このブログでは、毎日科目を変えてお送りしています。
なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。
なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。
今日は、厚生年金保険法から遺族厚生年金の失権について見てみたいと思います。
遺族厚生年金は、受給権者が死亡したときや婚姻をしたときなどに失権することになりますが、
他にも失権事由があります。
まずは、「婚姻」にまつわる失権について確認しましょう。
遺族厚生年金の失権(婚姻)
(令和3年問10E)
第1号厚生年金被保険者が死亡したことにより、当該被保険者の母が遺族厚生年金の受給権者となった。その後、当該母に事実上の婚姻関係にある配偶者が生じた場合でも、当該母は、自身の老齢基礎年金と当該遺族厚生年金の両方を受給することができる。
解説
解答:誤り
遺族厚生年金の失権事由に「婚姻」がありますが、これは事実婚の場合も含まれますので、
問題文の場合、遺族厚生年金の受給権は失権することになります。
さて、遺族厚生年金の受給権の失権には、「養子」もあります。
この養子について扱った過去問がありますので読んでみましょう。
遺族厚生年金の失権(養子)
(平成26年問1E)
遺族厚生年金の受給権は、受給権発生後に直系姻族の養子となった場合であっても、消滅しない。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
遺族厚生年金の失権事由である「養子」ですが、「直系血族及び直系姻族以外の者の養子」になった場合に失権しますので、
問題文のように直径姻族の養子になっても遺族厚生年金の受給権はなくなりません。
それでは最後に「年齢」を事由とした失権について見ておきましょう。
年齢で遺族厚生年金の受給権がなくなるのは、「子」か「孫」です。
原則として「18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき」に失権するのですが、
一定の障害の状態にある場合は、上記のタイミングでは失権しません。
では、どのような場合が該当するのか下の過去問で確認しましょう。
遺族厚生年金の失権(年齢)
(令和元年問9B)
障害等級2級に該当する障害の状態にある子に遺族厚生年金の受給権が発生し、16歳のときに障害等級3級に該当する障害の状態になった場合は、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに当該受給権は消滅する。
一方、障害等級2級に該当する障害の状態にある子に遺族厚生年金の受給権が発生し、19歳のときに障害等級3級に該当する障害の状態になった場合は、20歳に達したときに当該受給権は消滅する。
解説
解答:誤り
障害等級が1級・2級である子または孫は、18歳に達した以後の最初の3月31日が到来しても遺族厚生年金は失権しませんが、その状態がやんだ時は失権します。(18歳に達した以後の最初の3月31日までは大丈夫です)
なので、問題文の後半のように19歳の時に障害等級3級になった場合は、1級・2級の状態ではなくなっているので、3級に該当した時点で失権することになります。
ちなみに、障害等級1級・2級の状態が続いても20歳に達した時に遺族厚生年金の受給権は失権することになります。
今回のポイント
- 遺族厚生年金の受給権は「婚姻」したときに失権しますが、事実婚の場合も含まれます。
- 「直系血族及び直系姻族以外の者の養子」になった場合にも遺族厚生年金の受給権が失権します。
- 障害等級が1級・2級である子または孫は、18歳に達した以後の最初の3月31日が到来しても遺族厚生年金は失権しませんが、その状態がやんだ時は失権します。(18歳に達した以後の最初の3月31日までは大丈夫です)
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