
なお、当該別の傷病に係る初診日が被保険者期間中にあり、当該初診日の前日において、所定の保険料納付要件を満たしているものとする。
解説
解答:誤り
問題文の場合、障害手当金の支給を受けることはできません。
すでに厚生年金や国民年金の年金給付の受給権者である場合は障害手当金を受給することはできません。
ただ、障害厚生年金や障害基礎年金の受給権者で、最後に障害状態に該当しなくなった時から起算して3年を経過していて、現に障害状態に該当していない場合は障害手当金が支給されます。
それでは最後に障害手当金の額について確認しておきましょう。
障害手当金の額
(平成29年問3ウ)
障害手当金の額は、厚生年金保険法第50条第1項の規定の例により計算した額の100分の200に相当する額であるが、その額が障害等級2級に 該当する者に支給する障害基礎年金の額の2倍に相当する額に満たないときは、当該額が障害手当金の額とされる。
解説
解答:誤り
障害手当金の額は、「障害厚生年金の額×2」に相当する額になりますが、
その金額が、「2級の障害基礎年金の額×3/4×2」に相当する額に満たない場合は、最低保障額として左記の額が障害手当金の額になります。
今回のポイント
- 障害手当金の支給要件としては、初診日において厚生年金の被保険者であり、初診日から起算して5年を経過する日までに傷病が治っていて、傷病が治った日において所定の障害の状態であること、となっています。
- すでに厚生年金や国民年金の年金給付の受給権者である場合は障害手当金を受給することはできません。
- 障害手当金の額は、「障害厚生年金の額×2」に相当する額になりますが、最低補償額が設定されています。
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