このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は雇用保険法から「雇用継続給付」について見てみたいと思います。
これは文字どおり被保険者の雇用を継続させるための給付で、
65歳までの雇用の継続を援助するための高年齢雇用継続給付と
家族の介護をする場合に生活費の保証をする介護休業給付金があります。
さらに高年齢雇用継続給付は、高年齢雇用継続基本給付金と高年齢再就職給付金に分かれます。
以前は、育児休業給付も雇用継続給付に入っていましたが、法改正で別々の給付となりました。
さて、まずは高年齢雇用継続基本給付金の支給要件について見ていくことにしましょう。
高年齢雇用継続基本給付金の支給要件
(令和元年問6A)
60歳に達した日に算定基礎期間に相当する期間が5年に満たない者が、
その後継続雇用され算定基礎期間に相当する期間が5年に達した場合、
他の要件を満たす限り算定基礎期間に相当する期間が5年に達する日の属する月から65歳に達する日の属する月まで高年齢雇用継続基本給付金が支給される。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
高年齢雇用継続基本給付金の支給要件は、原則として60歳に到達した日において被保険者であった期間(算定基礎期間に相当する期間)が5年以上あることとなっています。
でも、問題文のように60歳に達した時点で被保険者であった期間が5年なくても、
働き続けて5年に達すれば高年齢雇用継続基本給付金が支給されます。
ただ、タイムリミットは65歳までであることに注意が必要です。
ということで次は介護休業給付金について見てみましょう。
下の問題では、介護休業給付金の支給日数がテーマになっているので確認しましょう。
介護休業給付金の支給日数
(平成30年問6C)
被保険者が介護休業給付金の支給を受けたことがある場合、
同一の対象家族について当該被保険者がした介護休業ごとに、
当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を合算して得た日数が60日に達した日後の介護休業については、
介護休業給付金を支給しない。
解説
解答:誤り
介護休業給付金は、同一の対象家族について介護休業を開始してから終了するまでの合計日数が「93日」に達した日後の介護休業については支給されません。
言いかえると、93日までは介護休業給付金が支給されるということですね。
ちなみに、介護休業は分割して取得することができて、同一の対象家族について3回を限度として取得することができます。
で、対象家族というのは、配偶者・父母・子・祖父母・兄弟姉妹・孫・配偶者の父母となっています。
では最後に介護休業給付金の申請方法について見てみましょう。
介護休業給付金の申請方法
(平成27年問6エ)
介護休業給付金の支給を受けようとする者は、やむを得ない理由がなければ、当該休業を終了した日の翌日から起算して2か月を経過する日の属する月の末日までにその事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に支給申請しなければならない。
解説
解答:誤り
介護休業給付金の支給申請は、休業を終了してから2ヶ月を経過する日の月末までに行う必要がありますが、
「やむを得ない理由がなければ」という規定はありません。
ただ、支給申請は原則としては事業主を経由するのですが、
やむを得ない理由のため、事業主を経由して申請書の提出を行うことが困難なときは、事業主を経由しないで提出を行うことができるという規定はあります。
今回のポイント
- 高年齢雇用継続基本給付金の支給要件は、原則として60歳に到達した日において被保険者であった期間(算定基礎期間に相当する期間)が5年以上あることとなっていますが、60歳に達した時点で被保険者であった期間が5年なくても、働き続けて5年に達すれば高年齢雇用継続基本給付金が支給されます。
- 介護休業給付金は、同一の対象家族について介護休業を開始してから終了するまでの合計日数が「93日」に達した日後の介護休業については支給されません。
- 介護休業給付金の支給申請は、休業を終了してから2ヶ月を経過する日の月末までに行う必要があります。
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