過去問

「健康保険法 5分でわかる!埋葬料(埋葬費・家族埋葬料)の支給要件」過去問・健保-47

埋葬料にはそれに付属するものとして、埋葬費家族埋葬料がありますが、金額はすべて同じですよね。

あとは、「誰が」受け取るのか、支給対象外になる場合はどんな時なのかなどを押さえていくようにしましょう。

名称が似ているので、本試験会場では、読み間違いのないようにしたいところですね。

それでは最初の問題を見てみましょう。

埋葬料の支給要件が論点になっています。

「誰に」埋葬料が支払われるのか確認していくことにしましょう。

 

埋葬料の支給要件

(平成25年問7A)

埋葬を行う者とは、実際に埋葬を行った者をいうのであるから、被保険者が死亡し社葬を行った場合には、たとえその被保険者に配偶者がいたとしても、配偶者には埋葬料は支給されない。

 

解説

解答:誤り

埋葬料の場合の支給は、誰が埋葬したかということではなく、「埋葬を行うべき者」に支給するということになります。

また、埋葬料が支払われる要件として「生計維持要件」もあり、規定には、

「被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、埋葬料として、政令で定める金額を支給する。」

とあるのです。

ちなみに、埋葬料は「5万円」です。

なので、問題文の場合、たとえ社葬が行われたとしても、埋葬料は配偶者が対象になります。

で、この埋葬料は生計維持要件があるということですが、どの程度の生計維持まで認められるのでしょうか。

やはり、ガッツリと生計維持されていないといけないのでしょうか。。。

 

生計維持の範囲はどこまで?

(平成24年問10D)

埋葬料の支給要件にある「その者により生計維持していた者」とは、被保険者により生計の全部若しくは大部分を維持していた者に限られず、生計の一部を維持していた者も含まれる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

埋葬料生計維持要件には、生計の全部や大部分を維持していたものに限られず、一部でも生計を維持していた者も含まれます。

ちなみに、生計を維持されていれば遺族や親族でなくても大丈夫なようです。(協会けんぽの場合)

さて、次は埋葬費について見ていきましょう。

最初に下の問題で埋葬費の支給要件を確認しましょう。

 

埋葬費の支給要件

(平成23年問4B)

被保険者が死亡したときは、その者により生計を維持していた者であって埋葬を行うものに対して、埋葬料として政令で定める金額を支給するが、埋葬料の支給を受けるべき者がない場合においては、埋葬を行った者に対して、前述の埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額を支給する。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

埋葬費は、まず、埋葬料の支給対象者がいないことが要件になっているので、実際に埋葬を行った者に対して、埋葬料と同じ5万円の範囲内で埋葬に要した費用を支給することになっています。

ちなみに、「埋葬に要した費用」というのは、霊柩車代や霊柩運搬代、霊前供物代や火葬料、僧侶への謝礼などの費用が支給対象になっています。

では、事例問題というほどのものではないですが、埋葬費について問われた過去問がありますので見てみましょう。

 

埋葬費の事例問題

(平成28年問8E)

被保険者が死亡し、その被保険者には埋葬料の支給を受けるべき者がいないが、別に生計をたてている別居の実の弟が埋葬を行った場合、その弟には、埋葬料の金額の範囲内においてその埋葬に要した費用に相当する金額が支給される。

 

解説

解答:正

問題文の場合、実の弟が埋葬費の支給対象になります。

問題文にもあるように、埋葬料の支給対象者がおらず、実の弟は被保険者から生計を維持されていたわけではないですね。

でも、その弟が被保険者の埋葬を行なったので5万円の範囲内で埋葬費が支給されるわけですね。

では最後に家族埋葬料について確認しておきましょう。

次の問題では家族埋葬料の支給要件について問われています。

 

家族埋葬料の支給要件とは

(平成26年問8E)

被保険者の被扶養者が死産をしたときは、被保険者に対して家族埋葬料として5万円が支給される。

 

解説

解答:誤り

問題文の場合、被保険者に対して家族埋葬料は支給されません。

被扶養者が死産をしたということで、その死産児を埋葬をすることになり、費用が必要にはなるのですが、

出生したわけではないので、被保険者の被扶養者としては認められないので、家族埋葬料の支給はなされないということになります。

こちらについては、通達にありますので、リンクを貼っておきますね。

 

参考記事:死産に伴う家族埋葬料支給解釈等疑義に関する件 昭和二三年一一月二九日 二三健保第二五六八号

 

今回のポイント

  • 埋葬料は、被保険者が死亡したときに、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行うものに対し、5万円を支給されます。
  • 埋葬料生計維持要件には、生計の全部や大部分を維持していたものに限られず、一部でも生計を維持していた者も含まれます。
  • 埋葬費は、まず、埋葬料の支給対象者がいないことが要件になっているので、実際に埋葬を行った者に対して、埋葬料と同じ5万円の範囲内で埋葬に要した費用を支給することになっています。
  • 家族埋葬料は、被保険者の被扶養者が死亡した場合に支給されますが、死産児は対象外になっています。

 

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