今回は、国民年金基金の資格喪失や制限ついての過去問を中心に集めてみました。
国民年金基金の資格喪失についてはいろいろな要件があり、社労士試験でもバラエティに富んだ出題がされているのでつかみどころがないですね。
押さえてしまうまでは、慣れるまで繰り返し触れておきましょう。
最初の問題は、国民年金基金と国民年金の保険料免除の関係についての論点となっています。
保険料免除になったら国民年金基金は資格喪失??
(平成27年問4A)
国民年金基金の加入員が、保険料免除の規定により国民年金保険料の全部又は一部の額について保険料を納付することを要しないものとされたときは、その月の初日に加入員の資格を喪失する。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
保険料が免除になると、保険料が免除になったその月の初日に国民年金基金の加入員の資格を喪失します。
この「初日」というのは特徴がありますね。
「保険料免除=初日」
というイメージで覚えてしまいたいですね。
ちなみに、他の資格喪失でも初日に喪失するケースはあるのでしょうか。
次の過去問を見てみましょう。
農業年金に入った時もダメ?
(平成29年問5E)
国民年金基金の加入員が農業者年金の被保険者となったときは、その日に、加入員の資格を喪失する。
解説
解答:正
問題文のとおりで、農業年金の被保険者になった時は、その日に国民年金基金の加入員の資格を喪失します。
保険料免除と違って、「初日」ではないようですね。
では、国民年金基金の資格喪失になるケースを確認しましょう。
国民年金基金の資格が喪失になるとき
- 被保険者の資格を喪失したとき、または、第2号被保険者若しくは第3号被保険者となったとき → その日に資格喪失
- 地域型基金の加入員は、その基金の地区内に住所を有する者でなくなったとき、職能型基金の加入員の場合は、その事業又は業務に従事する者でなくなったとき → 翌日に資格喪失
- 保険料免除等の諸規定によりその全部又は一部の額につき保険料を納付することを要しないものとされたとき → その月の初日に資格喪失
- 農業者年金の被保険者となったとき → その日に資格喪失
- 加入している基金が解散したとき → 翌日に資格喪失
やはり、「初日」に資格喪失するのは「保険料免除」のときだけのようですね。
では、次の過去問を見てみましょう。
資格喪失の申出をしても資格喪失することができるのでしょうか。
資格喪失したい時は、その申出をしてもオーケー?
(平成25年問3D)
第1号被保険者は、国民年金基金に対し加入員となる申出をした日に当該加入員の資格を取得し、加入員資格の喪失の申出が受理された日にその加入員の資格を喪失する。
解説
解答:誤
資格喪失の申出をしても、国民年金基金の資格喪失をすることはできません。
先ほどの資格が喪失になるケースを確認しておきましょう。
申出をしたら資格喪失になるという規定はありませんね。
これって健康保険の任意継続被保険者も、申出しても資格喪失にならなかったですよね。
さて、次は国民年金基金の両立について確認してみましょう。
職能型と地域型の国民年金は同時に加入できたでしょうか。
職能型と地域型の両立はできる?
(平成24年問9D)
毎月の掛金の上限額である68,000円を超えていなければ、職能型国民年金基金と地域型国民年金基金の両方に同時に加入することができる。
解説
解答:誤
国民年金基金の職能型と地域型とは同時に加入できないので両立はできません。
これは上限額に関わらず、です。
では最後に、国民年基金の受給権者の資格喪失についてチェックしておきましょう。
ちなみにiDeCoの老齢給付金としての受け取り期間は5年から20年だそうですね。
国民年金基金の支給はどこまで続く?
(平成22年問3E)
国民年金基金が支給する年金は、少なくとも、当該基金の加入員であった者が老齢基礎年金の受給権を取得したときから3年を限度に、その者に支給されるものでなければならない。
解説
解答:誤
国民年金基金が支給する年金は、老齢基礎年金の受給権者が死亡した場合、年金の受給権が消滅します。
つまり、老齢基礎年金と一蓮托生ということですね。
今回のポイント
- 国民年金の保険料が免除になると、保険料が免除になったその月の初日に国民年金基金の加入員の資格を喪失します。
- 農業年金の被保険者になった時は、その日に国民年金基金の加入員の資格を喪失します。
- 資格喪失の申出をしても、国民年金基金の資格喪失をすることはできません。
- 国民年金基金の職能型と地域型とは同時に加入できないので両立はできません。
- 国民年金基金が支給する年金は、老齢基礎年金の受給権者が死亡した場合、年金の受給権が消滅します。
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