過去問

「徴収法 5分で分かる!保険関係の成立要件とは」過去問・徴-36

労働保険の保険関係成立などでキーワードになるのは「」と「人数」ですね。

保険関係が成立したらいつまでに届出をしないといけないのか、暫定任意適用事業所の任意加入の要件など「日」や「人数」が論点になっています。

ややこしいものではないので、確実に押さえていくようにしましょう。

最初の問題は「日」が論点になっています。

労働保険の保険関係が成立したらいつまでに政府に届出をしなければならないのでしょう。

また、有期事業の場合はそれに加えて、、、

 

保険関係が成立したら?

(令和元年労災問10オ)

労働保険の保険関係が成立した事業の事業主は、その成立した日から10日以内に、法令で定める事項を政府に届け出ることとなっているが、有期事業にあっては、事業の予定される期間も届出の事項に含まれる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

まず、労働保険の保険関係が成立したら、10日以内に保険関係成立届を提出する必要があります。

また、有期事業の場合は、「事業の予定される期間」も合わせて届け出なければなりません。

有期事業ということは、必ず事業が終了するということですから、事業の予定期間も知らせないといけませんね。

次は労災保険の任意加入についての問題です。

労働者の人数と任意加入が論点になっていますが、言葉の言い回しにも注目してみましょう。

 

労災保険の任意加入のルールは?

(平成27年労災問8A)

農業の事業で、労働者を常時4人使用する民間の個人事業主は、使用する労働者2名の同意があるときには、労災保険の任意加入の申請をしなければならない。

 

解説

解答:誤

労災保険の暫定任意適用事業所の事業主は、労働者の「過半数」が「希望」する時は任意加入の申請をしなければなりません。

なので、問題文のケースでは任意加入する必要はありませんが、「同意」という言葉ではなく「希望」ですので注意しておきましょう。

ちなみに、「同意」という言葉が使われるのは雇用保険の暫定任意適用事業所の任意加入のケースです。

雇用保険暫定任意適用事業所の任意加入の申請は、労働者の「2分の1以上」の「同意」がなければ行うことができません。

労災保険の場合は、保険料は全額、事業主が負担するのですが、雇用保険の場合は労働者も負担しますので、労働者の同意がないと任意加入できないのですね。

でも、2分の1以上の労働者が「希望」した場合は雇用保険の方も任意加入の申請をする必要があります。

では、いよいよ労災保険んぼ任意加入の申請をする場合に、任意加入の申請書に労働者の同意書を添付する必要があるのか、というのが次の問題です。

 

任意加入の申請に労働者の同意書類は必要?

(平成27年労災問8B)

農業の事業で、民間の個人事業主が労災保険の任意加入の申請を行うためには、任意加入申請書に労働者の同意を得たことを証明する書類を添付して、所轄都道府県労働局長に提出しなければならない。

 

解説

解答:誤

労災保険の任意加入の申請に労働者の同意は要りません。

先ほども述べたとおり、労災保険は事業主が全額負担するので、労働者は何も負担することがないために同意は不要なのですね。

それでは、任意加入の申請が無事に済んだら次に気になるのは「いつ保険関係が成立」するのかですね。

それを次の問題で確認することにしましょう。

 

任意加入した時に保険関係が成立するのはいつ?

(平成27年労災問8C)

農業の事業で、民間の個人事業主が労災保険の任意加入の申請を行った場合、所轄都道府県労働局長の認可があった日の翌日に、その事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係が成立する。

 

解説

解答:誤

労災保険の任意加入の申請を行うと、労働局長の認可ではなく、「厚生労働大臣」の認可があった「」に保険関係が成立します。

ただ、厚生労働大臣認可は労働局長に権限が委任されています。

これは労災保険だけでなく、雇用保険の場合も同じです。

さて、暫定任意適用事業所の保険関係が成立するのは任意加入の時だけでなく、そこで働いている労働者の人数が増えたときに適用事業となって保険関係が成立します。

ではその保険関係が成立するのはどのタイミングでしょうか。

 

労災保険の暫定任意適用事業所が適用事業に該当した時は、、、

(平成27年労災問8E)

農業の事業で、労災保険暫定任意適用事業に該当する事業が、使用労働者数の増加により労災保険法の適用事業に該当するに至った場合には、その日に、当該事業につき労災保険に係る労働保険の保険関係が成立する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりで、労災保険の暫定任意適用事業が労働者の人数が増えて適用事業に該当した場合は、その該当した「」に保険関係が成立します。

なので、適用事業に該当したら10日以内に保険関係成立届を提出する必要があるのです。

ちなみに、保険関係は、届出をしたら成立するのではなく、成立自体は適用事業に該当したときに法律上当然に成立していますので注意しましょう。

では逆に、労働者の人数が減って適用事業から暫定任意適用事業になった時も、やはり届出が必要なのでしょうか。。。

 

適用事業所が暫定任意適用事業所になった時に届出は?

(平成23年雇用問9E)

労災保険の保険関係が成立している事業が、その使用する労働者の数の減少により労災保険暫定任意適用事業に該当するに至ったときには、遅滞なく、任意加入申請書を所轄都道府県労働局長に提出し、その認可を受けなければならない。

 

解説

解答:誤

労働者の数が減って暫定任意適用事業になった時は届出をする必要はなく、任意加入の認可があったとみなされます

タイミング的には、暫定任意適用事業に該当した「翌日」となります。

政府としては暫定任意適用事業になっても保険料を払っておいてもらったほうが助かるわけですし、事業主も人数の増減のたびに届出をしないといけないとなれば手間が大変ですから、その手間をできるだけ省いた方が双方にとって好都合ですよね。

 

今回のポイント

  • 労働保険の保険関係が成立したら、10日以内に保険関係成立届を提出する必要があります。
  • 労災保険の暫定任意適用事業所の事業主は、労働者の「過半数」が「希望」する時は任意加入の申請をしなければなりません。
  • 労災保険の任意加入の申請に労働者の同意は要りません。
  • 労災保険の任意加入の申請を行うと、労働局長の認可ではなく、「厚生労働大臣」の認可があった「」に保険関係が成立します。
  • 問題文のとおりで、労災保険の暫定任意適用事業が労働者の人数が増えて適用事業に該当した場合は、その該当した「」に保険関係が成立します。
  • 労働者の数が減って暫定任意適用事業になった時は届出をする必要はなく、任意加入の認可があったとみなされます。

 

各科目の勉強法の記事をまとめました

労働基準法から一般常識までの全科目の勉強法の記事をまとめましたのでぜひご覧ください

リンク「社労士試験 独学合格法 各科目の勉強方法の記事をまとめました!」

 

科目ごとにまとめて記事を見ることができます!

スマホでご覧になっていただいている場合は、一番下までスクロールすると、科目名が並んでいますのでご覧になりたい科目をタップいただくと、その科目だけの記事を見ることができます。

もしくは、一番右上の三本線(メニューになっています)をタップしていただいて科目名を表示させる方法もあります。

ぜひご活用ください!

関連記事

  1. 【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 労働に関する一般常識 男女雇用…

  2. 「労災保険法 これだけで理解できる傷病(補償)年金の仕組み」過去問・労…

  3. 「社労士試験 労働に関する一般常識 最低賃金法」労一-146

  4. 「社労士試験 社会保険に関する一般常識 医療制度についての確認です」過…

  5. 「社労士試験 健康保険法 被保険者資格の得喪確認や届出について整理でき…

  6. 【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 国民年金法 老齢基礎年金の支給…

  7. 「健康保険法 さっと読んで理解できる療養の給付の仕組み」健保-40

  8. 「社労士試験 労基法 割増賃金」労基-149

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。