このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、労働基準法の「年次有給休暇」について見てみようと思います。
有給休暇の発生要件や時季変更権などについて過去問を読みながら復習しましょう。
「継続勤務」の考え方とは
(平成24年問6ウ)
労働基準法第39条に定める年次有給休暇権の発生要件の1つである「継続勤務」は、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものと解される。したがって、この継続勤務期間の算定に当たっては、例えば、企業が解散し、従業員の待遇等を含め権利義務関係が新会社に包括承継された場合は、勤務年数を通算しなければならない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
継続勤務とは、その使用者の元での在籍期間のことを言います。
原則としては、使用者が変われば継続勤務期間はリセットされますが、
企業が解散して、新会社が労働条件を「包括継承」した場合は、勤務年数が通算されるので、継続勤務も引き継がれます。
また、たとえば定年で退職したものの、そのまま有期雇用契約で再雇用された場合も、空白期間がなければ継続勤務として取り扱われます。
さて、労働者が時季を指定して年次有給休暇の取得の意思を示せば、使用者はその時季に年次有給休暇を取らせることになりますが、
事業の正常な運営を妨げる場合には時季変更権の行使が認められています。
その時季変更権がテーマになった過去問がありますので見てみましょう。
使用者の時季変更権は「日」単位の休暇を「時間」単位に変更できる?
(令和3年問2E)
労働基準法第39条に従って、労働者が日を単位とする有給休暇を請求したとき、使用者は時季変更権を行使して、日単位による取得の請求を時間単位に変更することができる。
解説
解答:誤り
使用者の時季変更権は、労働者の「日」単位による取得の請求を「時間」単位に変更することはできません。
逆に、「時間」単位による取得の請求を「日」単位に変更することもできません。
あくまでも、年次有給休暇の取得日を別の日に変えてもらうだけです。
では最後に、年次有給休暇の取得日について見ておきましょう。
下の過去問では、年次有給休暇を取得できない日が論点になっていますので確認しましょう。
休職になった期間については年次有給休暇が取れない?
(平成28年問7A)
休職発令により従来配属されていた所属を離れ、以後は単に会社に籍があるにとどまり、会社に対して全く労働の義務が免除されることとなる場合において、休職発令された者が年次有給休暇を請求したときは、労働義務がない日について年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は年次有給休暇請求権の行使ができないと解されている。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働基準法第39条では、
「使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、または分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。」
となっています。
つまり、年次有給休暇は、労働義務のある日に取得することが前提になっているため、
休職期間中で労働義務が免除されている日に年次有給休暇を取得することはできません。
別の見方をすると、退職してしまうと、労働日の概念がなくなってしまうので、退職後の年次有給休暇の取得もできないのです。
今回のポイント
- 企業が解散して、新会社が労働条件を「包括継承」した場合は、勤務年数が通算されるので、継続勤務も引き継がれます。
- 使用者の時季変更権は、労働者の「日」単位による取得の請求を「時間」単位に変更することはできません。(その逆もダメです)
- 年次有給休暇は、労働義務のある日に取得することが前提になっているため、休職期間中で労働義務が免除されている日に年次有給休暇を取得することはできません。
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