過去問

「社労士試験 安衛法 とっつきにくい定期自主検査と就業制限の勉強法」過去問・安衛-27

安衛法は、とにかく労働者が安心して働けるようにするためのもので、そのために、業務に使用している機械の点検や、危険な業務については資格を設けるなどをしているわけですね。

今回は、「定期自主検査」と「就業制限」について取り扱った過去問をご紹介したいと思います。

そもそも機械の名前が聞いたことないものがあると思いますが、

イメージを膨らませて、機械や現場を想像してみるだけでも知識の定着度が変わってきます。

逆に、機械的に暗記しようとすると勉強が辛くなりますので、ぜひご参考になさってくださいね。

それでは最初の問題に入っていきましょう。

下の問題文は、色々とごちゃごちゃ書いてありますが、論点は「局所排気装置」です。

「キョクショハイキソウチ??」と思いますが、漢字だけで想像すると、ある1箇所の空間にある空気を排気する機械なんでしょうね。

 

ポイントは局所排気装置

(平成30年問9D)

屋内作業場において、有機溶剤中毒予防規則に定める第1種有機溶剤等又は第2種有機溶剤等を用いて行う印刷の業務に労働者を従事させている事業者は、当該有機溶剤作業を行っている場所で稼働させている局所排気装置について、1年以内ごとに1回、定期に、定められた事項について自主検査を行わなければならない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

局所排気装置は、定期自主検査の対象で、1年以内ごとに1回行うことになっています。

1年スパンの定期自主検査を行う機械は他に、「動力により駆動される遠心機械」や「動力により駆動されるシャー」などがあります。

シャーというのは、金属を切断する機械のことです。

ちなみに、特定機械に該当するボイラーや、特定機械に該当するエレベーターなどの定期自主検査の検査は1ヶ月以内ごとに1回です。

では、定期自主検査を行った証拠である記録の保存期間が何年なのか、次の問題で確認しましょう。

 

定期自主検査の記録保存はいつまで?

(平成30年問9E)

事業者は、定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを5年間保存しなければならない

 

解説

解答:誤

定期自主検査の記録は5年ではなく、「3年間」保存しなければなりません。

記録をするべき項目としては、

  • 検査年月日
  • 検査方法
  • 検査箇所
  • 検査の結果
  • 検査を実施した者の氏名
  • 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容

となっています。

全部覚える必要はありませんし、「あ〜、こんな項目があるんだ」くらいの感じでいいかと思います。

さて、次は就業制限に関する過去問を見ていきましょう。

就業制限というのは、一定の危険は業務を行うときに、事故を防ぐために資格がなければ、その就業はNGというものです。

で、就業制限業務に就けるのは、

  • 都道府県労働局長の免許を受けた者
  • 登録教習機関が行う技能講習を修了した者
  • その他厚生労働省で定める資格を有する者

といった人々になります。

では、就業制限の範囲となる人について次の過去問を見ていきますが、個人事業主は就業制限の対象外なのでしょうか?

 

個人事業主は就業制限の対象外?

(平成28年問10A)

産業労働の場において、事業者は、例えば最大荷重が1トン以上のフォークリフトの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務については、都道府県労働局長の登録を受けた者が行うフォークリフト運転技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならないが、個人事業主である事業者自らが当該業務を行うことについては制限されていない。

 

解説

解答:誤

就業制限は、個人事業主も対象になっていますので誤りです。

つまり、労働者でも個人事業主でも、就業制限については取り扱いに差はありません。

ちなみに、フォークリフトについては、最大荷重によって違いがあり、最大荷重が1トン以上のフォークリフトの場合は、一定の資格が必要で就業制限がかかりますが、

1トン未満のフォークリフトは特別教育の対象になり、安全衛生教育の範疇になってきますので区別しておきましょう。

では、次は高所作業車の就業制限について見てみましょう。

下の過去問は「数字」が論点になっています。。。

 

高所作業車の運転に関する就業制限の要件

(平成28年問10E)

作業床の高さが5メートルの高所作業車の運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務は、高所作業車運転技能講習を修了した者でなければその業務に就くことはできない。

 

解説

解答:誤

高所作業車就業制限がかかるのは、作業床の高さが5メートルではなく、「10メートル以上」の場合です。

で、作業床の高さが10メートル以上の高所作業車の運転ができるのは、

  • 高所作業車運転技能講習を修了した者
  • その他厚生労働大臣が定める者

ということになっています。

ちなみに「高所作業」の場合は「10メートル」以上ですが、単なる「高所作業」だと「2メートル」以上が対象となります。

では最後に、ブルドーザーに関する就業制限について確認しましょう。

同じブルドーザーでも、業種によって就業制限がかかるのか、というのが次の問題の論点になっています。

 

ブルドーザーの運転にかかる就業制限は建設業だけ??

(平成28年問10B)

建設機械の一つである機体重量が3トン以上のブル・ドーザーの運転(道路上を走行させる運転を除く。)の業務に係る就業制限は、建設業以外の事業を行う事業者には適用されない。

 

解説

解答:誤

問題文にある重量が3トン以上ブルドーザーの運転に関する就業制限は、建設業などの業種に関係なく適用になります。

人が運転する以上、業種によって就業を制限したりしなかったりというのは、おかしいですよね。

 

今回のポイント

  • 局所排気装置は、定期自主検査の対象で、1年以内ごとに1回行うことになっています。
  • 定期自主検査の記録は、「3年間」保存しなければなりません。
  • 就業制限の要件については、労働者でも個人事業主でも同じです。
  • 高所作業車就業制限がかかるのは、作業床の高さが「10メートル以上」の場合です。
  • 問題文にある重量が3トン以上ブルドーザーの運転に関する就業制限は、建設業などの業種に関係なく適用になります。

 

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